病的な自己愛者のもつ3つの仮面

病的な自己愛者のもつ3つの仮面
Gema Sánchez Cuevas

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

最後の更新: 16 11月, 2018

病的な自己愛者は、自分の意図や状況を隠すための仮面をもっています。自分は独りよがりで、傲慢だとは思われたくないのです。仮面をかぶり、真の姿を隠します。それがうまくいくこともあり、周りは混乱します。

自己愛とは自尊心であり、自分の性格を認め褒めることです。一方で、病的な自己愛は、自分を過大評価し、いつも周りの人に認められたいという異常なニーズがあります。この病の中心には、無意識な自己嫌悪が隠れています。

「ポストモダンは、ある人格に向かって続く階段である。それは、利己的なセルフサービスが中心で、変幻自在に移り変わる無関心が組み合わさった人格だ。」

-G.リポベツキー-

この歪んだ自己愛は、破壊的なものです。自分を強く主張したいがために、人を操り、残忍で、人をけなすことさえあります。これは無意識に行われています。自分で自分を騙しているのです。仮面をかぶることにより、自分は悪い人ではないと自分や人に思い込ませます。代表的な3つの仮面がこちらです。

 

1.偽の自己向上心

偽の自己向上心は、病的な自己愛者が使う仮面の一つです。称賛、嫉妬を得るため、または、自分に従わせるためだけに主導権を握ろうとします。より良い自分を目指しているのではありません。

冠

病的な自己愛者の特徴の一つに、「偶発的自尊心」があります。これは、自分の価値を測る時、自己愛が元になっていないというものです。彼らは、自己愛ではなく、人からどう見られるかで自分の価値を測ります。

最終目的は、自分の意思を人に押し付けることであり、これが達成されるまで続きます。人を自分の計画通りに動かし、自分は偉いと思いたいのです。また、この仮面を人前で繰り返し被る人は、自分がしたことを自慢します。さらに、それに気づかなかった人や褒めてくれない人の文句を言うことさえあるのです。

 

2.自己犠牲

自己犠牲は、一番厄介な仮面です。様々な場面で責任を抱えようとしますが、その目的は誰かを助けるためではありません。この仮面をかぶった人は、何かを手に入れるため、人のために、自分を犠牲にしたり、困難なことに自ら手を出すこともあります。

これらの行動は、より良い自分を目指して行われるものではなく、人のためでもありません。彼らの目的は、人に頼ってもらい、利益を得ることです。自己犠牲により、親切心や恩を売っているのです。その裏に、利己的な目的があることを忘れてはいけません。すべては、自分をよく見せるためなのです。

鏡に映った男性

しかし偽の向上心の仮面と同じで、この仮面もはずれやすいものです。この仮面をかぶった人は、自分のしてあげたことを忘れさせません。「助けた」人に罪悪感を持たせ、特別な何かを得ようとします。自分は人より優れているかのように行動し、また、犠牲者を装うこともあります。

 

3.大袈裟な考え

病的な自己愛者は、自分は素晴らしい人間だと信じています。人より優れていると思っています。自分と人を比べ、自分は一番だと感じます。自分は人より我慢強い、何でもできる、全てにおいて完璧だ…(これには実際どうかは関係ありません)。

このタイプの人は、自分には怒る権利があると思っているのも大きな特徴です。自分の怒りは尊いもので、誰もがそれを認めるべきだと思っているのです。怒りを爆発させるのは、誰かが自分を怒らせたからです。自分と同等の人に不公平な扱いをされると、大声を出します。自分に不公平だと思うと怒ります。

仮面にと向き合う人

これらがうまく働き、周りの人を信じ込ませることもあります。例えば、職場で、ある事業を発展させるためだと言って、上司が部下を従わせることは珍しくありません。そこにいる全ての人が騙されてしまうことさえあるのです。

病的な自己愛者は、エゴを隠すために仮面をかぶります。彼らは、自分がナルシストだと思われたくはないのです。仮面をかぶり、真の人格を隠そうとします。彼らは、心の奥底でもがいています。助けを必要としているのです。


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