神経発生とは?なぜ重要なのか?

20 1月, 2019

神経は、幼少期のみに形成されるという話が広まっています。しかし、これは真実ではありません。神経発生とは、新たな細胞の誕生の場です。この現象は、脳可塑性、脳の記憶貯蔵や学習などの重要なプロセスにおけるカギとなります。これは、現在多くの科学者により研究が進められている、基礎的な発見です。

神経発生が発見されたのは最近です。1960年代、アルトマンとダス(Altman and Das, 1965)は、げっ歯類においてこの現象を証明しました。しかし、ピーターS.エリクソンの研究チームが人間においてこの発見をしたのは1998年です。

過去の調査の結果{例:Moreno R., Pedraza C., and Gallo M. (2013)}、大人になっても新たな細胞は生成され、その生成を促進することが極めて重要だということが証明されました

神経発生とは何か、そしてなぜ重要なのかご存知ですか?

 

神経発生はどこで生じるのか?

この現象は、脳室下帯(側脳室下部)、特に海馬歯状回の顆粒細胞下帯で生じます(Ehnenger and Kempermann, 2007)。この構造は側頭葉に位置し、辺縁系の一部です。海馬の主な機能には、記憶に関連する機能、学習、空間定位、感情の調整があります。

新たな細胞の二つの分類

まず、何度も複製可能な幹細胞があります。そして、幹細胞と比べて自己再生や分裂に制限のある、前駆細胞があります(Arias-Carrión,、2007)。

神経発生と電位

 

神経発生がなぜ重要なのか?

別の研究グループ(Couillard-Després and others, 2011)は次のように述べています。「既に存在している成体神経幹細胞から新たな神経が継続的に供給されていることが、海馬に依存するタスクの実行を促進するようだ。それは、神経発生の減少や阻害が認知障害と関連性があるためだ。」これは、新たな神経の生成には、記憶や学習が重要であることを強調するものです。

言い換えると、人生を通して新たな細胞を生成し続けたいのであれば、脳を刺激する活動に従事しなければならないということです。

新たなことを学ぶことで、新たな技術だけでなく、新たな神経も獲得できるのです。外国語を話す、楽器の演奏、その他の活動が、心を活発にし、新たな細胞の生成を促進します。新しいことを学ぶのに、遅すぎることはないということを忘れてはいけません。

「神経は過剰な活動により死ぬことはなく、その反対である。無活動により死ぬ。」

-ホセ・マヌエル・ガルシア-

座りっぱなしには反対の効果があります。神経発生の役に立たないだけでなく、認知障害のリスクを高めるのです。よく言われるのと反対に、過活動により細胞は損傷するのではなく、無活動により損傷するのです。アルコール摂取、喫煙、睡眠の悪習慣、不健康な食事は神経を害します。

 

もっと運動し、ストレスを軽減!

身体的に活発であることがストレスを減らし、体を引き締めることはご存知でしょう。運動は神経発生に良いのです。モラレス―ミラ M.とバレンスエラ―ハリントン M.(Morales-Mira M. and Valenzuela-Harrington M. 2014)は「身体的運動は、成人の海馬において神経発生を促進する。これは、セラペウティック・ディレイ(時間がたつことで、かかっていたはずの病気がなおること)、怪我や病気による脳の損傷の修復を示す。」と言います。

運動

私達がストレスを受けると、海馬は下垂体を活発にするホルモンを放出し、それがグルココルチコイド(コルチゾール)を放出します。体のコルチゾールの流れを止めることができないと、海馬の神経に影響を及ぼし、神経発生は生じません

運動をすると、グルココルチコイドのレベルを調整し、ストレスを生み出す脳の循環を不活化し、海馬が再生しやすくなります。つまり、ストレスを受けた海馬は神経発生を起こさせません。健康な海馬なら、それが可能なのです。

「海馬は、一生を通して、学習や記憶のプロセスの基礎となる神経を生成しつづける。」

-サンドライン・スレット-

新しい細胞を作りつづける健康な心を保ちたければ、活発でいることです。神経発生を促進する潜在能力があり、それを可能にします。考えられていたより、長く活発な心を保つことができるのです。

読書、ギターを始める、散歩に行く、瞑想、運動…選択肢は限りなくあり、言い訳はできません。今日、心を引き締めましょう!

Altman, J., & Das, G. D. (1965). Autoradiographic and histological evidence of postnatal hippocampal neurogenesis in rats. Journal of Comparative Neurology. https://doi.org/10.1002/cne.901240303

Moreno Fernández, R. D., Pedraza, C., & Gallo, M. (2013). Neurogénesis hipocampal adulta y envejecimiento cognitivo. Escritos de Psicología / Psychological Writings. https://doi.org/10.5231/psy.writ.2013.2510

Ehninger, D., & Kempermann, G. (2008). Neurogenesis in the adult hippocampus. Cell and Tissue Research. https://doi.org/10.1007/s00441-007-0478-3

Arias-Carrión, Ó., Olivares-Bañuelos, T., & Drucker-Colín, R. (2007). Neurogénesis en el cerebro adulto. Revista de Neurologia. https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.108.203001

Couillard-Despres, S., Iglseder, B., & Aigner, L. (2011). Neurogenesis, cellular plasticity and cognition: The impact of stem cells in the adult and aging brain-a mini-review. Gerontology. https://doi.org/10.1159/000323481

Morales Mira, M., & Valenzuela Harrington, M. (2015). EJERCICIO FÍSICO: SU ROL EN LA NEUROGÉNESIS INDUCIDA POR BDNF Y VEGF. Motricidad Humana (Vol. 15(2)).