育児ストレスの代償とは?

21 12月, 2019
子どもを育てることのストレスは、最近さらに高まっています。この主な原因は、子どもも両親も求めるものが多くなっているためでしょう。夏には町で過ごし、午後は公園で遊ばせるといったアクティビティが、徐々に子どもと大人をプレッシャーに晒すような課外活動へと変わっていったのです。

子どもを持つことがこの上なく幸せなことであることに疑いの余地はありません。しかし、子どもを育てることに伴う育児ストレスの代償は、それとは全く別の問題です。実際、育児はマラソンのようなものである、と言う人もいるほどです。

女性が妊娠すると、いろいろな人から「ストレスは危険で、赤ちゃんの発育に悪影響を与える」というようなことを言われます。とはいえ、赤ちゃんが生まれてしまえばその女性の人生はかなり変化しますし、ストレスを避けることはそれほど簡単ではありません。

ストレスの大部分は、“子どもたちにたくさんの課外活動をさせよう”という最近のトレンドも原因となっています。多くの場合、こういった活動が、子どもたちと十分な時間を一緒に過ごせていないという罪悪感を親たちに押し付けてしまうのです。

育児ストレス 代償

お母さんたちへのアドバイス

赤ちゃんが生まれた後も、ストレスへの対処法や家庭にストレスの少ない環境を作り上げるための方法をわからずにいる両親がほとんどです。実際、多くの場合、人々は親として「そのうち身に付いていくだろう」と考えているので、それをどう達成するかについての解説に注意を払う人など滅多にいないのです。一方で、母親が専門職に就いている場合、状況はさらに困難なものになりがちです。

この事実自体がすでにストレスフルですし、さらに、多くの専門家があらゆることを今以上に大変にさせるような習慣づくりを勧めています。例えば、新生児を両親の寝室内の、両親とは違うベッドで眠らせることなどです。

その上、授乳中の母親は自身が食べるものに気を使わなくてはなりません。また、女性が仕事復帰すると赤ちゃんを十分に愛していないと思われ、しかし逆に職場復帰しない場合には自分自身を十分に愛せていないのではないか、と思われてしまうような社会通念があります。

常に子どものために行動する

こういった全ての要因が、親たちを疲れ切ったストレス漬けの人間に変えてしまいます。できる限り長く時間を使おうと、あらゆる空き時間を埋めてしまうような人間になってしまうのです。

子どもたちが音楽のレッスンに通ったりスポーツチームに入ったり、別の言語を学べるような年齢になると、ストレスはさらに増大します。彼らをそういった活動に参加させるための送り迎えやスケジュール調整…。こういった活動には、時間だけでなく参加費や月謝などの財政的基盤も必要になります。

時に、親たちは「この子たちのためにもっと良い教育を受けさせる資金力が私にはあるだろうか?」と考え始めてしまい、これが家計にさらに制約を与え、前述の活動の資金を作るために余分に働かねばならなくなります。

育児ストレスのリアルな代償

長期間にわたってこのようなストレスに晒され続けると、健康に影響が出てきます。腹痛、頭痛、筋肉痛などが生じ始めるでしょう。長期的に見たときの結果はさらに危険性が高く、高血圧、心臓病、不安症、うつなどの症状に繋がる恐れがあります。

これは、親たちの健康に関するものですが、実は育児ストレスは子どもたちにも悪影響をもたらします。女性が妊娠した瞬間から、そのストレスは赤ちゃんの健康を脅かしかねないものとなるのです。実際に、これに関する研究調査では、妊娠期間の母親のストレスが子どもの生理学的・精神的安定性に影響することが示されています。

さらに、幼少期の間、ストレスや不安障害に苦しむ両親と過ごした子どもたちは、次の世代にもそれを引き渡してしまう傾向があります。また、子どもたちを完全に支配下に置くような育児スタイルは、不安障害をさらに悪化させてしまうようです。

育児ストレス 代償

良い親になろうと焦る必要はない

このデータによると、明白な結論は、ストレスを受けている親たちは自分自身にとっても子どもたちにとっても危険な存在である、ということでしょう。あまりにもたくさんの課外活動や生活習慣の押し付けは、ストレスを頻繁に感じてしまう場合にはかえって子どもたちに悪影響を与えることになります。

おそらく、今こそ焦るのをやめて全てをもう一度検討し直してみるべき時期でしょう。課外活動をやらせ過ぎる必要などないかもしれませんし、あるいは活動の一部をもっとリラックスできるような活動に変えるのも良いかもしれません。家の近くでできるような活動では不十分だ、と感じる場合もあるとは思いますが、最も重要なのはご自身とご家族の心身の健康である、ということは忘れないようにしてください。

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