祖父母奴隷症候群とは

2019年8月28日
ここ数十年で家族構造に生じた変化は、多くの高齢者に影響を与えました。それは 「祖父母奴隷症候群」と呼ばれています。

スペインでの祖父母奴隷症候群の出現は、ここ数十年で起こった家族構造の変化によるものです。特に、女性の社会進出と平均寿命の上昇がその背景にあります。

これにより、孫の世話を1日中しなければならない高齢者が増加しています。祖父母が子どもの世話をしてくれることで家族の仕事と家庭生活のバランスが取れているかもしれません。

しかし、限界が設けられていないのが問題になっています。祖父母のライフスタイルも尊重される必要があります。また祖父母たちは、既に十分家族のために役割を果たしてきたことを忘れてはいけません。

引退は解放の瞬間であるべきです。特に、休息と楽しみの時間となるべきでしょう。仕事でいっぱいの生活の後、最終的に趣味や余暇を楽しんで過ごすべきです。しかし、今一体何が起こっているのでしょうか?

コルヴィとサンチョによると、祖父母奴隷症候群は、社会の変化により高齢者に一連の心理的および身体的症状をもたらしています。これは、身体的レベルから始まるさまざまなレベルに影響を及ぼします。

祖父母奴隷症候群

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家庭における祖父母の役割と譲歩

家庭において祖父母の役割はどれほど重要でしょうか?最近の激動の時代を考えると、高齢者からのサポートは必要不可欠です。特に、 社会的危機からの影響を軽減する手助けとなるでしょう。具体的には以下に挙げる方法でサポートをしているようです。

  • 経済的支援:多くの祖父母は、子供と孫のために経済的支援するように「強制」されています。スペインの経済危機により、大家族を養うため家計を支えなくてはならない祖父母が増えてきています。
  • 孫の世話をする:両親が長時間働いているため、祖父母は孫の世話をする責任があります。お稽古事、病院や歯医者の付き添い、遊びなどに時間を費やさなくてはなりません。祖父母の支援がなければ、多くの場合、これらすべてを行うことは不可能です。祖父母のサポートによって、両親は仕事をあきらめずに家庭を維持しています。
  • 家事の手伝い:料理、掃除、その他の雑用。以前は多くの家庭において、家事をサポートするために誰かを雇う余裕がありました。しかし経済危機が家計に影響を与えましたことにより、祖父母は子供や孫を支援するためにすべての仕事をしなければならなくなりました。

「大切なのは、どれだけ歳をとったかということではなく、どのように歳をとったのかということである。」

ジュール・ルナール-

多くの場合、上記の支援は、祖父母にとって過重負担となっています。この状態が、祖父母奴隷症候群と呼ばれているのです。これを念頭に置いて、祖父母が限界になるまで都合よく利用したりせず、祖父母の負担を考慮し、リミットを設けることが大切です。

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祖父母奴隷症候群の症状

「最初は誰にとっても効果的で問題解決に導く豊かなアイデアのように見えますが、多くの場合、祖父母は感情的な絆に縛られた現代版の奴隷となってしまいます。」

-ソルデヴィラ-

一方、適度に家族をサポートする場合は祖父母奴隷症候群は現れません。孫の世話をすることは、孫とより強い絆を形成するだけでなく、以下のようなその他のメリットもあります。:

  • 祖父母がその役割を楽しんでいる
  • 孫とより多くの時間を過ごせる
  • 多くの場合、祖父母も子供も満足している
  • 祖父母がいつもよりアクティブ
  • 祖父母と孫にとってより安全

一方、祖父母と子供の間に、制限を設定しない場合、多くのデメリットと悪影響が現れます。その場合、祖父母奴隷症候群になるでしょう。

  • 体力の消耗
  • ストレス
  • 無理やり手伝っているという負の感情
  • 社会生活との隔離、自由時間の欠如
  • 健康悪化
  • 家族間の争い
祖父母奴隷症候群

制限と計画

祖父母が、かつて親としてあなたを育ててくれた時と同じように今でもエネルギーに溢れ、能力を持っているわけではないことを覚えておいてください。老年期には身体的な限界が現れることがあります。したがって、助けを求める際もリミットを設定する必要があります。

同様に、祖父母が子供たちから離れて過ごせる時間を定期的に確保しなければなりません。祖父母も自分の興味を持ち、自分の人生があります。こうすることで、多くの場合祖父母にも孫にもメリットが生まれます。

祖父母の願望、将来の計画、好みを考慮に入れなければなりません。 彼らの意見は、ひょっとしたら時代遅れかもしれませんが、経験によって裏付けられたものから来ています。 昔とさほど変化のない人間らしい尊厳を重視する考え方は、祖父母から学ぶことが多いでしょう。いずれにせよ、孫の世話のために寿命を縮めるほどの義務を背負うべきはありません。

祖父母奴隷症候群を防ぐには、適切な計画とタスクの分散が必要不可欠です。 どうしても必要なときだけ、または祖父母が喜んで手伝いたい時にだけ頼りにできるよう、生活計画をしっかりと立てることが非常に重要です。 自分の人生をどのように過ごしたいか、家庭での役割をどのように果たしたいか最終的に決定する権利を持っているのは祖父母だからです。

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