睡眠の中断は短時間睡眠よりも危険?

睡眠中断の影響の一つにうつ病があります。毎晩何度も目が覚めると、身体的および精神的健康に深刻な影響が現われます。詳しく見ていきましょう。
睡眠の中断は短時間睡眠よりも危険?

最後の更新: 30 3月, 2021

睡眠の中断は、睡眠不足よりも危険な場合があります。これは信じがたいかもしれませんが、夜中に何度も目が覚めた経験はありませんか?次の日どう感じましたか?きっと、疲労し、不機嫌で、無関心、無気力だったのではないでしょうか。

睡眠の中断はよく見られる症状で、あなたが思っているよりも深刻かもしれません。夜中に目が覚めることは、まるで通常の睡眠サイクルという布の小さな破れのようです。ご存知かもしれませんが、睡眠フェーズには、しっかり決まったパターンがあります。これが中断されることにより、脳のバランスや夜間に体が行う代謝プロセスが壊れてしまうのです。

よく寝ることは、よく生きることです。そのため、充分な休息をとるためにできることをすることが重要です。睡眠は、身体的健康や心理的幸福感が左右される、生物学的に不可欠なものなのです。

睡眠 中断

睡眠の中断の影響は?

睡眠の中断には複数の副作用があります。親になったばかりの人や新しいシフトの仕事を始めた人の多くは、おそらくそれがどんなものかご存知でしょう。夜の睡眠の質に関しては、睡眠時間は睡眠の質(中断の回避)と同様に重要です。

頻繁に目覚めてしまうというのは、不眠症の一種で、睡眠障害の一つです。例えば、夜11時に布団に入ればすぐに眠れるかもしれません。しかし、その後の8時間で20回以上目が覚めるのであれば、健康的あるいは修復性のある睡眠をとれているとは言えません。残念なことに、多くの人がこれを経験しています。

では、この問題の影響を見ていきましょう。

徐波睡眠が少ないと、うつ病のリスクが高まる

ボルチモアにあるジョンズ・ホプキンズ大学が行った研究によると、たった3日間でも睡眠の中断が続くと、楽観度が下がると言います。精神科教授で研究指揮者のPatrick Finanは次のように説明します。

  • 気分に関し、睡眠の中断は睡眠不足より悪い影響を与える
  • 夜間、睡眠が中断されると、睡眠サイクルが変化する
  • 中断により、ノンレム睡眠から体と脳に必須であるレム睡眠へと移ることができなくなる
  • これらの変性により、脳が行う徐波の数が減る
  • 徐波睡眠の減少は、うつ病などの障害のリスクの大きさと相関する

夜間の短い間隔の睡眠は脳に対する負荷となり、各睡眠フェーズで行われる必要不可欠なプロセスの実行が不可能になってしまいます。そして、それが気分に大きな影響を与えるのです。

記憶問題と長期認知問題

睡眠の中断の影響は、特に長期で続く場合、危険になりえます。例えば、Netherlands Institute for Neuroscienceの Sleep & Cognition groupが行った研究等により、睡眠の中断で最も良くみられる副作用の一つが度忘れであることが明らかになっています。

  • 睡眠の構造と睡眠サイクルは起きている時に学んだことを適切に固定化するのに必要不可欠です。これは、見るもの、感じるもの、経験などすべてに適応されます。
  • 徐波睡眠の間、そして後のレム睡眠で、脳は宣言的記憶(長期)やその適切な固定化における事象を統合します。
  • 睡眠の中断のその他の副作用には、集中に関する問題と決断力の欠如があります。質の高い睡眠に欠けると、反応時間が長くなり、生活上の問題に対応するのが難しくなります。

長期の睡眠中断には、もう一つ別の重要な側面があります。実は、この状態には、認知障害を引き起こす可能性があります。脳がもろくなり、機敏さが衰えてしまうのです。これにより神経接続が減り、アルツハイマーなどの神経変性障害になりやすくなります。

睡眠中断の影響:片頭痛

数週間、数か月続く睡眠障害は頭痛を引き起こす傾向があります。あなたにも、どこかでこの経験があるかもしれません。これを経験している人はたくさんいます。朝のぼやけた感じが、少しずつ片頭痛へと変わっていくあの感じです。

脳がレム睡眠に到達しなかった場合、よく見られる副作用の一つが、この厄介な状態の始まりであることが研究で明らかになっています。カリフォルニア大学の神経学科が行った研究等は、睡眠の中断の問題と片頭痛の発症を結び付けています。その原因は遺伝子の変性かもしれません。よく見られる問題への興味深い手がかりが、数年のうちに、科学者によりさらに探索されることは間違いありません。

睡眠 中断

睡眠障害の治療

睡眠の中断にはある要素が引き金となっっている場合があり、それを特定することが重要です。だからこそ、休めた気がしない人は医師に相談すべきなのです。寝る時よりもさらに疲れている、あるいは度忘れや頭痛がある場合、医療機関の予約をしましょう。

むずむず脚症候群や睡眠時無呼吸症候群も、夜の覚醒と関連付けられることがよくあります。もう一つよく見られる要因は、ストレスです。問題の原因となっている根本を解決するよりも、処方箋不要の睡眠剤を服用する方が簡単なので、ついそうしてしまう人が多いものです。

健康的な習慣をつけ、テクノロジーの使用は寝る2時間前にすることで、夜の覚醒を軽減するのに役立ちます。どんなアプローチをとるにしても、慢性的な問題になる前に、できる限り早く睡眠問題に対処しましょう。

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