男性の脳と女性の脳に違いはある?

· 2019年4月15日

脳の機能と能力については、様々な社会的通念が存在します。右脳と左脳の機能の違いについてもいろいろなことが言われています。そして、男性の脳と女性の脳の違いについてもです。それはどれくらい本当なのでしょう? 性別間の脳の機能的相違点や特徴に関する科学的根拠は、実は私たちが信じているほどクリアではないこともあります。

構造的レベルにおける男性の脳と女性の脳の違いについて、証拠となるものが見つかっているのは事実です。しかし、それらの多くは、全部が本当とは言えない機能的違いについての主張をするために使われてきました。この記事では、男性の脳と女性の脳の違いについての科学的発見について見ていきます。

科学によって裏付けられている男性の脳と女性の脳の5つの違い

科学によって裏付けられた主な違いを見ていきましょう:

  • 男性は女性より大きい脳を持っています。ワイテルソン博士によって行われた研究で、女性の脳の平均は1248グラムであったのに対し、男性はそれよりも重い1378グラムであったことがわかりました。しかし、脳を個別に観察すると、男性よりも大きい脳を持っている女性もいました。脳のサイズは、知性やより優れた能力に直接関係があるわけではないので、この発見が何を意味するのかは正確にはわかりません。
  • カーヒルによって2006年に行われた研究によれば、たいていの場合、海馬は女性の方が大きく、偏桃体は男性の方が大きいそうです。海馬は即時記憶などの機能に関係しており、偏桃体は感情や攻撃性に関係しています。
  • 脳の部位の中には、性によって異なる活動を行うところがあります。例えば、感情の記憶は女性においては左の偏桃体で活性化するのに対し、男性では右の偏桃体で行われます。
  • 男性はローテーション課題がより得意です。ローテーション課題とは、幾何学図形を観察し、頭の中でその図形を回転させることです。これは地図で自分の場所を把握したりする視空間課題になります。
  • 女性は感情の処理に秀でています。自分の感情を理解したり処理したりすることにより長けています。これは女性がより共感することにも関係しています。
男性の脳と女性の脳

男性の脳と女性の脳の違いに関する社会的通念

性差は常に議論されている問題です。そしてとても興味深いものでもあります。ですので、科学的研究を情報源として支持されている主張の中には、よりおもしろそうな表題を作るために誇張されているものもあるのです。

しかし、その情報源をつきとめることが大切です。大きな視野で全てのデータを引き出し、以下のような社会的通念が残り続けないようにするべきです。

  • 女性の脳はよりバランスが取れていて完成しているという説。ベストセラーにもなった「男性は火星から、女性は金星からやってきた」を書いた有名な著者、ジョン・グレイは、続編の「二人の心を離さない結婚のルール」の中で、課題を行う際に男性は片方の脳しか使わないのに対し、女性は両方を使うと書いています。これはたくさんのジョークに基づいたものです。それは、男性は一度に一つの課題しかできないというものです。この主張には、過度に単純化した結論が隠れています。さらに、これには何の科学的根拠もないため、疑わしいものでもあります。
  • 女性のミラーニューロンは「極度に活動的だ」という説。多くの人が、女性はミラーニューロンがより活発なため、より共感力があり、感情をうまく処理できると思っています。しかし、誰もこのことを科学的に証明していません。数えきれない研究において、女性は感情の処理がよりうまくできるということが主張されているのは事実です。しかし、ミラーニューロンがより活発であることの生理学的理由は見つかっていないのです。

個人の違いを性差に落とし込むことはできない

人間の行動は本当に様々で予測できません。こういった違いへの答えを見つけようと努力がなされていますが、全ての人間に異質な性質があるということも認めざるをえません。それぞれの性における行動の違いを、脳の違いのせいにしようとしても、あまり多くのことを証明することはできないのです。

現実として、性差には個人の差ほどの違いはないのです。おそらくこれらの違いの大半は文化の違いによるものでしょう。実際、女性は数学が苦手だといったような文化的に信じられていることのために、私たちは自分自身の能力を予想したり評価してしまっている可能性もあるのです。

性差より個人差

性差による行動の違いの根っこは、それぞれがどのように育てられるかによる、ということは驚くべきことではないでしょう。興味深く、衝撃的なデータの魅力に流されてしまわないことが大切です。

そうではなくて、情報を厳密に解釈しなければなりません。完全に真実ではない考えが永続するのを止める時は今なのです。そうすることで、平等な機会に少し近づき、男女が自分のポテンシャルを発揮できるようになるかもしれません。