ダークトライアド:ナルシシズム、マキャヴェリアニズム、サイコパシー

2019年5月1日

他人と結びつく能力が欠如している人々、もしくは自らの感情を故意に断ち切る能力を持つ人々は、私たちが「ダークトライアド」と呼ぶグループに属しています。このパーソナリティ特性のセットは、ナルシシズム、マキャヴェリアニズム、そしてサイコパシーの三つで成り立っています。

極端な場合、ダークトライアドの特性を持つ人々は犯罪者になってしまったり、精神疾患で己を失ってしまうこともあります。しかし私たちの周りにも診断されてはいないものの、これらの特性を持っている人が存在するのです。

これらの特徴や習性を持つ人々は悪の気質を持っている、と言われています。なぜでしょうか?原因は、他人との付き合いの中での彼らの鈍感さ、自己本位さ、そして他人の不幸を喜ぶ傾向にあります。ブリティッシュコロンビア大学の心理学者であるデルロイ・L・パウルスとケヴィン・M・ウィリアムスは、これらの特性が人間関係において最も否定的な側面であることから、これを「ダークトライアド(闇の三主徴)」と名付けたのです。

頭を操る手

ナルシシズム

「私はやりたいことはなんでもできる」あるいは「他の人々は私を愛するために存在している」といったような考え方が、ナルシシズムの例です。彼らは自己本位な人々で、自己中心的な善悪の感覚を持ち、他の人からの彼らに対する評価と比べて非現実的なほどポジティブな自己像を持っています。

ナルシストは「ヘビ使い」です最初、人々は楽しそうで魅力的に見える彼らを好きになります。しかし時間が経つにつれ、彼らはとても危険な存在になりかねません。彼らの周囲の人々は彼らの本当の目的が何なのかわからなくなってしまうでしょう。その目的とは、賞賛と権力を手に入れることです。

ルーティーンに退屈してしまう彼らは、挑戦を探し求めます。だからほとんどのナルシストが、リーダーであったりストレスレベルの高い職場で働いていたりするのです。精神分析家のマイケル・マコビーによれば、ナルシシズムはビジネス界の上級階層ではかなりよく見られる障害だそうです。競争や年収、人を魅了する力と直接的に結びついたものなのです。

ナルシシズムのネガティブな側面

彼らの強みの一つが、他者を説得するという特殊能力です。彼らはこの力を、周りに多数の支援者を集めるために使います。彼らは簡単に他人を納得させ、して欲しいことをさせることができるのです。

つまり、彼らは望むものを手に入れられるのです。さらに、彼らには共感能力がないので、他人を操ることが困難ではありません。彼らは目的を果たすために使わねばならない手段や戦略に関しては全くえり好みしません。

ナルシストには、たとえそう見えたとしても、他人への興味も関心も一切ありません。彼らが良心の呵責を感じることはなく、周囲の人間のニーズや感情には無感動なのです。

しかし自尊心が彼らの唯一の弱点です。ナルシストの自尊心はとても低いことが大半で、傷つきやすく不安定なことも多いです。だから彼らは、自分より劣っていると思われる人々を周りに集めようとし、それによって支配と権力を味わおうとするのです。

ナルシストな男性

マキャヴェリアニズム

マキャヴェリ主義者たちにとって、結果がどうであれ目的が手段を正当化します。彼らはたいていかなり計算高くて冷酷な人々で、他人との感情的な結びつきを持ちません。

自己本位さや他人を利用する点など、ナルシストと共通する特性を持つ傾向がありますが、ナルシストと彼らとを区別する点があります。それは、彼らは自分自身のことや自らの交友関係について現実的に見ている、という点です。

マキャヴェリ主義者たちは誰のことも感心させようとしません。その代わり、ありのままの自分たちを見せ、物事をはっきり見ることを好みます。なぜならそのほうが他人をうまく操ることができるからです。実は、彼らは欲しいものを手に入れるために操りたい人々の感情に集中するのです。相手の感情を予測すれば、その人を操るための適切な戦略を選択することができるのです。

心理学者のダニエル・ゴールマンによると、マキャヴェリ主義的特徴を持つ人々は共感性に欠けているそうです。彼らの冷酷さは、自らの感情と他人の感情をうまく処理できないところから来ているようです。

実際、感情は彼らをとても当惑させるので、たいていの場合、不安を感じるとそれを悲しみや疲労と区別することができません。しかし、彼らは他人が考えていることを理解する能力には長けている傾向があります。しかしゴールマンが述べているように、頭では何をすべきかわかっていても、彼らの心はいまだ途方に暮れている状態なのです。

ダークトライアド

サイコパシー

サイコパスたちは他人を自由に使ったり捨てたりしていい物体と見なしています。しかし、他のダークトライアドのパーソナリティとは違い、彼らは不安を感じることがほぼありません。恐怖を感じるとはどういうものなのか彼らには想像もつかないのでしょう。

恐れを感じないので、彼らは感情的に張り詰めた、危険で恐ろしい状況下であっても冷静さを保つことができます。彼らは自らの行動による結果をあまり気にしません。ダークトライアドの三つの特性の中で最も刑務所に入りやすい人種です。

サイコパスは、苦痛と関連のある感情スペクトラムのひだの感知が滅ぼされてしまうような神経回路を持っています。したがって、その残酷性に本人は気づいていないと思われます。なぜならそれを検知できないからです。また、罪の意識や恥といった感情も彼らには存在しません。

しかしサイコパスたちは、それによって望むものを手に入れることができるなら簡単に他人の皮膚の下に潜り込み、ボタンを押してしまえるのです。彼らは優れた説得者です。しかし、彼らは社会的認知に関して高得点を得られるにも関わらず、論理的で知性的な観点からしか人間関係や他人の行動を理解することができません。

夕日と女性

罠に落ちないようにするには?

人間関係の中にダークトライアドの人がいるなら、不当な扱いや精神的暴力が起こりうる可能性があります。こういった人々は悪質で、権力や巧みな操作で犠牲者を罠にはめようとしてきます。彼らの網に囚われないようにするカギは、健康的な感情的自立です。他人との関わりでは明確な境界線を定めることを学び、誰にもそれを越えさせないようにしましょう。自分自身を守ることを最優先すべきです。