爬虫類脳と支配欲や権力への執着

· 2017年11月10日

爬虫類脳と権力への執着は表裏一体です。これは原始的かつ非常に攻撃的な感情に支配された性格で、共感に乏しく、ただ支配する快感と自分自身への関心があるのみです。彼らには自制心などなく、まして他人への関心などありません。

1952年、ポール・D・マクリーンは爬虫類脳の進化論を発表し、感情的プロセスと人類の進化におけるその変化について説きました。著名な精神科医であり神経学者でもあるマクリーンによると、現代人の脳は爬虫類脳、大脳辺縁系、そして最も新しく複雑で、機能系を司っている大脳新皮質という 3つの基礎構造を持っているそうです。

「叡智、権力、そして知識の秘密とは謙虚さである」

– アーネスト・ヘミングウェイ

神経学者達は、脳の進化をほのめかすこの概念に合意する一方で、脳が「断片的」であり調和に欠けているとするアイディアには明らかに懐疑的です。彼らは、この概念化を擁護することは、ここ数年流行っている急進的かつほとんど強迫的な右脳と左脳の違いという概念を擁護するようだと考えているのです。

人間の脳を全体的な一つのものとして見なければ、どうやっても間違いになります。脳はパズルではなく、 特化した部分同士が全体として機能するためにつながり合っている臓器であり、まるで常に完璧に作動する効率のよい機械のようです。ですが、時折、特に感情についての話になる時、特定の一部分の活動が注目されます。

直感にしたがって振る舞い、大脳辺縁系や大脳新皮質によって動かされる感情や自制心のバランスを失う人々は、脳の非常に明確で占有的な部分である、爬虫類脳にしたがって行動を起こしています。

 

爬虫類脳と不合理な意思決定

爬虫類脳のみによって支配されている、非常に特徴的な性格があるということは既に話しました。縄張り意識やコントロール、支配、時には攻撃というものに執着する人々のことです。他の全ての人々も、この深く先天的で隔世遺伝的な脳の部分を持っているということなのでしょうか。

もちろんです。ニューロマーケティングの専門家もこれを知っています。私たちの古くからの暗い友人である爬虫類脳は、私たち人間の基本的な機能の多くや、直感を司っています。実際、呼吸や空腹感、喉の渇きといった感覚は爬虫類脳がコントロールしていて、欲望、性欲、権力といった原始的な感情や、そして暴力や生き延びる方法までもがその範疇なのです。

公告業界は、人が製品を比較して意思決定する際、ほとんどいつでも爬虫類脳に支配されているということを知っています。

例えば、喫煙者はただ自分の中毒を満たすためだけに、死の危険を知った上でタバコを買い続けます。この場合、脳の論理的な部分である新皮質は手も足も出せません。そして、ニューロマーケティングの専門家達は、こういった場合に意思決定できる能力は20%にも満たないということを知っているのです。

ゼンマイ人形のように働く人々

権力への執着と感情のコントロール

独裁者と三歳児の性格を比較することは、なかなか的を射た比喩であるように聞こえます。その理由は、彼らが感情に対処しなければならない時の自制心のなさに端的に現れています。著名なモチベーション心理学者であり、ニーズに関する理論で有名なデビッド・マクレランドは、人間は基本的に、人間関係、達成感、そして権力という3つのゴールで特徴づけることができると言います

「権力の行使は、権力の低下によって退廃する」

– ミハイル・バクーニン

 

一人ひとりが際立っている私たちはみな、特有のニーズを持っています。人によっては人間関係をより重んじるし、特定のゴールに達することを目指す人もいるし、たった一つのことに取り憑かれている人々もいます。それは、どこででも権力を行使する、というものです。 以下は、そのような性格のタイプに関連した基本的特徴の紹介です。

  • エネルギッシュで、外部と調和していて、非常にフレンドリーで親密さを持った、大げさなほどにオープンな態度で新たに人間関係を構築しようとします。
  • しかし、このオープンさは実際のところ、隠された意思をカモフラージュしています。支配し、脅迫するために知り合い、そしてより大きな力を得るために仲間を作っているのです。
  • 彼らは常に構えています。 傷ついた、裏切られたと感じるのは稀であり、もしそうなった場合は攻撃的になることを躊躇しません。
  • 爬虫類脳には怒りや鬱憤、苛立ちや恐怖といった感情を管理するためのフィルターや制御メカニズムに欠けているため、彼らは簡単に気性を荒げます。
  • 受容したり、他者のニーズに共感したりすることができません。なぜなら、非常に深く内側に位置するこの脳構造は、感情的な一貫性、バランス、直感と理性を分別する能力に乏しいからです。

結論として、この特徴にあてはまる誰かを知っているかもしれませんが、一つ明確にしておかなければならないことがあります。爬虫類脳は、間違いなく、私たちの様々な反応や選択を導く役割を担っています。しかしながら、私たちの行動全てをコントロールさせるべきではありません。

「爬虫類脳」理論は感情の世界を理解すること、そしてなによりも、適切な感情の発展には時間と努力を投じる必要があるということを意識するために不可欠です。私たちが毎日身体を使い、知性を発展させているように、切迫感や原始的な感情をより上手く調整できるようになるべきでしょう。信じがたいかもしれませんが、そういった部分が私たちの生活の大きな部分を司っているのですから。