映画『恋愛睡眠のすすめ』について

30 3月, 2020
『恋愛睡眠のすすめ』では、起きていた時に考えていたことがどのように夢になっているかが描かれています。それはただのメッセージではなく、審美的な活動でもあります。

映画『恋愛睡眠のすすめ』は、パラレル・シンクロナイズド・ランダムネス(平行同時発生的無原則)と呼ばれる現象を描いています。この現象は、人間の脳は驚くほど複雑なループを作り出せる、という考えに関連するものです。しかし頭脳にはテレパシーを使って情報伝達する力がある、という話というよりは私たち全員が常に同じ方向に向かって前進していることを示すような内容になっています。

『恋愛睡眠のすすめ』は、非現実的でワクワクするような夢の世界についての映画です。描かれるのは、ステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)という若いグラフィックアーティストの災難で、彼の脳は現実世界とせめぎ合うようなテレビ番組を映し出してしまいます。

3000年以上にわたり、人類は自分たちの夢に関心を抱いてきましたが、結局説明のつかないものだとみなすに至っています。夢は魔法のような魅力を帯びていて、解読するのが困難な意味合いを持っているように思われますが、時にはあまりにも鮮明な夢を見たせいでそれを外在化したい、と感じることもあるでしょう。見た夢について話したくなり、内容を思い出して言語化しようと頑張ってみるのです(グアルディオラ、1993年)。

この、夢を思い出して言語化する作業が必然的に歪みを伴うプロセスを開始させてしまいます。そのため、夢の中には何か普段とは異なるものがあったという感覚を常に持ち続けることになります。奥深くて説明が難しく、眠っている間に経験した何かの存在に固執します。

映画 恋愛睡眠のすすめ

『恋愛睡眠のすすめ』

夢はどのように形作られるのでしょうか?科学界ですら、そのプロセスを完全に把握してはいません。しかしその解釈は幅広く、『恋愛睡眠のすすめ』でも一つの解釈方法が提示されています。

この映画は、シッチェス・カタロニア国際映画祭で観客賞を勝ち取りました。映画を理解するためのカギは、夢にまつわるその風変わりな理論と、複雑な要素の繊細な組み合わせです。

まずは、ふと思いつくような思考(随想)について考えてみましょう。そしてそこに、あなたのある一日から生まれる記憶を加え、それらを過去の思い出と混ぜてみてください。愛、友情、恋愛と、その日聴いた全ての言葉や曲を、見たものや個人的な事柄を思い浮かべ、それらすべてを一緒くたに混ぜ合わせてみましょう。

ここまで非現実的で幾分非合理な方法で夢について考えてみましたが、ここから先はもっと現実的で科学的な観点から夢を分析していきたいと思います。

白昼夢とは?

白昼夢は、睡眠中に見るような物語と同じ形式で起こる現象です。大抵は無意識でドラマチックなイメージになることが多く、各精神状態とある種の感覚・想像・認知・情動・運動プロセスが絡み合っています(グアルディオラ、1993年)。

白昼夢は奇妙で断続的な特定の形式を取ることが多いですが、それでもその人物の個人的な現実を表したものとなっています。白昼夢からは、最近の記憶と古い記憶とを比較するための材料を得ることができるのです(グアルディオラ、1993年)。

次に、白昼夢は記憶の中にとどまり、将来起きる出来事や経験する状況と連携することがあります。そのため今後予定している旅行やそれに伴う危険性、そして思い描く結果などを想像することになるでしょう。

白昼夢の内容は将来実現する可能性が高いため、夢に擬似的な予知性が特徴として付与されるのです(グアルディオラ、1993年)。

映画 恋愛睡眠のすすめ

夢と科学

神経生理学や精神医学による、注意力や覚醒、眠気、睡眠といった状態に関するメカニズムや機能の研究が行われてきたのは比較的最近のことです。実は、精神活動と意識状態に関連する生理学的尺度は20世紀半ばまで確立するのが不可能なままでした。

夢についての現代の研究では、夢の内容の重要性が強調されています。なぜならそれらはその人物の精神構造に関わるものだからです。つまり、夢の内容と私たちが起きている間に考えることやその概念、懸念などと関連しているということです(ロンバルドとフォッチ、2009年)。

神経言語学では、人がある単語の意味に辿り着くまでのプロセスは、あるモジュールによって図式化できることが示されています。そしてこのモジュールの存在を確立するための理論的根拠は、個人の頭の中にある辞書の出入力に選択的影響を与えるような脳の外傷を抱える患者の行動の中に眠っている、とされています。

覚醒時には、ある単語が白昼夢を見ている間に起こるものと似たような特徴のイメージや概念を想起させる引き金になり得ます。そして睡眠中の夢の構造と共通する認知的要素は、自由連想法を通じて確認することができます(ロンバルドとフォッチ、2009年)。

Fernández Guardiola, A. (1993). Las ensoñaciones: el infranqueable núcleo de la noche. Ciencias, (030).

Lombardo, GP, y Foschi, R. (2009). La psicofisiología de los sueños de Sante de Santics. Medicina nei secoli , 21 (2), 591-609.

Mata, M. J. G. (2018). Ciencia, imaginación y ensoñación en Gaston Bachelard. Ediciones Universidad de Valladolid.