精神分析で使われる「自由連想法」とは?

13 6月, 2020
自由連想法には論理的基礎があり、実施は特別な方法で、明確な目的を持って行われます。精神分析の基礎となっており、またロールシャッハ検査や主題統覚検査(TAT)などの投影法としてこのテクニックは使われます。
 

自由連想法は、精神分析学の父ジークムント・フロイトが生み出した精神分析ツールです。セッションの中で、 患者に思ったことすべてを表現させます。自由連想法のポイントは、フィルターを通さず、思ったことを批判せずにセラピストと共有する点にあります。

自由連想法には論理的基礎があり、実施は特別な方法で、明確な目的を持って行われます。精神分析の基礎となっており、またロールシャッハ検査や主題統覚検査(TAT)などの投影法としてこのテクニックは使われます。

自由連想法の歴史

1892~1898年の6年をかけて、ジークムント・フロイトはこの概念を発展させました。彼は、当時使っていた催眠やカタルシスを少しずつ、自由連想法に変えていきました。フロイトの目的は提案を避けることにあったのです。

1982年、患者エミー・フォン・Nの治療に携わって以来、自由連想法に携わり始めました。フロイトは、彼女に自分の一連の思考をさえぎらないよう頼まれたのです。自由に話したいというのが彼女の思いでした。

自由連想法

1904年、『The Psychoanalytic Method』の中で、彼はなぜ催眠療法を辞めたのかについて詳しく語っています。ブロイアーと共同研究をした後、フロイトは催眠療法は一時的で部分的な結果しか出せないことに気づいたのです。

自由連想法では、患者の抵抗を抑えることができます。そのため、無意識(記憶、弱点、象徴)の部分にアクセスしやすくなります。また、自由連想法の成果は、永久的です。さらに、このテクニックでは、患者に催眠をかける必要がありません。*

このような理由で、フロイトは催眠やカタルシスを自由連想法に変えました。そして、これを、無意識の部分にアクセスし、探る方法の基本原則としたのです。

自由連想法の理論的基礎

私達は話す時、自分の伝えたいメッセージに合った言葉を選びます。言葉選びのプロセスは誰もが行っていることですが、その速さは人により異なります。そしてここには、言い間違い、言葉が出てこない、同じことを繰り返すなど必ずミスがあります。セラピー以外の場では、この「ミス」気にされるものではありません。しかし実はこれは非常に重要なのです。

「無意識は言語のように構成される」

-ジャック・ラカン-

精神分析学では、この「ミス」が無意識の表出だと考えられます。これはまるで、言葉としてでてきたことは自分の防御壁を越えてきたものだというような考え方です。同様のことが、自由連想法でも起こります。

セッションで、セラピストはセルフコントロールから患者を解放し自分の考えに論理性を与える必要性を忘れさせます。これは流れに身を任せ、無意識の部分が強く、話すのに完璧な状況です。患者は自分を開放し、無意識の部分にアクセスできるようになります。

 

「知性の声は柔らかいが、聴力を備えて初めて、結果がでる」

-ジークムント・フロイト-

人の抵抗を取り払い、分析することが、治癒には欠かせないというのがフロイトの考えです。また、これを実行する唯一の方法が自由連想法だと彼は考えます。

臨床分析には3つの基礎的テクニックがあります。自由連想法、夢分析、錯誤行為の3つです。この中でもっとも重要なのは、自由連想法です。このテクニックが、精神分析療法を他のセラピーとの違いだとフロイトは言います。

自由連想法

自由連想法で何を行う?

自由連想法は自然と行われることもあります。また、夢、ファンタジー、その他の思考などで生じる場合もあります。本当の自由連想法には、患者が精神分析者を信頼していることが必須です。

分析者との対話は、普通の会話とは違うということを理解する必要があります。日常生活で友人や知り合いと話すのとはまったく異なります。セッションでは、批判されることがありません。正しい、あるいは間違っているということはありません。基本的に、何を言ってもいいのです

ポイントは、患者が自分の思考を自由に出すことです。セラピストに向かって、開放的に表現します。ここで、無意識の象徴を外に出し、それを分析、解釈し、そこに働きかけるのです。無意識の心を開放したら、意識的に働きかけることができるようになります。何かを不快感や葛藤の原因としないことが全体のポイントです。

「表現されずにいる感情は死滅しない。生き埋めにされ、後に、より醜い姿で現れる」

-ジークムント・フロイト-

適切な自由連想を促すには

患者が心地よく感じている時、自由連想法が起こりやすいのは当然です。心地よさは、分析者と分析の空間の両方に関わります。分析の環境はできるだけ刺激の少ない場であるべきです。

以前はソファが使われていました。患者が横になり、セラピストは患者の視界に入らないようにします。患者が見られている、批判される、評価されるという感覚を受けないようにするためです。連想に完全に集中させるためでした。

分析者は、「何か話して」「思いついたこと、イメージや記憶など思い浮かんだことについて話して」などとシンプルな言葉をかけます。そして、患者は頭に浮かんだことを自由に表現します。この時、話の筋やセラピストを喜ばせようなどと考える必要はありません。

脚注

催眠を使い、患者の無意識にアクセスすることは可能で、問題ありません。ほとんどのケースで患者は催眠から覚め、何を話したかを覚えていません。そのため、後に抵抗が戻ります。そして、患者に対する分析者の言葉が問題となり、プロセスが遅くなっていました。

 

一方で、自由連想法では患者は完全に意識があります。これは、分析者が探ろうとする時、患者は自分の責任で発言することを意味します。