ドゥームスクローリングと、これをやめるべき理由

私達は無意識にドゥームスクローリングをしています。ソーシャルメディア(と会話型メディア)は、悲しく、ネガティブで、ストレスになるニュースであふれており、私達は「知っておきたい」というニーズにとらわれがちです。しかし、ドゥームスクローリングの精神的影響は大きく、気を付ける必要があります。
ドゥームスクローリングと、これをやめるべき理由
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

世界中の心理学者が、メンタルヘルスに影響する深刻なテクノロジーのトレンドに気づき、警鐘を鳴らしています。ドゥームスクローリングとは、ネガティブあるいは憂うつなニュースを読んでしまうという新しい強迫観念を指します。私達は、自然災害、愛する人を病気で失った人の話、不穏な最新のニュースなどに惹かれてしまうのです。

自分はそんなことはないと首を横に振るかもしれません。あなたはこの特有の悪習慣を持つ多くの中の一人ではないのかもしれません。本当にそうかもしれませんが、実は認めたくないだけという可能性もあります。多くの人は、無意識にドゥームスクローリングを行っています。ほとんどの場合、ポジティブなニュースよりもネガティブなものが多いために、これを行うのかもしれません。つまり私達は、精神に悪影響を与える情報にさらされているのです。

このようなニュースの「摂取」に完全に慣れてしまい、これが普通になっているのでしょうか?ソーシャルメディアをのぞくと、悪いニュースのみを目にすることに慣れていると感じませんか?心理学的立場から見ると、あなた自身は自分が見るものに驚いていないかもしれませんが、脳がこれに慣れていないことは間違いありません。不安障害やうつ病は増えており、ドゥームスクローリングなどのソーシャルメディアの悪習慣は、確実にこれに加担する要因となっています。

ドゥームスクローリング

ドゥームスクローリングとは?

変化や不確かなものであふれる世の中で最新の情報を手に入れるため、私たちはスマートフォンにより依存しがちになっています。ドゥームスクローリングは、去年ツイッターで出てきた言葉です。憂うつになるようなニュース、あるいはネガティブなニュースを無意識に読む傾向を指します。

ここ数か月、『The Los Angeles Times』に掲載されたある記事のおかげで、ドゥームスクローリングという言葉がより一般的になりました。この記事では、ドゥームスクローリングがコロナウイルスの影響で現れた言葉一覧に挙げられています。言葉は、人の社会的現実の反映であり、そのために非常に豊かで動的であり、ユニークでもあります。

ドゥームスクローリングとは正確には何か?

メディアにおける悪いニュースの多さは今に始まったことではありませんが、新しいテクノロジーを使う人は、誰でもドゥームスクローリングを行う可能性があります。私達は、ネガティブ、悲しい、あるいは不安にさせられる話に慣れており、そこに、動物の赤ちゃんに関するニュースが時折おまけのように入ってきます。

  • ソーシャルメディアで自ら選んで悲しい話を読んだり聞いたりする時、ドゥームスクローリングを行っているということになります。
  • その話の精神的影響は、長くは続かない傾向にあります。
  • 持続的にそういった話にさらされることにより、負の感情がゆっくり積み重なるため、問題が生じます。
  • 例としては、ソーシャルメディアのフィードをスクロールし、自分の意志で最新の悲しいあるいは不安になるような話を読むことが挙げられます。ツイッターの誰かの困難な人生の話に、目が止まってしまうのです。
  • 無意識に、あなたの心は精神的健康や幸福感に影響する膨大な量のデータやイメージ、ストーリーを集めています。

なぜ人はこのようなことをするのか?

ニュースやソーシャルメディアの中で不快な情報を探すのは、単なる流行にすぎないと言うメディアもあります。しかし、これは完全に正しいわけではありません。ここ数か月、このような読み物は非常に流行しています。私達はこのような話によりさらされ、脳は「悪いもの」は「良いもの」よりも良いのだと自然と覚えてしまうのです。

  • 私達が生きている今の世の中で、情報を得たいという欲求は完全に自然なものです。その結果、非常に高い割合でソーシャルメディアを利用します。
  • 昔より時間があります。
  • 不確かなもの、不安定なものに関し人は心配するので、世界で何が起きているか常に知りたいと思います。
  • この思いにより、負の感情により注意するようになります。心は常に警戒し、過剰に興奮した状態になります

メンタルヘルスにどのような影響がある?

ドゥームスクローリングは無害ではありません。その反対で、精神的健康に深刻な影響を与えます。これを頭に入れておくことが重要です。サセックス大学の研究等によると、ネガティブなニュースにより、私達はより心配しやすくなるだけでなく、気分も変わってしまうと言います。

この影響は深刻で、その他の要因と組み合わさると、実際うつ病や不安につながる可能性もあります。複雑なのは、ドゥームスクローリングが悪循環を作り出すということです。つまり、自分にとって悪いと分かっていても、これらの話を読むのをやめることはできません中毒的になっているため、やめられないのです。

もう一つの要因は、前にも触れたように、脳がポジティブな記憶よりもネガティブな記憶にすがりがちだという事実があります。また、あなたが望んでいるかいないかに関わらず、ソーシャルメディアにより、あなたはこのタイプの記事にさらされ続けます。そのため、健康への影響は重大になりうるのです。

ドゥームスクローリング

ドゥームスクローリングを減らす方法

ドゥームスクローリングを減らす一番の方法は、かなり明確です。ソーシャルメディアを利用する時間を減らせばいいのです。この明らか解決法は、最も難しく挑戦的なものの一つでもあります。携帯電話に精神的に依存しているという事実が、これを難しくしているのです。自らを内省し、ソーシャルメディアに使う時間を減らすことが重要です。

ソーシャルメディアに自分の時間やメンタルヘルスを奪われてはいけません。一日の中でニュースをチェックする時間を決めましょう。大事なメッセージにのみ返事をし、朝起きてすぐ携帯をチェックするのはやめましょう。

そして、最後に重要なのは、ドゥームスクローリングにより生活におけるポジティブで大切な面から注意がそれることです。会話や散歩などはメンタルヘルスを高める心地よい行為です。「現実世界」により時間を使うと、画面を超えてバランスを見つけることができるでしょう。


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  • Johnston, Wendy & Davey, Graham. (1997). The psychological impact of negative TV news bulletins: The catastrophizing of personal worries. British journal of psychology (London, England : 1953). 88 ( Pt 1). 85-91. 10.1111/j.2044-8295.1997.tb02622.x.

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