母乳育児ができないことの罪悪感

困難を抱えているにも関わらず、母乳を与え続けないことで自分が非難されているように感じてしまう女性はたくさんいます。
母乳育児ができないことの罪悪感
Elena Sanz

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Elena Sanz.

最後の更新: 21 12月, 2022

妊娠が分かった瞬間から、女性には従うべきガイドラインというものがあります。しかし、これらのガイドラインに従おうとすることで女性たちは多くの難しい決断に直面します。母親になるということは刺激的で、未知なる体験です。そして、そのことについて女性たちは多くのことを考えなくてはいけません。母乳で育てるか否か、これはその大きな決断の1つです。

母乳を使うかミルクを選ぶかの理由は、女性それぞれで異なっています。母乳を使っている女性がいる一方で、それができない、もしくはそれをしたくないと思っている女性もいます。

この記事では、母乳とミルク、どちらを選ぶべきかという議論はしません。こでは、様々な理由で母乳を選ぶことができない新米ママたちが感じる罪悪感について語ることを目的としています。つまり、母乳で育児をしたいと思ってもそれが出来ない女性のための記事だということです。

母乳育児 できない 罪悪感

母乳で育児できないことによる罪悪感

母乳を使わないという選択を支える医学的理由は数多くあります。女性が病気にかかっていたり、母乳の分泌量が少なかったり、乳房炎を患っている場合などがその例です。このような状況では、ある2つの考えが対立することで、女性に精神的影響を及ぼします。その2つの考えというのが以下のものです。

  • 赤ちゃんに対する母乳の必要性
  • 自然に、母乳育児を行うことが不可能なこと

これらの対立を実生活内の出来事に変換すると、どれだけストレスがかかる出来事がよく分かると思います。お腹を空かした赤ちゃんが泣いてる中、母親がご飯をあげようとあらゆる手段を試している姿を想像してみてください。そして、そのような中、様々な理由で母乳を利用できない状況もあるのです。

ある母親によると、彼女は息子に母乳をあげるたびに恐怖を感じているといいます。彼女の場合、母乳の分泌量に問題がないものの、母乳の吸引に支障をきたす軽い怪我を負っていました。赤ちゃんはうまく母乳を吸うことができず、搾乳器を使うことにも問題がありました。

彼女の苦悩や痛みは相当なもので、「なんで自分が母乳をあげなくてはいけないのだろう」と自問自答するほどでした。彼女の乳首はひび割れ、出血が止まらず、ヒリヒリとした痛みがずっと続いていました。そのようなことから、助産師は彼女に対して「そこまで苦痛なら無理をしなくてもいい」と伝えました。しかし多くの女性たちは、このような困難を抱えているにも関わらず、母乳を与え続けないことで自分が非難されているように感じているのです。

母乳育児 できない 罪悪感

母乳をあげることを諦めるタイミングはいつなのか?

母乳は必要不可欠なものなのでしょうか?そうとは限りません。このような状況で母親が感じるストレスや不満は赤ちゃんにも伝わりそれは母乳をあげることができないデメリットよりも悪影響をきたします。

生後1ヶ月において、母乳の時間というのは母子間の絆を繋ぐ時間です。この瞬間は、母親と赤ちゃんどちらにとっても感情的利点を与えてくれます。しかし、もしそれに痛みが伴うのであれば、それは悪影響になります。

もし、母親がこのような状況に陥り、母乳を諦めると決めたのであれば、次のステップは一番良いミルクを見つけることです。ミルクは安全なものですし、それを飲むことで赤ちゃんに危険が及ぶリスクは全くありません。ミルクを選ぶ時は、小児科医にアドバイスを求めるのが最適です。

母乳育児 できない 罪悪感

母乳は選択肢であって、責務ではありません。

確かに母乳をあげることで、母子間の感情的絆は深まります。しかし、それをしないからといって、絆の形成には影響をきたさないということが研究で分かっています。

あなたも、母乳を与えられないことが原因で女性が批判されていると感じてしまう社会に違和感を感じているはずです。さらに悪いことに、他者が母親たちをそのような気持ちにさせてしまっているのです。母親たちは、「あなたはよくやっているよ。大切なことは自分自身が幸せになり、その気持ちを赤ちゃんに伝えることだよ」というメッセージを受け取るべきなのです。

赤ちゃんが元気な限り、どのような状況においても女性たちの決断に口出しできる人はいません。そして、母親たちは母乳をあげるか否かという決断に限らず、互いに支え合うべきなのです。女性たちは一人一人異なる状況に置かれているのですから。

私の知らない母親の皆さん、ミルクをあげる選択をしたことに罪悪感を感じる必要は一切ありません。それにより、母親としてのあなたや母親としての経験が劣ることは決してありません。母親として失格になることもありません。あなたは赤ちゃんに必要なものを全て提供できています。そして、食事の時に赤ちゃんが必要な感情的絆もしっかりと与えられているのですから。


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