頑固さと信念の違い
頑固さと信念とは、石炭とダイヤモンドのようなものです。頑固さとは、柔軟性のない意見です。信念とは確信です。そのため、これらの主な違いは、頑固な人が他人の意見を聞かないのに対して、信念のある人は相手を聞く意志がしっかりとあります。
しかし、頑固さが美徳になり得ることもあります。高い目標を達成しようと思ったとき、頑固さはとても役に立つ性格です。自論を擁護したり、困難に立ち向かうときには大切な要素です。
頑固さが問題となるのは、自分の意見に反した事実や現実、アイディアに対して盲目的になってしまったときです。そして、そんなときに頑固さと信念の違いが顕著に現れます。
信念とは、自分が信じていることに対して熟考した結果です。もちろん、これは何かに対する情熱やエネルギーを失うことを意味するのではなく、理性を失わずにいられるということです。心を開くことが、頑固さと信念を分ける違いです。この2つには他にも差異があります。以下で詳しく見ていきましょう。
「頑固さは良いアドバイスをないがしろにする。」
-アリー・イブン・アビー・ターリブ-
頑固な人の特徴
頑固さにはレベルがあります。まず一番低いレベルは、自分の欲求を満たすことしか考えないことであり、これは子供によく見られます。このような頑固さは主に幼少期に見られるものの、大人になっても子供のような振る舞いをする人も多くいます。つまり、大人になっても癇癪を起こしているのです。
次のレベルは、「頭が固い人」です。これは、一度自分のアイディアや意見が出来上がると、何があってもそれが変わることがないような時です。このような人たちは、自分の立場を守るために、自分の意見や目標に反することにまったく耳を傾けません。
一番高いレベルでは、強迫観念が現れてきます。何かに対して非常に情熱的な人などがこれにあたります。ここまで頑固になると、妄想や精神疾患を引き起こすこともあります。常識は通じなくなり、誰の意見も聞かず、自分の考えが全てを支配するようになります。
信念をもっている人の特徴
信念を持っている人は、特定の意見、目標、感情に対して一貫しています。それは、意識的な熟考、理由付け、評価、自分なりの結論を出すことから生まれる姿勢です。証拠をしっかり評価し、自信が持てると感じた時、信念を持つことが出来ます。
信念と頑固さの一番大きな違いの一つが、自分の心を開いているか否かということです。一度何かを選択したり、その道を進んだからといって、後戻りできないわけではありません。信念を持っている人は、必要ならば方向性を修正することをいといません。
これには意思の強さ、自信、粘り強さが必要です。自らの願望を持ちながらも、そこには反省や意図があるのです。これは自らの自信に対する責任を果たすことです。
頑固さと信念は表裏一体
信念が美徳であるのに対して、頑固さは問題です。しかし、この2つの概念の境界線はいつも明白なわけではなく、頑固でいることを誇りに思っている人もいます。そのような人たちは、頑固さを意思の強さや性格の強さだと思い込んでいます。実際、それは真逆のことなのです。
基本的に頑固な人は、自分の意見に自信がないため他人に耳を傾けようとしません。そして、自分の意見が非論理的であることに自覚的になるのが怖いため、それらを分析しようとしません。信念を持つ人は論理的かつ理性的であるのに対して、頑固者は感情的なのです。頑固者は最終的に自分の意見に根拠がないため、それらを分析しないのです。
頑固さは、他人を拒否することでコミュケーションを拒絶します。これに悪いことはあっても良いことはありません。このような人たちは、変化や柔軟であることを恐れているため、新たな意見をひた隠しにします。頑固さと信念は表裏一体です。その違いは、どのように物事と向き合うかというところにあるのです。
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- Bisi, R. H. (1947). Olden, Christine: The psychology of obstinacy.(La psicología de la obstinación). “The Psychoanalytic Quarterly”, vol. 12. 1943. Revista de psicoanálisis, 5(1), 271-274.