どんな女性の中にもオオカミがいる

どんな女性の中にもオオカミがいる

最後の更新: 03 3月, 2018

クラリッサ・ピンコラ・エステス著の「狼と駈ける女たち(原題: Women Who Run With Wolves)」の出版によって、新しい女性の典型が生まれたように思われます。ワイルドな女性です。本はかなりの成功をおさめ、18の言語に翻訳され、様々なバージョンが発行され、再版もかかっています。この本の面白いところは、フェミニズムを理解する魔法的な喜々たる方法を提示しています。

本の基本的な前提は、どんな女性の中にもワイルドなオオカミの魂が備わっているということです。このスピリットは、彼女の存在の自然なままのおおらかさから生まれた、重要で強力なエネルギーを保護します。このオオカミのメスはとても獰猛で、捕食者からどうやって自分を守ることができるか、経験不足やだまされやすさをどう乗り越えればいいか理解しています。オオカミは強く、長い間休止状態だったとしても自分の強さを見せつける方法を知っています。

 

「快楽を愛することは時間を要しません。本当に愛するためには、自分の恐怖をコントロールできるヒーローになる必要があります。」
-クラリッサ・ピンコラ・エステス-

オオカミは誤解され汚名を着せられた動物です。彼女のワイルドな面はただのどう猛性ではありません。自分のグループの女族長になる方法を知っています。他人を導く方法を知っています。彼女は、恐怖や不安なしにリーダーになる能力を持っています。 自分の経験から学び、自分をどう扱ったらいいか理解しているのです。

オオカミと現代の女性

現代の女性は驚くべき偉業を成し遂げ、力のある地位に到達していますが、彼女たちの本来の野生のオオカミのエッセンスからは程遠い状態です。ワイルドな女性は、広告が現代の女性に与える命令に屈したりしません。どの道を進むかなんて他人に指図させません。ワイルドな女性はクリエイティブで、情熱的で、直感的で、賢明です。

 

座り込む女性

女性でいることは特権です。しかし、わたしたちの文化はその事実を埋めて隠してしまっています。時には、女性自身がその事実を埋めてしまっています。わたしたちの文明の起源は、女性の周りで起こっています。まず初めに、唯一の血の絆は女性を通じて形成されます。人間のグループは、母親を中心に集まります。父性というものが理解されていなかったからです。人間の社会は、女性を中心に始まっています。

人類の夜明けのなかでは、「ワイルドな女性」が牛耳っていました。こんにちでは、女性らしさが過小評価されています。多くの女性が男性をまねることで自治権を獲得しようとしています。しかし、ワイルドな女性は男性ではありません。彼女は、自分の女性らしさの良さを理解する野性的で決然とした女性です。

特に、ワイルドな女性は彼女の身体に関して力を行使することを誰にも許しません。彼女は一人で踊るか、パートナーと踊ります。自分の周りにいる人を受け入れ抱きます。彼女は喜びに満ち溢れ、自分の直感と要求と繋がっています。何を重んじるべきかなんて誰にも指図させません。いつ子どもを持つべきか、他人の許可を得るためにどのようにふるまうべきかも指図させません。

オオカミの挑戦

わたしたちの文化は、「良い女性」「悪い女性」のステレオタイプを課します。はじめのタイプは尊敬されるべき女性です。多くの人が、徳の完璧な例として彼女を評価します。悪い女性は、安定性を危機にさらします。前に進み進歩したいからです。多くの社会がこのようなタイプの女性を「あばずれ」「ふしだらな女」、オオカミなんて呼びます。人々が話す種を与え、スキャンダルを起こすと思われています。しかし興味深いことに、「puta」 (スペイン語で、「ふしだらな女」)という単語は知恵を意味する「buzda」から来ています。

オオカミと女性

かつて世界の首都であったローマは、ロームルスとレムスによって建設されました。これらの捨て子たちは、彼らにお乳を与えたオオカミのお陰で生き延びました。そんな古代ローマでは、売春婦は一番高い値段を入札した人と15分間のセックス行う女性ではありませんでした。

一般的に、彼女たちは政治、占星術、数学やその他に関して教育されていました。彼女たちはセックスをするだけでなく、多才な同伴者だったのです。彼女たちは素晴らしい話し相手でした。このコンセプトは、芸者に似ています。 ワイルドな女性は売春婦であるかのように思ってしまうかもしれませんが、そういうことではありません。

ワイルドな女性は、要求するのではなく、提供するのです。お願いするのではなく、与えるのです。しかし、彼女たちは飼いならされているわけではありません。彼女がこのように行動するのは、自分に力があると感じているからで、屈服しているからではありません。行き先を決めず、いつでも辞められると知っています。自分は自分自身に属していると知っています。だから、自分を他のもののために献身するのです。自分自身を誰かに与えることを怖がりません。彼女は自由だからです。苦しむことを恐れていません。彼女は自分が強いと知っているからです。

ワイルドな女性は素晴らしい友人です。彼女は忠実で保護的です。それにスピリチュアルです。 自分の人生を毎月のゴールではなく普遍的な価値へと適応させます。彼女はアートが大好きです。自由な表現の手段だからです。 彼女はナルシストやエゴイストになることなく自分自身を愛しています。一番いいところは、このオオカミはすべての女性の中にいます。必要なのは勇気を出してそれを呼び覚ますことです。


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  • Pinkola. Estes, Clarissa (2009) Mujeres que corren con lobos. Madrid: Zeta Bolsillo

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