自閉症の息子への公開状

· 2019年4月21日

私はずっと母親になることを夢見てきました。未来の我が子の顔を細かく想像したものです、目は父親似、笑顔は私、髪の毛はおばあちゃん、身長はおじいちゃん、といったように。私にとって、母性とは呼吸と同じくらい当たり前のものでした。でもこの夢がついに叶った時、それは私が思い描いていたものとは違っていました。自閉症の息子を持つことになるなど、一度も考えたことがなかったのです

私は叫び出し、何かを蹴り飛ばし、罵りたい気持ちになりました。なぜ私なの?この子には今後何が起こるの?この子が苦しむところを見なければならないの?私の中で感情が溢れかえり、疑問だらけになってしまいました。これが、この手紙を書いて彼に私の全ての気持ちを伝えようと決心した瞬間でした。なぜなら自閉症だろうとそうでなかろうと、私の彼への愛が日に日に増していることは事実だからです。

私たちはみな、子どもたちに生き方を教えてやらねばと考えていますが、実際にはこれは全く逆なのです。

自閉症の息子への公開状

あなた向きには作られていない世界へようこそ

親愛なる息子へ:

これから先何が起こるのか、今はわかりません。わかっているのは、私はあなたの母親であり、つまり全てのことを解決してあげるべきだということです。あなたでも通える近場の学校をすでにリストアップしてあるべきで、そこからいい学校を探そうとするべきなのです。最高の学校でなくてもいいにせよ(私はそういった類の母親ではないので)、でももちろん良い教育を受けさせようとするつもりです。学校で劇をやるときのためにビデオカメラを用意したり、午後はあなたの化学の課題を手伝ったりして過ごしていたんだろうなと思います。それが面倒見のいい母親たちのすることですよね。

全てのこういった事柄が何を意味するのでしょうか?あなたがまだたった2歳だということはわかっていますが、私たちはすでに路頭に迷っているようです。私は良い母親になりたいのですあなたに全ての機会を与えてやりたいのです。私たちの暮らす凄まじい競争社会の中で、最強中の最強の相手と競い合うのに万端の準備をして欲しいのです。私はそういった類の母親たちとは違いますが、それでもあなたには私の背中を追って学校では良い成績をとって欲しいのです。

先ほど書いたように、これは何をすべきか知っているべきであるということ、つまりどの道を行けば良いのか正確にわかっているべきだということを意味します。課外活動や家庭教師、サッカーの練習やピアノレッスンなどについても考えるべきだということなのです。私は帝王切開を行う前に、文字通りあなたの育て方や教育について、こと細かに書き出していたのです。どんなステップを踏んでいくべきかが私にははっきりとわかっていました。

昨日、あなたは自閉症を抱えていると診断されました。今は私たち二人共が大海原に取り残されてしまったような気分です。強大な嵐の只中で、いくつもの波が私たちにぶつかってくるようです。そして私たちにできることといえば、その嵐の中で生きていくことだけなのです。あなたを怖がらせたいわけではありません。私はただ、何をすべきか今は途方に暮れてしまっているのです。自閉症児の育て方に関するマニュアルはそんなにたくさんありません…あるのは大量の疑問だけです。

昨日の夜は泣くのをどうにかこらえている自分がいました。お医者さんにさよならを告げた瞬間から、心の痛みが続いていました。あなたが決してなれないお医者さん、そしてプロ野球のスターになるのも無理でしょう。私は、あなたが決して手に入れることができないであろう恋人や仕事、成功を思って泣いていました。どんなピースも当てはまらない未来のことを考えて、心が壊れてしまったのです。

でもね、この手紙を書きながら私が何を考えているかあなたにはわかりますか?こんな私の期待なんて誰が気にするでしょう?どちらにせよ、あなたはこんなものを遅かれ早かれ壊していたのでしょうから。そして、それに構わず私の方も、あなたの要望や希望を叶えられる良い母親にならなければならないことには変わりないのですから。

私が言おうとしているのは、幼い頃から医者になる準備を始めている子どもたちを見たことがありますか?自分自身の体液さえコントロールできない人があなたの身体にメスを入れることについて考えただけで、逃げ出したくなりませんか?そして彼らがどんなことについて書いているのかあなたにはわかりますか?世界にはもっとたくさんの「ピットブルの交尾習性」の専門家が必要だと思いますか?これらの質問はきっとあなたを混乱させるだけでしょう。あなたはまだたった2歳なのですから。

自閉症の息子への公開状

私があなたのために練っていたこのプランは、たとえあなたが受け入れてくれていたとしても、うまくいく保証などないということに私は気づいたのです。そしてもう一つ気づいたことがあります。何だかわかりますか?あなたはちっとも退屈なんかじゃない、ということです。あなたは心が温かくて優しくて、そして賢い子です。

あなたは私にキスしに部屋へ走ってきてくれるでしょうし、自分の力で問題を解決することもできるでしょう。猫を拾ってきて、逃げようとしたら激しく抱きしめてやれるでしょう。これは私たちが取り組んでいかねばならないことですが、誇りに思えることでもあります。確かにあなたは自閉症のある息子ですが、特別で本物の存在でもあるのです。ですから、そもそも最初からうまくいくはずもなかったプランがダメになったからといって、なぜ泣く必要があるのでしょうか?

あなたの将来がどんなものになるのか私たちにはわかりません。でも私の知識に基づいて言うと、あなたは幸せで自立した、順風満帆な大人になるだろうと思い始めています。あなたに診断が下されてからも、あなたがどんなにとても賢くてどんなに普通とは違う存在であるかを考えずに入られません。

だから今から、この朝からすぐに、人々があなたを、野生的で不合理で感情的で反応が過敏で激しやすくて風変わりで気分屋な、普通の子どもと同じように扱ってくれるようにだけ願っています。今後数年間、あなたが学校に行く前のおやつに何を食べたいか気持ちを変える時には、私は(他の神経過敏な子どもの母親たちのように)文句を言う代わりに指を交差させて幸運を祈るでしょう。あなたがカタツムリを見つけて半分生きたまま宝物かのように土に埋めるところを見てみたいです。自閉症でない子どもたちがやるのとただ同じように。

私が言いたいのはね、愛しい我が子よ、自閉症だからといって、それが偉大さや成功や普通の日常への妨げになるわけではないということです。そしてあなたが成長しても、それは変わらないと思います。あなたは思いやりがあって賢い子です。頑固で立ち直りが早くて決断力の強い子です。そしてあなたは有能です。あなたの将来には素晴らしいことが待ち受けています。昨日の診断を受けてもなお、私は自分をラッキーな人間だと思っています。だってどんな子どもが生まれるか可能性は無限にあった中で、他の誰でもないあなたが私の元に生まれてきてくれたのだから。

私たちにはあなたがいるんです、愛する我が子よ。そして一緒に、前に進む方法を考えていきましょう。

子どもと母親の影

自閉症の子どもを持つということは、世界を再発見するかのよう

我が子が自閉症かもしれないと聞かされることがどれほど劇的なことであろうとも、その診断は私たちの多くが考えるほどひどいものではありません。自閉症の子どもを持つことで、世界を彼らの目線で再発見できるようになり、彼らの自然体のやり方で世界と触れ合うことができるようになるのです。

自閉症持ちの子どもというのは、周囲の環境との関わり方が独特な子どもと同じようなものですもしあなたも自閉症児の母親なら、あなたが早くから行動を起こしてあげることで彼らは素晴らしい人生を送れるかもしれないということにすぐに気がつくでしょう。あなたのサポートがあれば、彼らは彼らなりのやり方で、自らの道を進んで行けるでしょう。そしてその道中で、必ず幸せを見つけることができるはずです。

著者あとがき:この記事はシャノン・フロスト・グレーンスタインの『自閉症と診断されたばかりの息子への公開状』に基づいています。