社会的認知とは?

2019年5月1日

社会的認知とは何でしょう?社会的認知とは、私達がどう情報を処理するかの研究です(アドルフス、1999)。別の言い方をすると、社会状況から情報をコード化し、貯蔵し、復元する方法を含むプロセスです。

現在、社会的認知は、社会心理学において広く使われているモデル、そしてアプローチです。もう一つは行動主義で、これは、行動を説明する際、精神的プロセスを除外します(スキナー1974)。

社会的認知は、私達の他者への考え方です。基本的に、社会関係を理解するのに強力なツールです。社会的認知を通して、人の感情、思考、意図、社会的行動を理解します。実際、他者の考えや感情を知ることは、とても有益なものです。

社会的認知

 

社会的認知の仕組みとは?

人は、中立的な観察者として状況に対処することはありません。ところが、そのように振舞うことはよくあります。自分自身の思いや期待があり、それらが私達が見るものや記憶するものに影響します。つまり、私達の感覚器は情報を受け取り、それから解釈、分析します。さらに、記憶に貯蔵する情報とその解釈を比べます。

ところが、このシンプルな説明が、現実世界でいつも起こっているわけではありません。感情などの要因が他にもあり、このプロセスに影響を与えます。思考は感情に影響し、また、感情が思考に影響することを頭に入れておきましょう(ダマシオ、1994)。

例えば、気分が良い時、世界はより幸せな場所に見えます。幸せな時、今をより楽観的に受け、過去や未来もよりポジティブに見えます。

 

社会的認知はどのように発達するか?

社会的認知はゆっくりと発達します(フィスク、テイラー、1991)。観察に基づき、試行錯誤のプロセスを進みます。直接的な経験や探索が学習を導きます。しかし、知識は非常に主観的です。社会的できごとの解釈は広く異なることがあります。

さらに、私達は情報処理や構成を促す精神構造をもっていますが、時々、失敗することもあります。これらの構造や組織は、私達が何に焦点を当てるかに影響します。また、情報のコード化や復元にも影響があり、自己充足的預言につながることもあります。自己充足的預言は、起こるだろうと考えることで、それが実際に起こる預言です(マートン1948)。

一方で、社会的知識は一部、他の種の知識から独立しています。IQテストで問題解決能力が高かった人が、必ずしも社会的問題の解決に長けているわけではありません。

問題解決能力は、知的能力と切り離して学び、教わることができます。だから、感情や文化的知性など様々な知性に働きかけることが重要です。

表情をもつ女性

 

人の身になって考える

もっとも役立つ社会的認知モデルのひとつが、ロバート・セルマンのものです。セルマンは、他者の社会的観点から見る人の能力に関する理論を発表しました。彼にとって、他者の社会的観点をもつことが、自分や人を主体として理解する力をもたらすものです。これにより、人の視点から自分の行動に対し反応することができるのです。セルマン(1977)は観点の獲得の5つのステージを確立しました。

  • ステージ0:未分化の観点(3~6歳)。6歳頃まで、子どもは社会的状況の自分の解釈と人の観点の違いをはっきり区別することができません。また、自分の概念が正しくないかもしれないということも理解できません。
  • ステージ1:社会情報的観点(6~8歳)。この年齢では、他人が異なる観点をもちえるという知識を発達させます。しかし、人の観点の裏にある論理の理解はあまりありません。
  • ステージ2:自己反射的観点(8~10歳)。このステージで、前思春期の子どもは、人の観点が分かるようになります。ティーンエージャー前で、すでに異なる観点の区別ができます。また、自分の行動の根底にある動機を、他者の観点から熟考することが可能です。
  • ステージ3:第三者または「傍観者」の観点(10~12歳)。自分の観点、仲間の観点、そして、中立的な第三者の観点が分かるようになります。第三者の観察者として、自分自身を観察の対象として見ます。
  • ステージ4:社会的観点(青年期と大人)。人の青年期の概念の根底には2つの特徴があります。ひとつは、精神的要因により動機、行為、思考、感情が形作られることに気づくことです。ふたつ目は、性格は、気質、信念、価値観、態度の体系であるという事実を認め始めることです。
写真

 

社会的認知を見る2つの方法

心理学において、社会的認知を理解するにはいくつかの方法があります。その中でも最も重要な方法のひとつは、知識の社会的次元を強調します。この考え方によると、知識は社会的集団により共有されるもであることから、社会文化的起源があるとされています。

モスコヴィッシは、この考えの代表者です(1988)。地域社会が共有する「社会的表現」、アイデア、思考、イメージ、知識について言及しました。社会的表現には、2つの機能があります。それは、行動を計画するために現実を知ることと、コミュニケーションを促すことです。

この点に関する北アメリカの観点も、大きな影響を与えています(レーヴィン、1977)。これは、個人と精神的プロセスに焦点を当てる社会的認知を理解する方法のひとつです。この観点によると、人は身体的・社会的環境との相互作用から自分の認知構造を構成すると言います。

まとめると、社会的認知とは、日々私達が取り入れる莫大な社会的情報に対応するための方法です。感覚器で収集するデータと刺激は、精神構造へと分析、統合され、後にそれが思考や行動を導きます。

この構造が一度作られると、変えるのは簡単ではありません。原子より先入観を分解する方が難しいと、アルバート・アインシュタインは言っています。第一印象は、それを批判的に考えない限り、私達について回るのです。

 

参照

  • Adolphs, R (1999). Social cognition and the human brain. Trends in Cognitive Sciences 3: 469-79.
  • Damasio, AR (1994). Descarte’s error: Emotion, reason and the human brain. Nueva York: Picador.
  • Fiske, S. T. y Taylor S. E. (1991). Social Cognition. McGraw-Hill, Inc.
  • Lewin, K. (1997). Resolving social conflicts: Field theory in social science. Washington, DC: American Psychological Association.
  • Merton, R. K. (1948). The self fulfilling prophecy. Antioch Review, 8, 195-206.
  • Moscovici, S. (1988). Notes towards a description of social representations. Journal of European Social Psychology, 18, 211–250.
  • Selman, R. L., Jaquette, D. y Lavin, D. R. (1977). Interpersonal awareness in children: Toward an integration of developmental and clinical child psychology. American Journal of Orthopsychiatry, 47, 264–274.
  • Skinner, B. (1974). Sobre el conductismo. Barcelona: Fontanella.