不安になると疲れるのはなぜ?

不安で悩んでる人は、生活に悪影響を与える持続的な疲労を抱えている傾向があります。この現象を引き起こす原因を探りましょう!
不安になると疲れるのはなぜ?

最後の更新: 18 12月, 2020

不安になると疲れるのはなぜでしょう。精神的につらい時、この疑問を抱える人は多いでしょう。体が重く感じ、筋肉が痛み、胸が締め付けられ、すぐに座って休みたくなります。何が起こっているのでしょう? ここでは、疲れを誘う不安についてお話します。

この疑問に関する研究はたくさんあり、古いものは第一次世界大戦にまでさかのぼります。最前線で戦った兵士の多くが、身体的負傷に加え、うつ病や不安を抱えていることに医療スタッフが気づきました。認知的問題だけでなく、持続的で過度の疲労というもう一つの共通の症状があったのです

これは当時「戦闘疲労」と呼ばれていました。この心理状態の根本的な生科学的、生理学的プロセスを理解するべく、長年研究が行われてきました。では、詳しく見ていきましょう。

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不安が原因で疲れる時:考えられる要因

多くの場合、疲労は、継続的な身体的行使の影響、あるいは精神的要因の影響のどちらかが関係しています。後者は矛盾するように思えるかもしれませんが、これを証明するデータがあります。

カナダにあるマニトバ大学が行った研究により、不安と疲労の関係に関するある重要な側面が明らかになっています。それは、うつ病や不安が職場に与える影響は非常に大きいということです。仕事のパフォーマンスが下がる要因の一つが疲労です。非常に多くの人が職場で疲労しており、集中できなかったり、目標到達のための生産性が上がりません。

また、不安やうつ病からくる疲労は、普通の生活を困難にするということも研究から分かっています。友達と出かけたり、趣味に没頭するなど今まで楽しんでいたことが、突然重く感じます。これらの活動に必要なエネルギーや力が今の自分にはないのです。なぜ、こうなったのでしょうか? なぜ、不安によりそこまでの疲れを感じるのでしょうか? 次に、よくみられる原因をいくつかご紹介します。

アドレナリンと不安:執拗な身体的活発性

ストレスや不安は、アドレナリンとノルアドレナリンの生成増加に原因があります。これら2つのホルモンは、危険や脅威から逃げるための反応を助けるものです。

  • アドレナリンやノルアドレナリンの放出により、心拍や呼吸、血圧が上がります。また、コルチゾールも放出されます。普通であれば、この反応は短時間でおさまります。つまり、脅威がなくなると、体は通常の状態に戻ります。
  • 不安に襲われていつつも、本人が感じている「脅威」が具体的なもの(野性の動物など)でない時、これらのホルモンの生成は過剰になります。そして、体内に存在していることで多大なる害を及ぼしかねません。疲労、頭痛、消化不良、頻脈などが起こることもあるのです。

一般的に、疲労は不安障害を抱える人の唯一の症状ではありません。上に示した症状の多くがあらわれることも珍しくありません。これらすべてが、持続的な警戒、活発状態の明確な表出で、ご想像の通りこれが大きな疲労になる可能性があるのです

筋肉への影響

現在慢性不安を抱えている人や、経験のある人は、それがどんな感じかご存知でしょう。不安により、体が重く、動かしにくく感じます。脚が痛み、腕が弱く感じ、背中や首がこります

不安の影響が最も大きいのは筋肉です。それは、脳がすべてのエネルギーを筋肉に送り、戦うか逃げるかという反応を起こさせようとするためです。この持続的な警戒状態からくる緊張の積み重ねが、痛みや疲労につながるのです。

脳からメッセージが送られている?

なぜ、不安により疲れを感じるか疑問に思うのであれば、体が何らかのメッセージを送っているかを考えるといいでしょう。疲労は、脳から送られている防衛メカニズムかもしれません。あなたが感じている疲労や無気力は、脳があなたを止めようとしているサインかもしれないのです。

この類の疲労に関して知っておくべき重要な点は、30時間睡眠をとっても疲労が解消されないということです。言い換えると、身体的休息により、精神的な問題を解決することはできません

脳からの反応の目的は、あなたを止め、再編成させることです。習慣を変える、優先順位を立てる、感情をコントロールする、現在や過去の問題と向き合うなどが、対処のためにはベストな方法です。

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健康をおろそかにしないで

不安は、身体的・精神的など様々な形で現れます。持続的な心配、集中できない、睡眠の問題、腹痛、身体的疲労はその一例です。しかし、自分の症状が不安から来ていると決めつけるのはよくありません。病院に行き、根本にある健康問題を見極めましょう。

甲状腺の障害や貧血も、慢性疲労の原因になります。治すためには、専門家の診断を受けることが大切です。

体があなたに何かを伝えようとしているのであれば、それに耳を傾け、そのニーズを満たしてあげましょう。

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  • Enns W. William, Bernstein. Charles (2018) The association of fatigue, pain, depression and anxiety with work and activity impairment in immune mediated inflammatory diseases. Plos One. doi: 10.1371/journal.pone.0198975