人員選定のための投影法「ズリガーテスト」

08 12月, 2020
ズリガーテストには、3つのインクの染みが使われ、これを利用して心理学者は人格や個人の精神健康状態を測ります。人の可能性を探るため、人員選定によく使われます。

ズリガーテスト、あるいはZテストは、1942年に造られた投影法です。一見、よく知られているロールシャッハ検査に似ていますが、ズリガーテストはプロトコルが異なり、いくつか勝っている点があります。より使いやすく、解釈も素早く済むのです。

テストの目的は、他の投影法と同じで、精神分析学的アプローチを用いて人格の特性を測ることです。たくさんの批判がある理由も理解できますが、おもしろいツールであることに変わりはありません。実際、就職過程の人員選定にもよく使われているのです。

データが有効性を示すという点で、このテストは雨中人物画法やバウムテスト、マーレーテストなど他の投影法より優れています。テストの統計研究により、人事部でしっかりとした有用性が示されています

ズリガーテスト

ズリガーテスト:何を評価し、雇用主はそれをどう使うか

ズリガーテストとロールシャッハテストが似ていると考えるのは当然です。ズリガーテストを生み出したスイスの精神科医ハンス・ズリガーは、ヘルマン・ロールシャッハの生徒でした。ズリガー氏の小児精神分析家としての素晴らしい功績を残し、精神分析学的教育の推進者として有名です。

ズリガーは経歴の絶頂に到達する前はロールシャッハと共に数年間働いていました。その目的は、インクの染みを使った検査により人格の理解を深めることです。また、第二次世界大戦という外的要因も、彼の専門性の形成に一躍かいました。戦争が始まった時、スイス軍隊は人員選定に使える検査を探しており、ハンス・ズリガーがその仕事に抜擢されたのです

ズリガーは、知能検査、人格検査、ロールシャッハテストを採用しました。しかしインクの染みを使った検査は非常に複雑で、効率性に欠けました。当時軍が必要としていたのは、効率とスピードで、同時に平均30人を検査できるものだったのです。

ズリガーが新しい検査を生み出すまでに時間はかかりませんでした。では、彼の新しいテストについて詳しく見ていきましょう。

ズリガ―テストは何を測る?

ズリガーテストは投影法です。これはどういうことでしょうか? それは、このテストから多くの主観的答えが導かれるということです。被験者の想像力や敏感さ、欲望、人格などを刺激し、答えを出す方法なのです。

  • 同様の他の検査との違いは、有効性と使用の簡単さにあります。
  • ズリガーは、精神的問題の有無を素早く判断することができるテストを作りました。またこのテストは、被験者が軍において特定の役を持つのに優れたスキルがあるかも測ることができます。
  • 恐怖、社会的適応性、感情面、自制など個人のメンタルプロセスの評価にも役立ちます。
  • 現在では、多くの人事部が雇用の際にズリガーテストを使っています。

検査の方法

個人あるいは集団で検査可能です。どちらの場合も、被験者には3つのインクの染みが与えられます。検査者が、この染みは何か特定のものを表しているものではなく、人により見え方が違うということを説明します。そして、被験者は各インクの染みがどう見えるかを話します。

  • 最初のインクは白黒です。小さなものが多く、多くのケースで、被験者はそれが何か一つのものだと解釈します。これは個人の深い思想を表します。
  • 2つ目は複数の色が使われ、より複雑でより興味深いものです。これは、被験者の感覚や感情を暴きます。個人の解釈は、スキルや順序、自制などと関係します。
  • 最後は、灰色、黒、赤が使われます。活動性や動きを示し、社会的関係に関連します。

被験者がそれぞれのインクの染みにより浮かんだ考えや思い、イメージを書き終えたところで、次は話す時間です。被験者はセラピストや精神科医に、インクの染みが何に見えたかを話します。

評価の仕方は?

このテストは、教育を受け、精通した専門家のみが診断することができます。素人が行っても意味はありません。投影法の理解とズリガーテストの経験が必要不可欠です。

  • この検査の答えに正誤はありません。
  • 検査者は、被験者のインクの染みに対する反応とその表現の仕方を分析します。詳細の度合いや被験者が表現する感情が高ければ、点数も高くなります。また、独自性や精神的統一性、自己認識、考え方も評価されます。

明らかに主観的な答えを使う投影法ですが、人格や内面の一般的考えも分かります。

現在、雇用の際、他のテストと共にズリガーテストを採用する会社はたくさんあります。80年以上前に開発されたテストですが、今でも非常に興味深く有効なツールなのです。

  • Muñoz, Mora Luis. El Test de Zulliger: Evaluado bajo el Sistema Comprehensivo de Exner, Edición Digital.
  • Redondo, Ana Isabel. Estadísticos descriptivos en respuestas al Test de Zulliger en personas de 31 a 40 años, en situación de selección de personal.