治療抵抗性うつ病

· 2019年4月14日

治療抵抗性うつ病(TRD)とは、一般的な薬に反応しない傾向のあるうつ病です。様々な処方薬や異なる種類のセラピーを受けても、向上が見られません。ただし、これまでの経験から、遅かれ早かれポジティブな結果の出る治療法が見つかることは分かっています。

この定義は、いまだに議論の的となっています英国国立医療技術評価機構(NICE)ガイドラインによると、2種以上の抗うつ薬を試しても望む結果が出ない場合、治療抵抗性うつ病と診断するのが恣意的だとされています。

英国精神薬理学会などの機関は、この診断名をつけるのは、患者が異なる薬の組み合わせを試し、変化が見られない場合だと主張します。今の所、専門家の意見は一致していません。確実に言えるのは、大うつ病患者の約30%に、改善が見られないということです

こういった場合、多くの専門家が自らの診断を見直さなければならないと感じます。というのは、その根底にまだ認識されていない障害が存在しているかもしれないからです。この問題について詳しく見ていきましょう。

紐で結ばれた女性

 

治療抵抗性うつ病:薬が効かない時

まず、はっきりさせておくべきことがひとつあります。それは、うつ病は治療できるということです。どんなタイプであっても、うつ病は多面的であり、治療も然りです。薬、心理療法、社会化などの方法が治療に含まれます

治療抵抗性うつ病も同じです。しかし、この場合、適切な治療法を見つけるまでには、一貫性と粘り強さが必要とされます。そうして初めて、患者(ひどく苦しんでいる人)が必要としている改善が見られるのです。

その一方で、抗うつ薬は効果が証明されているということを忘れてはいけません。当然、気をつけなければならないこともあります。例えば、効果が出るまでには、適切な量を最低6週間服用しなければなりません。

ところが、向上が見られず、患者の気分が下がり続ける場合、それは悲惨な状況になり得ます。さらに、自信を失い、医者は、新たな治療を試すことにも懐疑的になり始めるでしょう

治療抵抗性うつ病の治療は、シンプルではありません。治療には、患者のかたい決心が欠かせません。また、家族の支えも必要です

 

治療がうまくいかない時

2種類以上の抗うつ薬を試し、結果が出ない場合、医者が治療計画を立てる前にまずすべきことは次の通りです。

  • まず、患者が治療の指示に従ったか確認する(処方量、処方期間)
  • 薬の効果に関わるような薬(処方されたどうかに関わらず、「天然」薬も含む)を他に服用していないか確認する
  • 心血管、神経、ホルモンの状態などその他の健康問題を考える
  • 診断が適切かどうか評価する。大うつ病で薬に抵抗性がある場合、双極性障害や境界性パーソナリティー障害など他の障害があることも多い

そして、患者が病気に対し完全に意識的であるか、変化を求めているかを確認することも重要です。科学が効果的で、うつ病の治療に欠かせないことは周知のことですが、治療の経過を最適化するためには、患者のある程度の参加の意志も必要です。

治療抵抗性うつ病の人

 

治療抵抗性うつ病の人に役立つ方法

ここで、一つ明確にすべきことがあります。それは、薬物療法に反応を示さなかった場合、治療抵抗性うつ病の患者は苦しむということです。では、心理療法はどうでしょう?

それは効果的ではないのでしょうか?これに関しは、決定的な研究はまだありません。大うつ病の人が抗うつ薬で改善が見られない場合、セラピーでも効果が見られない傾向があります。

このタイプのうつ病は、重篤な気分障害であることを忘れてはいけません。向精神薬が必要です。効果が見られない場合、専門家は一般的に以下のような対策をします。

  • 処方量の変更
  • 別の抗うつ薬に変える
  • 他の抗うつ薬と組み合わせる
  • 次のような薬で、抗うつ薬の効果を高める:
    • 向精神薬
    • リチウム
    • 抗けいれん薬
    • トリヨードチロニン
    • ピンドロール
    • 亜鉛
    • ベンゾジアゼピン

 

治療抵抗性うつ病のための2つのテクニック

最近まで、TRDの治療には、いつも物議をかもす電気けいれん療法が使われることがありました。しかし、ここ数年、興味深い2つのセラピーが登場しました。

  • 経頭蓋磁気刺激(TMS)は、非侵襲的で痛みを伴わない大脳皮質への刺激です。通常の脳の活動に、きちんと制御された方法で介入します。この「神経調節」のおかげで薬の効果も上がるようで、患者は精神療法にも受容的になります。
  • 迷走神経への刺激。様々な研究で、大うつ病の治療には、迷走神経への刺激が役立つと示されています。小さな電気機器により神経を刺激し、それが脳に伝達されるという方法です。患者を落ち着かせ、ストレス、不安、ネガティブな思考を軽減します
脳と電気

 

治療抵抗性うつ病にかかったら、どうするか?

  • 治療がすぐに効かなくても、あきらめてはいけません。
  • 医師は処方量や処方薬を変えたり、組み合わせる必要があるのかもしれないことを理解しましょう。医師と経過を信じ、我慢強くいましょう。
  • うつ病は、すべてのケースが異なるということを頭に入れておきましょう。医師は、あなたに最適な治療法を見つけなければなりません。協力しましょう。
  • 他の薬を服用するのであれば、必ず、医師に報告しましょう。
  • 最後に、自分の健康を守り、健康的生活を心がけましょう貧しい食生活や何かへの中毒が、治療の妨げになることもあります

体と心は複雑ですが、だからと言って、気分を改善する権利がない、と言うわけではありません。うつ病から解放される権利はあるのです。資格のある専門家のアドバイスを受けることを恐れないようにしましょう。いつか、あなたにあった組み合わせが見つかるはずです!

  • Álvarez, E., Baca Baldomero, E., Bousoño, M., Eguiluz, I., Martín, M., Roca, M., & Urretavizcaya, M. (2008). Depresiones resistentes. Actas Españolas de Psiquiatría36.
  • Dyer, W. W. (2016). Técnicas efectivas de asesoramiento psicológico. DEBOLS! LLO.
  • Ruiz, J. S., & Rodríguez, J. M. (2005). Tratamiento farmacológico de la depresión. Revista clinica espanola205(5), 233-240.
  • Tamayo, J. M., Rosales-Barrera, J. I., Villaseñor-Bayardo, S. J., & Rojas-Malpica, C. (2011). Definición e impacto de las depresiones resistentes/refractarias al tratamiento. Salud mental34(3), 247-255.