ドラマ「フレンズ」が作った世代

25年以上に渡り、この番組は若い世代の世界の見方を変えてきました。「フレンズ」はミレニアル世代の人生に対する非現実的な期待を作り出してきたのです。
ドラマ「フレンズ」が作った世代
Sergio De Dios González

によってレビューと承認されています。 心理学者 Sergio De Dios González.

によって書かれた Camila Thomas

最後の更新: 21 12月, 2022

テレビドラマシリーズの「フレンズ」は、若い人たちの世代を形作りました。1994年に初回が放送され、6人の20代の友達が、小さなカフェに集まるところから物語は始まります。ニューヨークでの若者としての生活は、シンプルであると同時に複雑でもあります。

もとは、このドラマは「不眠症カフェ」というタイトルになるはずでした。このシリーズのターゲット層は、「となりのサインフェルド」やウディ・アレンの映画を観てきた人々でした。しかし、「フレンズ」は予期せぬ展開を見せ、それがまたこのドラマをユニークなものにしたのです。

「フレンズ」には「となりのサインフェルド」と似たような神経質なユーモアがありながら、実はとても希望に満ちたシリーズになっています。これは6人の登場人物に明るい未来があるように思えたからです。これは愛やセックス、恋愛、仕事についてのドラマです。とりわけ、「フレンズ」はどのように友達があなたが選んだ家族になっていくかを描いた友情のドラマだったのです。

非現実的な期待を持つ世代を「フレンズ」はどのように描いたか

このドラマが大きな成功を遂げたのは、その登場人物の成長の為です。「フレンズ」は今日も再放送され続けています。25年以上に渡って、このドラマは若い世代全体が世界をどのように見るかを変えてきました。「フレンズ」はミレニアル世代の人生に対する非現実的な期待を作り出してきたのです。

ドラマ「フレンズ」

1.生活状況

チャンドラーとロスを除き、主要登場人物は給料の良い仕事についていません。ジョーイは俳優で、職に就いたことがありません。モニカはアルバイトのシェフで、レイチェルはコーヒーショップの店員、フィービーはアルバイトのマッサージ師です。マンションを買ったり、借りたりすることさえできないほど、みんなお金がありません。

近代の世界では、安定した職を持たずに、ドラマのようなライフスタイルを維持することは、若い人にはとても難しいことです。マンションのサイズや装飾が、90年代や2000年代の若者のやる気を計る材料となっていきます。しかし、こういった非現実的な期待は、大きな不満の源にもなりえるのです。

2.神経質な性生活

このドラマでは、登場人物の恋愛や性生活は魅力的なものとして描かれていません。恋愛にはいつも問題が生じます。ドラマの中の男性はどうしようもなく、女性は神経質な変わり者なのです。

ロスとチャンドラーはいつも性的不満を抱えています。ジョーイは自分は一夜限りの関係しか持てないと思っているようです。一方レイチェル、モニカ、フィービーは友達の行動を常に詳細に吟味します。「フレンズ」はセックスを、なにか遠いもので、官僚的なプロセスであるかのように描いているのです。

3.ジョーイ・トリビアーニ:セクハラの限界

これは先ほどの点ととても関係があります。ほとんどの女性が、ジムやスーパー、公園、新聞を買っているときなどに見知らぬ男性から「誉め言葉」のつもりのことを言われます。こういった関わり方は気持ちのいいものではなく、これがジョーイの女性への声のかけ方なのです。

ジョーイは、とても多くの男性が間違った考えを持って成長することになった理由です。ジョーイはとても自信家で、女性との関係に「成功している」ということになっていました。そうでなければ女性に違った方法で関わっていたであろう若者に対し、この自信がある種の行動をとるように彼らを方向づけてしまったのです。女性に声をかけるトリバーニ「メソッド」は、セクハラすれすれで、それは許されていいことではありません。

4.コーヒーショップで過ごす正しい時間の長さ

コーヒーショップは楽しいけれどものんびりでき、騒がしくもあり落ち着いてもいます。他のレストランやお店と違い、コーヒーショップは友達が集まる場所を提供しています。90年代には、コーヒーショップは比較的新しいものでした。コーヒーショップが今日ほど人気になったのに、このドラマも一役買っているのです。

とはいえ、「フレンズ」が促進してしまったコーヒーショップへの負の影響もあります。それは、カフェに何時間も居座る人のことです。おしゃべりをしたり、Wi-Fiを使ったり、本を読んだりして、席を立とうとしません。まるでいきつけのコーヒーショップに席を予約しているかのようです。これは「フレンズ」の中ではかわいいことに思えるかもしれませんが、これはビジネスにしてみればとても迷惑な話ですよね。

「フレンズ」と現実

5.終わりのない毒のある関係

「フレンズ」は、負の遺産と共にこの世代を定義づけています。今では、ロスとレイチェルの関係は毒のある関係だと考えられるでしょう。彼女の友達は、それを終わりにするように言っていました。彼の友達もまた別れるよう言っていました。誰も二人の関係を支持していなかったのです。

二人も幸せには見えません。常にケンカをしていました。のちに、二人はその関係の一部を解消ましたが、それは難しい決断をするのが怖かったからです。また、二人とも別の人と浮気をしていました。色んな事がわけがわからなくなっています。これらすべてにも関わらず、多くの人がこの二人を理想のカップルだと思っていたのです。この二人の長く複雑な関係は、「ロマンチック」だとして描かれていたのです。

ロスとレイチェルは恋愛かどうか微妙な関係にとどまっていた期間が長すぎました。さらに、この終わりのない関係は、同じくらい終わりのない「この関係は今後どうなるのか」という会話への扉も開きました。

すべての恋愛において、コミュニケーションは大切です。それにより、お互いがどうしてほしいのかを知ることができるからです。しかし、恋愛には物事を自然の成り行きに任せなければならない時もやってきます。そうではなく、ロスとレイチェルは無駄骨を折ろうとしていたように思えます。

最終的には、「フレンズ」は一世を風靡しましたし、楽しく観ることのできるドラマです。会話がおもしろく、出てくる状況にも思わず笑ってしまいます。そうはいっても、番組を批判的な目で観ることも大切です。そうすることで、問題のある考えや行動パターンを繰り返さなくて済むからです。


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