卜伝(ぼくでん)の物語

2019年9月26日
日本の偉大な剣士、卜伝の物語です。ぜひ読んでみてください!

このすてきな物語は16世紀の日本の偉大な剣士、塚原卜伝の話です。武術を極め、才能は皆が認めるものでした。知的なことでもよく知られています。

卜伝には3人の子どもがいました。卜伝は子どもの注意力を試すため、少し開いた扉の上に重い枕木を置きました。そして、長男彦四郎を呼びます。

「愚かな者だけが、両足で水の深さを測る」

卜伝の長男は、皆から好かれています。とても優しい子です。卜伝に呼ばれた彦四郎は、扉の前に立ち、ゆっくりと開けました。いつもより重く、何かが違うと気づきます。

彦四郎は、ゆっくりと扉の上に触れます。そして、枕木を見つけ、ゆっくりとそれを降ろしました。卜伝は内心ほっとしました。そして、長男は枕木を元の位置に戻し、部屋を出ました。

塚原卜伝

 

卜伝と息子の関係

数日後、卜伝は次男を同じように試します。彦五郎は、敏速で器用だと皆から慕われています。長男のように注意深くはありませんが、自分の技術には自信があります

卜伝は彦五郎を部屋に呼びました。彦五郎はすぐに立ち上がり、扉へと向かいます。考える間もなく扉を開け、落ちてきた枕木を空中でキャッチしました。そしてそれを元の場所に戻しました。卜伝は、考え込みました。

次は三男、彦六の番です。彦六は、3人の中で一番衝動的ですが、喜びと愛にあふれています。卜伝もそんな息子を愛していましたが、このテストに関しては心配でした。そして、その予想は的中します。卜伝は、他の2人と同じように、三男を呼びました。

彦六は急いで扉へと向かい、元気よく扉を開けました。枕木は彼のちょんまげに当たりましたが、それに気づいた彦六は、刀を出し、枕木が地面に着く前に二つに切りました。そして笑顔を見せ、自分の反射神経に満足したようです

 

注意の物語

卜伝は、三男の反応を心配します。彼のような衝動性は一家にとって恥であり、悪いものではないかと考えます。このように意識や知恵に欠ける行為をとる子どもは捨てられるべき時代だったのです。

卜伝は3人の息子を呼び、自身におこった数年前の出来事を語りました。身体的にも精神的にも誰よりも俊敏な彼の弟子の話です。彼は闘いで負けたことはありません。

ある日、彼がとある村を歩いていた時、神経質な馬の横を通り過ぎました。馬は非常に敏感で、彼の存在に気づき彼を蹴ろうとしました。しかし彼は非常に機敏で、猫のように素早くそれをよけました見ていた人は、皆拍手しました

卜伝 物語

 

すばらしい教え

同じ日、弟子は卜伝を見つけ、誇らしげにこの話をしました。卜伝は注意深くその話に耳を傾け、弟子が話し終えると、卜伝は彼を追放しました。二度と姿を現すなと言います。皆が驚きました。卜伝は、なぜ弟子の俊敏さを認めなかったのでしょう?

3人の子どもは、卜伝の話を注意深く聞きました。長男は静かに、今聞いたことを内省しようとしているようです。次男は、興味深く聞き入ったようです。しかし三男は困惑し、戸惑っているようです。そして父に「なぜ、才能ある弟子を追放したのですか?自分の地位を取られたくなかったからですか?」と質問しました。

卜伝はこう答えます。「危険を予測できない男は、私の弟子ではない。賢い人ならば馬の近くを歩かなかったはずだ」3人の息子には言葉が見つかりません。二男と三男は、父親が説明せずとも、その意味を理解し、恥ずかしそうに頭を垂れ、部屋を後にしたのでした。

  • Cleary, T. (Ed.). (1995). Antología Zen: Cien historias de iluminación (Vol. 17). Edaf.