エリクソンの心理社会的発達理論

エリクソンの心理社会的発達理論
Alejandro Sanfeliciano

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Alejandro Sanfeliciano.

最後の更新: 21 12月, 2022

子育てや象徴的行動など、発達心理学が非常に特化したトピックに焦点を当てていることに気付くことがあります。しかし、もっと大きな枠組みで発達段階を考察することは、非常に役立つ情報を与えてくれます。生まれてから死ぬまでの人間の段階を知ることは人生を理解することに繋がります。そして、これこそがエリクソンの発達理論が私達に伝えていることなのです。

エリック・H・エリクソンと彼の唱えた理論は人生の発達段階の研究の先駆けとなりました。彼の研究は広い範囲をカバーしていますが、最も有名なものに、心理社会的発達理論という理論があります。この理論は個人の人生における大きな変化を8つの段階に分類したものです。今回はこの理論の段階を一つずつ説明していこうと思います。

「心理社会的発達理論は、個人のライフサイクルにおける変化を8つの段階に分類した理論です。」

エリック・エリクソン

人生における8つの段階

エリクソンによるそれぞれの段階は2つの核によって形成されており、一つ一つの段階が正と負で成り立っています。人は、このような社会的双極性に適応し、期待された通りに成長していかなければなりません。また、それぞれの段階がライフサイクルをより良くするために克服するべき危機でもあります。

信頼 vs 不信

これは人生の最初、0歳から1歳にかけての段階です。この段階で赤ちゃんは親に対して信頼の態度を発達させなければいけません。もしここで安定したケアを赤ちゃんが受け取ることができれば、その赤ちゃんは信頼し始めます。この段階の克服とは、未知との出会いである「不確実性」に直面したとき、他人に信頼が置けることを意味します。

自律心 vs 恥と疑惑

これは第二の段階で、2から3歳頃に現れます。ここで子どもは自律心へのステップを踏み出すことになります。食べること、着替えること、そして自由に両親に反抗することを学習するのです。しかし、それと同時に両親の教える社会的模範に従って、自律の為に自分の欲望を抑える必要もあります。

また、自律的な活動を始めると、自分は本当にそれを行う能力を持っているのかと疑問に思い始めるでしょう。しかし、社会規範の範囲内でこの不確実性を挑戦に変え、子どものやる気を高めることに繋げられれば、それは成功と呼べるでしょう。

ガラスに手を置く少年

積極性 vs 罪悪感

これはおよそ3から6歳の段階で、子どもが個人的な目標に対して挑戦する積極性を持ち始めます。しかし、いつもこのように行動するわけではありません。なぜなら、多くのケースで他の人達の希望や要望にぶつかってしまうからです。ですので、子どもは目標を追求して、目的意識を学ぶ必要が出てきます。

勤勉性 vs 劣等感

この段階は7歳から12歳の子どもに現れます。ここでは、自分と他人を比べることで社会的ツールを学びます。クラスメイトなどと一緒に作業したり、遊ぶことが重要です。

私達の社会は、良い結果を出す為に他人と協力する方法を教えます。しかし、この時の発達が上手くいかないと、他人を尊敬しても自分には劣等感を感じてしまうでしょう。

アイデンティティ vs 役割の混乱

第五の段階は思春期に現れます。若者は様々な身体的変化と共に、新しい社会的な要求に直面します。そして、これは彼らの自己概念や自身の役割の混乱に繋がります。

ですので、彼らはアイデンティティ(自分自身を確立すること)を発達させるために、自身の考えや将来への理想に向けて行動しなければいけなくなります。また、思春期のアイデンティティについては、発達心理学者のジェームス・マーシアがエリクソンの理論をさらに発展させています。

母と青年

親密性 vs 孤独

これは成人期に現れる段階です。ここでは個人が他人と繋がりを持つ為にアイデンティティを掘り下げなければいけません。また、自分を確立させつつ、他人のアイデンティティと調和させるために、「他人と共存する」という絆を見つけるのです。この段階を克服できれば、社会的な孤独を抱えずに、様々なタイプの人間関係を持つ能力が身につきます。

生殖 vs 自己吸収

この7つ目の段階は成人期の大部分を占めます。生産的な人生を確立するために、 アイデンティティや親密性を超えて、 個人は周りの人間、仕事、そして子どもと深く関わりを持たなければなりません。生産的な人生を達成する為に必要な行動は彼らを停滞から守り、目標に向かって前進させてくれます。

自己統合 vs 絶望

最後の段階は65歳以上の老年期で起こります。この段階で自分の人生に満足するためには、今までを振り返り、自身が決断してきたことを認めなければいけません。決断や客観性に肯定的な評価を与えることで自己統合が形成され、自分自身の意味のあるイメージが完成されます。一方、自分の人生に否定的な考えを持っていると絶望を導いてしまいます。


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  • Erikson, Erik. (1968, 1974). Identidad, Juventud y Crisis. Buenos Aires: Editorial Paidós.
  • Erikson, Erik. (2000). El ciclo vital completado. Barcelona: Ediciones Paidós Ibérica.
  • McLoad, S. (2013, 20 de septiembre). Erik Erikson | Etapas psicosociales | Simplemente psicología. Simplemente psicología . https://doi.org/10.1080/19476337.2014.992967

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