人工知能研究と心理学

13 2月, 2020
人工知能研究と心理学は、非常に生産的な共存状態を形成し始めています。しかしこのような展開があるとはいえ、人工知能研究の複雑さが軽減したわけではありません。例えば、どんなルールがあれば社会の隷属化を制限できるでしょうか?
 

人工知能研究と心理学の間にはある結びつきがあります。この記事ではこの関係性の意味合いや影響について掘り下げていきますので、ぜひ読み進めて詳しく学んでみてください。

まずはそれぞれの学問について定義していくことから始めましょう。「心理学」という言葉は、メリアム=ウェブスター大学辞典では、「頭脳や行動に関する科学であり、個人または集団の精神的あるいは行動的な特徴」とされています。同様に、「人工知能研究」は「コンピューターの知的行動のシミュレーションや機械が人類を真似る能力について研究するコンピューターサイエンスの一分野」と定義されています。

“今現在、生活の最も悲しい側面は、社会が知恵を集めるよりも早く科学が知識を集めることができる点だろう”

アイザック・アシモフ

人工知能研究に関連する心理学の分野

人工知能研究 心理学

心理学と人工知能研究は相互に結びついており、両者とも心理作用や行動、そして情緒を扱っています。これらが別々の学問分野だからといって互いにあい入れないものであるわけではありません。

では、人工知能研究に関連する心理学の分野について見ていきましょう:

  • 教育心理学。教育上の革新は、別のもっと効果的な方法での学習を扱います。ここでは、そのために人工知能研究の要素が用いられます。例えば、知的個別指導システムや教育用ロボット、そして神経教育学などです。
 
  • 神経科学。人工知能研究が、この分野での研究の後押しとなっています。
  • 臨床心理学。ロボットが心理学者の代わりを努めることになるのでしょうか?
  • 認知心理学。これは人工知能学のパラダイムに由来しています。さらに、人間の持つ能力の理解にも繋がります。実は、その研究は常にこれに関する知識を深め続けています。例えば、Hugo D’alarcaoは自身の論説『人工知能研究:神話と現実』のなかで、心理学が科学として経験してきたプロセスを示しています。また、彼は人工知能研究との学際的な研究の文脈で、その結びつきも指摘しています。つまり、著者によればこういった科学は継続的に互いに影響を及ぼし合っているということです。
  • 組織心理学。心理学のこの分野の挑戦の一つは、人工知能システムを通して選択プロセスを強化することです。
  • 法医学。犯罪シミュレーションにおいても人工知能を用いることができます。

ご覧の通り、心理学のいくつかの分野は人工知能研究から多大な恩恵を受けているのです。そして両者ともが互いの研究領域に対して明確な貢献を果たしています。カルロス・ゴンサレス・タルドンはこの議題に関する論説を執筆した心理学者です。彼は、コンピューターでシミュレーションされた存在がいかに心理学や心理療法に介入し得るかについて話しています。また、実験心理学における新たなツールについての情報も提供しています。

現在および未来の心理療法における人工知能と心理学

現在、治療プロセスの推進に役立つような人工知能の前進はそこかしこで見られます。素晴らしいことですよね?かつては人間の想像力の世界にしか存在しなかったものが、今では現実になろうとしているのです。

 

例えば、一部の人々の生活を容易にできるような、感情を認識することのできるロボットがすでに存在しています。こういったアシスタントロボットは、アルツハイマーを抱える人々の話し相手のような存在として支えになるかもしれません。しかし、その他にもたくさんの、移動補助を必要とする人の生活を容易にするような計画が存在しています。驚くべきことですね!

とはいえ、人工知能研究の目的は人間に似た特徴を持つロボットを作ることだけではありません。これらのシステムは心理療法プロセスにも適しています。例えば、セラピストは患者とバーチャル・リアリティを通して治療を行うのです。

人工知能研究 心理学

倫理問題

人間のウェルビーイングを向上させるような革新的な手法を使うことができる、という考えは素晴らしいものに思えるでしょう。しかしそれらを日々の展望に取り入れる前に解決しておかねばならない倫理問題もいくつかあります。

テクノロジーによる支えが多くの人のクオリティオブライフを向上させられることに疑いの余地はありません日々たくさんの家族が離別しており、誰もがテクノロジーに対して開かれた窓口を持つようになったことで、時間も圧縮されてしまっているように思えます。

 

例えば、コンピューターにプログラムをインストールしたり携帯電話にアプリをインストールする際には規約に同意する必要がありますが、それを読む人はほとんどいません。他の人も同意しているのだから、自分もそうすべきであると考えてしまうのです。そして規約を受け入れることで、知らず知らずのうちに多くの権利を他人に与えてしまっています。

私たちは、何となく自分で行うべき評価を他の人に任せてしまっているのです。例えば別の視点でソーシャルネットワークがどのように機能しているのか見ていきましょう。

ソーシャルネットワークでは、友人たちが常に広告やその他の商業利益という壁で囲まれています。こういったサイトは使用者の好みや関心を知ろうとする経済的な主導権によって運営されており、彼らは私たちから利益を得ようと考えているのです。

また、全ての心理学者たちは職業柄、倫理規定による制約を受けています。彼らは規定を把握しており、もしこれを破ってしまったら関連当局に報告しなければならないこともわかっています。これは、マシンがまだ到達できていない良心レベルであると言えるでしょう。

まとめ

おそらく、人工知能研究と心理学の関連性における二つの危険は以下のようなものでしょう:

  • ユーザーが理解していない言語によってプログラムされたマシンと繊細なデータを共有すること。
  • 特定のサービスや利益、あるいは活動などを規制する基準や倫理規定に関する知識の無さ。
 

Franco, L.A.R. (2014). Psicología cognitiva e inteligencia artificial: mitos y verdades. Avances en psicología, 22 (1), 21-27.

González Tardón, C.G. (2006). Interacción con Seres Simuladas. Nuevas Herramientas en Psicología Experiemental. En Una perspectiva de la inteligencia artificial en su 50 aniversario: Campus Multidisciplinar en Percepción e Inteligencia, CMPI 2006, Albacete, España, 10-14 de Julio del 2006 actas. Universidad de Castilla y la Mancha, pp. 438-449.