自分ではなく、不安に人生を乗っ取られる時

不安に人生を乗っ取られるとどうなるでしょう?不安に動かされた心は、何を楽しむこともできません。心配、苦悩、否定的な内なる対話にはまり、ただ日々を「やり過ごす」ことしかできないように感じます。
自分ではなく、不安に人生を乗っ取られる時
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

不安に人生を乗っ取られると、すべてがうまくいきません。不安は、招待されていない嫌な客のようで、あなたの好意を利用します。お願いしてもその場を去ることはなく、気づかぬうちに心にあらゆるものを投げつけてきます

こうなると、性格が変わってしまいます。潜在能力、バランス、幸福を失います。

心理的観点から言うと、人間は「美」を「醜」に変えることを得意とします。これは何を意味するのでしょう?つまり、あなたの本当の敵は不安そのものではありません。凶悪なモンスターになり、平穏な心を奪っているのはあなたなのです。

統制され、均衡がとれていれば、不安はあなたの味方にもなります。脅威に対し反応するのを助けてくれます。何かを達成するための力をくれ、背中を押し、モチベーションを与えてくれます。問題は、不安が最悪の敵になった時です。

現代社会は、不安を大きくする最適な環境になっています。不安は、不確かなもの、不安定な状況で大きくなります。今、私達の世界は脅威になりうるものであふれています。コントロールできないものがたくさんあります。さらに、悪いことに、社会では不安な行動が褒められます。

常に忙しいこと、スケジュールが埋まっていること、一度に5つのことをするのが「当たり前」で、それを望むべきだと考えられています。また、そうではない人を、怠けもの、無責任と呼びます。不安に力を与えることにより、それは、深刻で、意図しない結果を生むことがあります。自動操縦に任せて生きることは、生きているというより、単に生存していると言えるのではないでしょうか

「現代の高校生の不安度数は、1950年代の精神病患者の平均と同じである」

-スコット・ストッセル-

不安 人生

 

不安に人生を乗っ取られると、何が起こる?

ロンドンにあるローハンプトン大学で臨床心理学・法医心理学を専門にしているロバート・エデルマンは、著書 “Anxiety: Theory, Research, and Intervention in Clinical and Health Psychology”の中で、興味深い事実を指摘します。

不安そのものは、精神的異常でも病気でもないと彼は考えます。通常のプロセスなのです。適切に使わない時、これが問題になります。

人は、何カ月、何年、何十年と緊張、恐怖、心配をつのらせます。解決しなかった経験、常時のストレス、否定的な内なる対話は、プレッシャーとなり、また、大きくなります。それでも、不安はどこかに行くことはなく危険なまでに積もります。

このエネルギーは爆発するよりも、あなたの中で道を見つけます。あなたの性格にまで浸透し、性格を変えていきます。不安に人生を乗っ取られると、こうなってしまうのです。

自分を信じることを止め、自己破壊する

不安は、自分の期待や原則に反する別人にあなたを変えます。時間とともに、精神的対話はよりネガティブになり、自分を破壊してしまいます。不安に乗っ取られた内なる声は、頭の中に生じるすべてのことを疑い始めます

将来のゴール、願い、計画が、陰湿な不安の顕微鏡を通して見られます。繰り返し、失敗しているように感じます。タスクや計画に関し、どれほど努力するかは関係ありません。そして、自分を疑い、諦めてしまうのです。

人間関係が難しくなる

不安に人生や脳を乗っ取られると、人との関係も崩れていきます。脳が常に他の物事に焦点を当てていると、気づかぬうちに、周囲を無視し始めまるのです。不安、プレッシャー、不快感を抱くとき、周りの人のニーズに気づくことが難しくなります

あなたの中で精神な嵐が巻き起こっていると、親しくなったり、楽観的でいたり、決断することが難しくなります家族との絆を弱め、絶え間なく問題が生じることは間違いないでしょう。また、不安に心を支配されていると、友達を作ったり、友達と一緒にいることが難しくなり社会生活にも影響が出ます。

不安 人生

不安に乗っ取られると、すべてに興味がなくなる

このような不安と共に暮らしていると、無力になります。ただ、職場で働き、家へ帰ります。会話し、反応し、笑顔を見せ、話を聞きます。また、好きだったことをし、楽しんでいるように振舞い、幸せにも見えます。それでも、内側では、虚無感を抱え、家路につくのです

不安障害は脳や体をノルアドレナリンやコルチゾールであふれさせます。これらのホルモンにより、永続的なサバイバルモードであるかのように、毎日警戒した状態になります。何かを楽しんだり、リラックスすることができなくなります。不安な脳には、セロトニンやエンドルフィンのスペースがありません。

そして、自分が知らない人のようになります。有意義な時間を過ごすことができず、目的や意味が見出せません。虚無感の中を歩き回るだけです。不安に乗っ取られてはいけません。身体的にも精神的にも疲れてしまいます。

助けを求めましょう。不安障害に簡単な治療法はありません。特別なストラテジーやメンタルテクニックを用いることが唯一の方法です。乗り越えることはできます!


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  • Hofmann SG, Dibartolo PM (2010). Introduction: Toward an Understanding of Social Anxiety Disorder. Social Anxiety.
  • Stephan WG, Stephan CW (1985). Intergroup Anxiety. Journal of Social Issues.

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