虐待ーなぜそれほどまでに抜け出すのが難しいのか?

2019年2月20日

虐待は依然として私達の日常生活における大きな問題です。虐待を受けている関係から逃げ出せずにパートナーや元パートナーに殺される女性の話を毎回目にします。元パートナーに襲われているのに、それでも被害者はその元パートナーのところに何度も何度も戻ったりします。あるいは、虐待を受けている関係から全く抜け出せずにいたりします。なぜでしょうか?

これは多くの人にとって理解しがたく、被害者を責めることになる行動です。「彼にそんなに傷つけられているのに、どうして彼の元に戻ったり、彼と一緒にいようとするの?」といった声をよく耳にします。現実はそんなに単純なものではありません。実は、こうした女性たちは責められるべき存在ではありません。事実、虐待関係から逃げるのが難しい理由は多く存在します。この記事を読んでその理由を知り、こうした状況に陥っている人を助けられるようになりましょう。

「相手に対して命令、支配、抑圧したいというこの不条理な必要性がドメスティックバイオレンスへとつながる主要なものである。」

―ルイス・ロハス・マルコス―

うなだれる女性

精神的依存と虐待

恋愛関係にある場合、相手に愛されていると感じるのが普通です。では、精神的依存とはどのように定義すべきでしょうか?精神的依存とは、強迫的思考や見捨てられ不安を常に煽ってくるようなパートナーから愛情を過剰に欲する必要性のことを言います。女性はこうした必要性から恋人を失わないように服従的に振る舞ってしまいます。

そして、自分を含む全てを差し置いて恋人が最優先事項となってしまい、恋人を理想化します。こうなると、恋人の良い所(そんなにたくさんなかったとしても)のみに神経が集中し、残虐さや攻撃的なところを覆い隠してしまいます。また、攻撃的なパートナー自身の考えである「俺の方が上だ」という考えを受け入れてしまっています。

これは別れることへの恐怖と関連しています。その恐怖がその後、離別不安を引き起こしこの関係が終わって独りになってしまうことが、起こり得る最悪の事態だと被害者に思わせてしまうのです。なので、この事態を防ぐためにありとあらゆる手を尽くします。これは虐待が恒常的である場合、更に深みへとはまっていきます。往々にして、攻撃的なパートナーは悪かったと思い、自分がした被害を「償おう」とするからです。

「我々は暴力よりも自分の気持ちを恐れる。個人的で、私的で、孤独な痛みは他人によって引き起こされる痛みよりも何よりも恐ろしいものだ。」

―ジム・モリソン―

私のせい

こうした虐待関係にある被害者は、自分が受けて苦しんでいる暴力は自分のせいだと責めるようになってしまったりします。「自分のパートナーは優しくて気にかけてくれている」と思い込ませるような思惑になっているため、相手の暴力的な言動を受け入れる余地がありません。なので、暴力を振るわれると、被害者はその原因を探し、大抵、自分が原因なのだと思うようになります。これがこうした女性が自分のことを被害者だと思うどころか、罪悪感や責任を感じてしまう理由です。

その後、何が起こるかと言うと、その関係にはひどく恐ろしい攻撃の時期が訪れ、その後、安堵溢れる良い時期が訪れます。こうしたシナリオでは、被害者は通常、後者の時期がもっと頻繁に訪れるようにしようとあらゆることを行います。たとえそれが自分の首を更に締めることになることを意味したとしてもです。

逃げ場のない女性

女性が虐待に留まる他の理由

虐待を受けている関係から被害者を逃がさないように阻む要因は他にもあります。それは、低い自尊心です。自分は何もきちんとできない、あるいは自分は価値のない人間だと考えており、虐待者はこうしたことを被害者に言い続けます。「お前は価値のない人間だ」というのが言葉の暴力でよく耳にするフレーズです。

ですが、虐待者は被害者に対してただ身体的、あるいは精神的暴力だけをふるうわけではありません。女性の社会的支援となるネットワークを絶つことも一般的です。被害者が孤立することによって、虐待者に依存し続けたり、より一層依存してしまったりするようになるのです。この策略の最終的な目的は、被害者が誰にも助けを求めることができないようにすることです。

もうひとつの虐待は学習性無力感です。被害者は少しずつ自分の力と自由を失っていき、逃げる術はもうないのだと思うようになっていきます。そして、自暴自棄になり、逃げ道が見えなくなるのです。

「虐待とは、恐怖、屈辱、口頭による暴力、あるいは身体的暴力を使用することによって相手を支配し服従させることを目的とした言動のことである。」

―スーザン・フォワード―

画像提供:Misael Nevarez, Volkan Olmez, Xavier Sotomayor