洗脳:強制的説得の技

2019年1月15日

洗脳は、たくさんの映画やドキュメンタリーの題材として扱われてきました。例えば、アメリカの兵士を洗脳したベトナムの共産主義者を題材にした作品があります。しかし、実際のプロセスは映画で見られるような大規模なものではありません。強制的な説得という風に置き換えると、より理解しやすくなるかもしれません。

強制的説得は、力を使って相手に影響を与えることです。このタイプの説得は強く影響力を及ぼします。宗派、全体主義国家、テロ集団、誘拐犯などは、このタイプの説得を使用します。

誰かを洗脳したり、強制的説得を利用したりすることは簡単ではありません。他人の信仰、思考過程、感じ方、行動の仕方を変えてしまえるほどの様々なテクニックが必要です。これらの強制的説得は、4つのタイプに分かれます。社会環境型、感情型、認知型、解離型です。

悩む
社会環境型

このタイプの技では、対象の周りや環境を操作・制御します。目的は、簡単に説得できるように個人の反抗心を弱めることです。いくつかの社会環境型強制的説得の方法を見てみましょう。

  • 孤立。これによって対象が説得されやすくなります。精神的、社会的、物理的に対象の世界とのつながりを断ちます。別の言葉で言えば、対象を完全に孤立させることです。
  • 情報操作。情報のコントロールと操作は、孤立の一種です。情報が少ないことで、対象はたくさんの選択肢が残されません。彼らのクリティカルシンキングも制限されます。
  • 実存主義的依存状態を作り出す。彼らの存在が誰かに委ねられていると信じ込ませることです。たいてい、この「誰か」というのはリーダー的な存在の人です。完全に依存関係が出来上がるまで、対象の一時的、二次的欲求を満たします。
  • 精神物理的衰弱。肉体的衰弱の中には、心理的衰弱と関連しているものもあります。その為、説得術に反抗する能力が弱まります。

感情型

動機は、感情によって条件づけられます。つまり、人の感情に影響を及ぼせたら、相手の動機やふるまいにも影響を及ぼすことができます。

  • 感情的な喜びを引き起こす。人を魅了して丁重に扱います。人を引き入れ、注意をひきつけるために使われる方法です。
  • 恐怖、罪悪感、不安を引き起こす。恐怖、罪悪感、不安の感情的反応を引き出すために飴と鞭を使用します。これらの感情は、依存と服従を促進します。

認知型

このタイプの技は、すでにお話しした2つから派生しています。肉体的に弱く、罪悪感を感じている人は、洗脳するにはもってこいの人材です。

  • クリティカルシンキングの中傷。加害者は、被害者に自分の思考に従うことには価値がないことを示します。それゆえ、被害者は何かを考える度に、それを押しとどめてしまうんです。
  • だましと嘘。情報を隠したり、嘘をついたり、だましたりすることで、現実を歪めます。
  • 服従の要求。団体思考というものを確立します。個々が団体の考えることに従うことを要求します。別の言葉で言えば、同調と服従です。
  • 団体のアイデンティティー。アイデンティティーが集合的でなくてはいけません。結果、個々が自分らしさを失い、グループのアイデンティティーを自分のものとします。これによって、明確な特徴というものを失います。
  • 注意を操作する。他人の注意を惹くものを操作することは、説得内容に注意するよう強制することも可能ということです。
  • 言葉の操作。言葉の操作は、自由の制限です。特定の言葉やフレーズを省略することは、質問や評価を避ける方法でもあります。
  • 権力の源を変える。相手の権力の考え方を一旦破壊したら、全体主義権威という考えにさらします。そうすることで、この権力を持つ人がすべての力を持つことになります。誰もが従わなくてはならないようにします。

「人がお互いに対処することができる方法は2つしかない。力か説得。論理を使って勝てないとわかっているものは、常に銃に頼る。」

-アイン・ランド-

穴
解離状態を作り出す強制的説得

解離は、経験が激し過ぎる際に起こるトランス状態に相当します。このような状態は、一時的に意識やアイデンティティーを喪失します。全体主義的な環境でよく起こりがちです。この無意識状態では、これらの人はより影響を受けやすくなります。結果、選択肢を制限し、それを評価する能力を減少させることで操作しやすくなります。

強制的説得、または洗脳は、人の環境を操作することです。認知的、感情的説得は、相手の考え方や感じ方を変えてしまいます。それによって、説得しやすいトランス状態を作り出してしまいます。

  • Rodríguez-Carballeira, Á. (1992). El lavado de cerebro. Psicología de la persuasión coercitiva. Barcelona: Editorial Boixareu Universitaria.