ホ・オポノポノ-感情を客観視する心理療法

· 2018年7月7日

ホ・オポノポノとは、ハワイで古くから伝わる世界観のことで、普段私たちが目に止めないような感情の動きに着目することで問題解決を目指す手法です。具体的には、許しを求めたり、自己反省をしたり、優しさを他者に分け与えたりすることで、メンタルヘルスや自分の感情を客観的に分析する上でプラスの効果があると考えられています。

ホ・オポノポノには、ポリネシアン諸島で何世紀も続く深い歴史背景があります。当初の目的はスピリチュアルなもので、「女神と心を通じ合わせること」でした。そして、1976年に西洋にこの考え方が輸入されたことで、新しい哲学として花開くことになったのです。

ハワイの女性牧師で祈祷師のMorrnah Nalamaku Simeonaは、このハワイの伝統的な文化を現代社会に適用させました。彼女は世の中に自己啓発とポジティブな心理学の考え方を広めた人物として称えられています。

かつては家族など複数の人の間で行われていたホ・オポノポノですが、現在は自分が必要な時にできるように、個人でも実践できるようになっています。ホ・オポノポノを正しく訓練すれば、心の重荷を下ろして緊張をほぐすことができるだけでなく、自らの過ちを振り返り、人生の課題に取り組むことができます。

タンポポの綿毛

ホ・オポノポノ-他者と共存する

ハワイ人たちは、人間は「アカ」を通して他者と繋がることができると信じています。アカとは、体全身を巡る空気のようなエネルギーを指します。しかし、このアカのパワーは、人間がお互いの違いを認め合えなかったり、過去の話を蒸し返したり、嘘をついたりすることで弱まってしまいます。さらに、アカは人間同士のトラブルや負の感情によって完全に止まってしまうこともあるというのです。

ホ・オポノポノは人の体内を流れるアカを浄化する効果があるとされています。ホ・オポノポノを実践することで、他者との関係回復に役立つだけでなく、自分自身と再び「繋がる」ことができるのです。この哲学を一言で表すとすると、人の優しさを最大限に発揮させる、ということができるでしょう。全てを赦す優しさを自分の中に探し求めることで、清く正しく美しく生きる方法を見つけることができるのです。

もちろんこれは科学的に立証されたものではなく、スピリチュアルな考え方ですが、それでも問題解決に非常に役に立ちます。実際に、地域の犯罪や近所の人との争いごと、家族間のトラブル、違う文化背景の人との相互理解にポジティブな効果があると認められています。

鳥を放つ女性

例えば、ホ・オポノポノは実際にハワイのある刑務所で実践され、非常に大きな成果をあげました。お年寄りたちが刑務所に収容されている囚人に対して、ホ・オポノポノの手法を用いて問題解決に導いた結果、囚人の心が浄化され刑務所の中の結束が強まったのです。

日常生活にホ・オポノポノを取り入れる方法

ホ・オポノポノの肝は、他者への赦しと、自分の感情の客観視にあります。この哲学では、全ての問題は自分自身の中から発生すると考えられており、そのため自分の外部には問題の原因はないとしています。そして、私たちは皆優しさや共同体感覚、道徳観、心の安定を通して物事を変えていける力を秘めていると考えます。

ホ・オポノポノを日常生活で実践するための方法を次にご紹介します。

ホ・オポノポノ

ホ・オポノポノを実践する5ステップ

  • まず、自分の考え方や感情、悪い言動に気づく。これらは、自分と自分の人生に大切な人との間の距離を広げてしまいます。
  • 次に、自分の行動に責任を持つ。自分の発言や行動の選択、過去に犯してしまった過ちやそれがもたらした結果について責任感を持ちましょう。
  • そして、周囲の人への愛情を表現する。誰かへの感謝の気持ちを表すだけでなく、今まで軽視していた人に対しても心の扉を開いてみましょう。
  • 続いて、赦しを求める。ここで注意したいのが、謝罪をしたらそれで解決するわけではないということです。このステップを完了させるには、相手から許しを得なくてはいけません
  • 最後に、一番重要なステップとして自由を感じる、というものがあります。ハワイ人が信じるように自分のアカが浄化されたことで、他者との繋がりもリセットされ、私たちの魂は醜いものから自由になったのです。ホ・オポノポノのルーティーンを終えた後は、心がスッキリし何か新しいものに挑戦するやる気や自信に満ち溢れていると思います。

ホ・オポノポノは、健康と幸せ、周囲の人々とのより良い繋がりを実現する素晴らしい哲学です。是非皆さんも実践してみてはいかがでしょうか?

参考文献

Pukui, Mary Kawena and Elbert, Samuel H (2009). Hoʻoponopono: Contemporary Uses of a Hawaiian Problem Solving Proces University of Hawaii (1986) ISBN 978-0-8248-0703-0

Simeona, Morrnah, Self-Identity through Hoʻoponopono, Basic 1, Pacifica Seminars (1990)

Vitale, Joe, Hew Len Ph.D (2007), Zero Limits. John Wiley & Sons