ひとりで自宅待機:どう耐え抜くか?

2020年5月21日
ひとりで自宅待機をするのは簡単なことではありません。これを耐え抜くには、心を味方につけ、できるだけポジティブに過ごすストラテジーを使うことが重要です。

コロナウイルスにより、ひとりで自宅待機を強いられている人は少なくありません。今の状況は唐突に、そして気づかないうちにやってきました。新型コロナウイルスによって私達の生活やルーティンは止まってしまいました。

家族やパートナーがいれば、この期間もずっと楽になります。刺激を受けることができ、また親しい繋がりや愛、サポートが気持ちを軽くしてくれます。

しかし、ひとりで自宅待機を強いられている人もいます。ひとり暮らしの人、あるいは仕事のために一人で過ごす人などです。また高齢者にも多くみられます。

しかし状況は非常に変わりやすく、不安、ストレス、孤独の重荷などの要素に敏感になります。このような状況で、感情や心は弱りやすくなっています

それでも、現代社会にはインターネットがあるから大丈夫だと考える人がいます。ビデオ電話、メッセージ、ソーシャルネットワークでの繋がりは確かに有効です。実際テクノロジーが一躍かっていることには間違いありません。しかし、これだけでは十分ではありません。私達は人の物理的な存在を求めます。仲間や目的があってこそ、人生に意味が与えられるからです。このような状況で、私達に何ができるでしょう?

ひとり 自宅待機

ひとりで自宅待機:目的とよりどころ

人が自宅待機にどう対処するかに関する研究はあまり行われていません。ただ、集団的抑制に関する情報はあります。最近では、キングス・カレッジ・ロンドンによる研究が『ランセット』に発表されています。専門家は、2003年にカナダの複数の都市でも起こった、別の型のコロナウイルスであるSARSのアウトブレイクの影響等似たような状況を分析しています。

このケースでは、物資がないことや失職への恐怖により、10日後にストレス、感染に対する大きな恐怖、フラストレーション、倦怠、苦悩が見られました。しかしこの研究はすべて家族単位で行われたものです。そのため、ひとりでの自宅待機の影響に関するデータはありません。

この影響は、アイソレーション・タンクで数時間過ごした後と似ているかもしれません。誰にも会わず、誰とも接触しないことにより、脳には深刻な影響が出ます。さらに、繋がりをもつためのテクノロジーや携帯電話などがない場合、その影響が悪化することは明らかです

自分を今の現実につなぐ

数時間、数日、数週間、ひとりで過ごすと、解離という特殊な状況に苦しむことがあります。これは不安による脳の障害でよくみられるものです。解離になると、今起こっていることは現実ではないと感じ始めてしまいます。

自分の体ともはや繋がっていないように感じます。鏡を見てもそこに映っている自分に無関心で、繋がりを感じません。現実がゆっくりと進み、どこにも意味を見出せなくなります。

この解離の状態には範囲があります。言い換えると、少しだけそう感じる人もいれば極端にこれを感じる人がいます。ここで心を「つなぎ」、それが逃げないようにする必要があります今ここに焦点を当て、心が歩き回らないようにしなければなりません

ルーティンの重要性

今のような状況で、ルーティンは非常に大切です。スケジュールを立て、タスクを遂行し、時間を決めましょう。これに加え、余暇、休養、運動の時間をとることも重要です

すべきことがあると、それが自分の背中を押してくれます。ひとりで自宅待機する場合に理想的なのは、毎日時間をかけてできることを作ることです。例えば、オンラインコースを始めるのも良いでしょう。

心を現実と「つなぎ」、自分の思考に焦点を当てるために、家族や友達と密に連絡を取ることを優先するのも有効です

電話やビデオ電話をする時は、一緒に過ごした楽しい時間や面白い話など、ポジティブな感情を生み出す思い出を振り返りましょう。これにより、本当に重要なことに注目するのを助けてくれるセロトニンが多量に生成されます

ひとり 自宅待機

将来の目標や明日の希望を失わずに

ひとりで自宅待機を耐え抜くために、脳が必要とするのはルーティンだけではありません。また愛を表現するメッセージや愛する人を画面上で見るだけでは足りません。

電話を終えると虚無感が残ります。心が苦しくなり、感情も大きくその影響を受けます。

そこで、将来の目標やプランを思い出すことが大切です新型肺炎はいつか去ります。いつかこの状況はコントロールしやすくなります。

自宅待機の必要がなくなれば、世界は再び動き始めます。夢はあなたを待ち続け、目標はあなたのモチベーション、希望、自信になります。

時々心を開放し、窓の冷たいガラスではなく、地平線に目を向けましょう。自分の目的を忘れてはいけません。今は時が止まっているように感じるかもしれませんが、夢に向かって進む時が再びやってきます。日常に戻る時は必ずやってきます

  • Brooks, Samantha. Webster, Rebecca. The psychological impact of quarantine and how to reduce it: rapid review of the evidence https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)30460-8