心的外傷後成長とは?
人生で、困難と出会いたいという人はいません。しかし痛みを伴う経験はいつかやってきます。この経験が悲惨で健康問題にまで発展する場合があります。一方で、このような出来事から心的外傷後成長ができる人もいます。これができるのは人生の流れをポジティブに変えられる人達です。
感情的トラウマが、何かポジティブなものをもたらすとは考え難いものです。しかし、逆境を乗り越え、真の人間的変容を遂げる人もたくさんいます。では、心的外傷後成長とはどのようなもので、どのような因子が関係しているのでしょう?
心的外傷後成長
心的外傷後成長とは、トラウマになるような出来事に苦しんだの結果、人が経験するポジティブな変化であると定義することができます。
これは単に状況を悪化させずに逆境を乗り越え、最初の状態から回復することを意味するものではありません。心的外傷後成長は、人が自分の受け止め方を変容させることを意味します。
ネガティブな経験の後、個人の観点において、次のような明確な変化が感じられます。
- 人生を再評価し、自分の優先順位を変化させます。
- 社会的関係がより親密で暖かいものになります。逆境に立ち向かう中で、絆を強め、悩み苦しむことにより、共感や情熱が生まれます。例えば、体に問題がある子どもの両親にこれは起こります。経験を通し、多くが親密になり、絆が強くなったと感じると報告しています。
- 自分の強さを感じることができます。トラウマになるような出来事により、自信が高まり、将来の困難に耐える力をつけます。
- さらに、人生における新たな可能性や道を見つけたりそれに気づいたりします。これは、多くの場合非常に厳格で抑圧的だった人に起こります。ネガティブな経験の後、チャンスを見つけて自分の人生の方向性を立て直します。
- さいごに、スピリチュアルな発達が起こります。道徳やスピリチュアル面で変化が起こるのです。自分の価値観を見直し、より超越的な人生の観点が見出されます。
変容のプロセス
この変化は次々と起こるものではなく、また、偶然や運によって生じるものでもありません。心的外傷後成長は個人の本当の再構築の結果です。トラウマになるような出来事があった時、自分の持つ根深い型や認知的スキーマが不安定になります。そして、世界に対する理解が揺れ始め、目的が分からなくなります。
そこで、痛みを伴う新たな現実と向き合うと、人の観点の脱構築や再構築のプロセスや期待が変わり始めます。よりポジティブで機能的なものへと変化するのです。心的外傷後成長の経験は人によって様々です。これは非常に深い変容の旅です。
しかし、このプロセスは痛みを伴わないものではありません。ストレスや負の感情が表出します。これは、成長するためには欠かせない要素です。では、困難を乗り越え、強くなり、変化する人と、深い穴に落ちてしまう人の違いはどこにあるのでしょう?
適切なコーピングスタイル
まず、個人の人格や気質が大きな違いとして挙げられます。楽観さ、ポジティブさ、レジリエンスの度合いは人により異なります。これらの特性や能力の形成には、遺伝や環境が大きく関係しているようです。
また、人より有用で機能的なコーピングスタイルを持つ人がいます。研究によると、内省的で、感情表現をする人は、大きな心的外傷後成長を遂げることがわかっています。
もし、今のコーピングストラテジーで困難に向き合うことで、終わりのない痛みを経験し心細く感じているであれば、スタイルを変えることを考えてみましょう。誰もが自信や楽観さを高めるコーピングスキルを使うことができます。ネガティブな出来事や痛みを伴う出来事を防ぐことはできませんが、心的外傷後成長によりメリットを得て、どんな嫌な経験からも学習することは可能なのです。
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