サイレント・トリートメント:目に見えない心理的虐待

2017年12月12日 in 心理学 0 シェア済み
サイレントトリートメント

サイレント・トリートメントは感情よりも合理性を重視し、自分を上手く制御し、平常心を保てる人が良く使います。これは静かな暴力の現れであり、心理的虐待でもあります。そしてそれを受ける相手を深く傷つけます。

サイレント・トリートメントとは人が人を無視する行動のことです。これはカップル、友達、親子、親族間などで見受けられます。喧嘩などの衝突が起きる前兆でもあります。ですがはっきりとした意思表示ではないため、被害者本人は何が問題なのか気づけないこともあります。

「人間の人間に対する最も卑劣な行為は憎む事ではなく、無関心であることである。それこそが残酷性の本質なのだ。」

₋ ジョージ・バーナード・ショウ ₋

サイレント・トリートメントは、話すことを拒絶するなどの行為を含みます。聞こえていないのではなく、まるで伝染病にでもかかっているかのように相手を避け、聞こえていないふりをするのです。相手の望み、必要とするものを無視し、その人に「自分は透明人間のようで、価値のない存在だ」と感じさせるような行動を取ります。

こういった行為はとても相手を傷つけます。未熟な人間だという事だけでなく、意地悪で、精神的に大人になり切れていないことを晒し出した行動なのですが、相手には十分にダメージを与えています。しかもこれは相手をコントロールし苦しめようとする行動なため、2人の関係にとっても決して良い事ではありません。

心のトラウマとなるサイレント・トリートメント

サイレント・トリートメントの標的となった人は、とても辛く苦しい気持ちを抱えます。人から無視をされることで「自分は人から気遣われる価値のない人間だ」と感じます。これが暗く冷たい気持ちから起こった行動ならなおさらタチが悪く、被害者もどう受け取っていいのか戸惑ってしまいます。

溶けて流れる瞳

無視をされ続けると、徐々に悲しみの気持ちに心が支配されを招いたりします。また怒りや恐れ、罪悪感を感じたりもします。無視をする事は、遠回りに「あなたがしている事は間違っている」と指摘しているのですが、これは問題への向き合い方として非常に不健全なものです。

このタイプの行動を取られた方は、とても苦しい気持ちになります。自分が何をしたのか、何が悪かったのか、なぜ相手がそういう態度を取るのかを理解することが出来ません。どうして良いのか分からず、大きなストレスを抱える事となります。そのため、この行為は「虐待」の1つと言われるのです。怒鳴ったり殴ったりしなくても、相手にとっては暴力なのです。

サイレント・トリートメントは体の健康にも悪影響を及ぼす

無視をされると脳に変化が起きる事が、研究によって証明されています。脳内の前帯状皮質と呼ばれる部分が、痛みや苦しみのレベルを感知します。サイレント・トリートメントを受けるとこの部分が活性化する事を科学者は証明しています。

脳の仕組み

この部分が活性化されるという事は、体に何らかの症状が出始めているという事です。最も一般的な物が頭痛や消化器官の不具合です。また疲労感や不眠症も現れやすいようです。状況が容赦なく長く続く場合、血圧の上昇や糖尿病、癌のような深刻な問題をも引き起こします。

ストレス度の高いこの状況は、免疫システムにも影響を与えます。加害者が教師や親、上司などの強い立場の人間の場合は、更に深刻なものとなります。

サイレント・トリートメントを受けた時の対処法を学ぶ

サイレント・トリートメントは恋人や夫婦、友達、兄弟間などで見られたりします。相手を無視すれば、今までの行動が変わったり自分の望むことをしてくれると勘違いしているのです。人に何かを伝えたり教えたりする手段だとすら考える人もいますが、それは間違っています。罰という名のもとに相手を無視すれば、互いの関係を壊す事になり兼ねません。

楽しく食事をするグループ

このような自分を正当化した行動、心の不安定さの結果から導かれる手段は、乏しいコミュニケーションスキルの現れです。気持ちが昂ったり、状況が悪化している時の沈黙は健全なものですが、相手をコントロールしたり罰するために使うのは虐待です。

無視されても良い人などいません。少なくともなぜそうするのか相手に伝えるべきです。問題をサイレント・トリートメントで解決しようとしないでください。2人の間に何かしら問題が生じているなら、きちんと向き合って話し合い、共に解決法を探すべきです。無視をし、相手と距離を置くのは問題を悪化させるだけで、何の解決にも繋がりません。

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