アラクノフォビア、クモ類への恐怖心

クモは、多くの人々に本物の恐怖を呼び起こさせます。したがって、アラクノフォビアは恐怖症の中でも特に多く見られるものの一つなのです。本日の記事ではこのフォビアについてお話ししていきます。
アラクノフォビア、クモ類への恐怖心
María Vélez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Vélez.

最後の更新: 05 8月, 2024

フォビア(恐怖症)とは、特定の物事への不合理な恐怖のことを言います。動物への恐怖、特にクモへの恐怖心(アラクノフォビア)はフォビアの中でも最も多い類のものの一つです。このフォビアという進化に伴う反応は、折に触れて種としての人間の生存を助けてきましたのも事実です。言い換えると、野生生物や未知の生き物に対して恐怖を抱くことにより、逃走が可能になるのに十分な量のアドレナリンが放出されるということです。しかしながら、フォビアが発現するのは恐怖心が極端なほど強くなり、生活が制限され始めた時です。

世界には約10人に3人の割合で、クモ類に極端な恐怖を抱いている人々がいます。ただし、このタイプのフォビアにはクモだけでなくサソリやダニ類への恐怖も含まれます。したがって、このフォビアを抱える人の大半は大きくてがっしりとしたクモ類を恐れているとはいえ、その恐怖がもっと小さなクモ類やクモ形綱の動物にまで及ぶ、あるいは集中する場合もあるのです。

“クモ恐怖症の人々への敬意を持って申し上げますが、私はクモを愛しています。熱中し過ぎていると言う人もいるかもしれませんが、私はクモやクモの糸について何年間も研究してきましたし、この探究が終わる気配はありません。単にやるべきことが多過ぎるのです”

シェリル・ハヤシ

アラクノフォビア クモ類 恐怖心

アラクノフォビア

動物に対する恐怖症は、通常幼少期あるいは思春期に発現する具体的で単純な恐怖症です。フォビアの本質あるいは恐怖心の強烈さが原因で起こる不合理な恐怖心がその正体で、フォビアを抱える人はできる限り恐怖の元である特定の対象物を回避しようとします。そしてその症状は多様な形で表れ出ます。

実際にクモを目の前にした時にしか症状を経験しないという人もいれば、いついかなる時でも症状が起こり得るという人もいます。実は、恐怖症を引き起こす刺激がその場に存在することは必須ではないのです。単に頭の中での想像が、あるいは刺激に関連する物事が、恐怖反応が起きるきっかけとなってしまう場合があります。

以下が、アラクノフォビアの主な症状です。

  • 心拍数の増加。
  • 発汗。
  • 吐き気。
  • めまいあるいは空間識失調。
  • 息切れあるいは過呼吸。
  • ふるえ。
  • 腹痛。
  • 全身の不快感。
  • 胃腸障害。

さらに、アラクノフォビアの人々は何が何でもクモ類を避けようとします。クモが生息するエリアやクモの存在を示す兆候がある場所には近づかないようにするでしょう。また、多くの人がその出現を目の当たりにしないように務める一方で、目に入ったクモ類を殺してしまうという人もいます。

原因

一般的に、動物への恐怖症は特定の動物との間に起きたトラウマ的経験によるものである場合が多いです。また、このフォビアを抱える誰かとともに育った子どもや、クモ類を特別恐れるよう学習してしまった人がアラクノフォビアになることも考えられます。さらに、この種の恐怖心は遺伝的に受け継がれる場合も多いのです。

実は、アラクノフォビアとはこれらの動物への不合理な恐怖あるいは単なる本能的な拒絶なのです。アラクノフォビアを特徴付ける嫌悪感の構成要素から、専門家たちはこれがおそらく進化に関わる恐怖心なのであろう、と考えました。致死性の毒やその他の未知の危険性から人類を生き延びさせてきた一種の強みだということです。

マックス・プランク進化人類学研究所(ドイツ、ライプツィヒ)の研究員たちによって行われた研究が、アラクノフォビアには生得的な進化学上の起源があることを確証しています。彼らはクモやヘビの写真を目の当たりにした赤ちゃんたちの不安の度合いを計測しました。クモを含む様々な動物や物体の写真を見ている時の乳児たちの不安の兆候は瞳孔の拡張に表われ出るため、研究員たちはこれを分析に利用したのです。

アラクノフォビア、クモ類への恐怖心

治療法はあるのか?

全てのフォビアは治療することが可能です。専門家の助けを借り、リラクゼーションテクニックを学ぶと良いでしょう。このテクニックは症状を和らげてくれるだけでなく、系統的脱感作法を行うためのサポートとしても役立ちます。系統的脱感作法とは、恐怖の対象に少しずつ曝露していくテクニックです。例えば専門家は、最初はクモの写真を前にした状態で患者にリラクゼーションエクササイズを行わせ、それを生身のクモの前でも冷静でいられるようになるまで少しずつ続けていきます。

また、クモ類に対する自身の思い込みを修正する取り組みをするのも良いでしょう。概して、これらの動物への知識が欠如していることが恐怖心を強める原因となってしまいます。そのため、クモ類に関して可能な限りのことを学び、特に誤った通念があることを把握してください。オススメは、噛まれる確率や毒の本質的な機能、そしてクモによって実際に死んでしまった人の人数などの情報を集めることです。

そうは言っても、その強い嫌悪感から、アラクノフォビアは数ある動物恐怖症の中でも特に治療が難しい部類に入ります。この恐怖心はかなり本能的なものであり、理性でどうこうできるものではありません。それでも、心理学的な働きかけがその症状やネガティブ思考を抱える人々の助けとなるのは事実です。

治療法はあるのか?

全てのフォビアは治療することが可能です。専門家の助けを借り、リラクゼーションテクニックを学ぶと良いでしょう。このテクニックは症状を和らげてくれるだけでなく、系統的脱感作法を行うためのサポートとしても役立ちます。系統的脱感作法とは、恐怖の対象に少しずつ曝露していくテクニックです。例えば専門家は、最初はクモの写真を前にした状態で患者にリラクゼーションエクササイズを行わせ、それを生身のクモの前でも冷静でいられるようになるまで少しずつ続けていきます。

また、クモ類に対する自身の思い込みを修正する取り組みをするのも良いでしょう。概して、これらの動物への知識が欠如していることが恐怖心を強める原因となってしまいます。そのため、クモ類に関して可能な限りのことを学び、特に誤った通念があることを把握してください。オススメは、噛まれる確率や毒の本質的な機能、そしてクモによって実際に死んでしまった人の人数などの情報を集めることです。

そうは言っても、クモ類の嫌悪感を呼び起こすような構成ゆえ、アラクノフォビアは数ある動物恐怖症の中でも特に治療が難しい部類に入ります。この恐怖心はかなり本能的なものであり、理性でどうこうできるものではありません。それでも、心理学的なエクササイズがその症状やネガティブ思考を抱える人々の助けとなるのは事実です。


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  • Capafóns, B.J. I. (2001). Tratamientos psicológicos eficaces para las fobias específicas. Psicothema, 13, 447-452.

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