カール・コッホのツリーテスト
カール・コッホのツリーテストは、性格と心の底にある感情の世界をうつし出す投影テストです。簡単にできるため、子どもによく使われます。また、自分を少しでもよく知るための、自己診断としても楽しめます。
バウムテストとして知られるツリーテストは、1950年代、心理学者カール(チャールズ)コッホにより作られました。何十年も前のものですが、今でも頻繁に使われています。このテストが、子どもや大人に根と幹と枝を含む木を描かせるだけ、と聞くと、信頼性と有効性を疑うかもしれません。
バウムテストの良い所は、幅広い人々にすぐに使えるところです。感情に関する興味深い情報が得られ、後で他のテストと比べることもできます。
結果の前に、詳細をお話ししましょう。投影テストは臨床の場でとてもに立っています。患者の視点やその世界をどのように理解し、コントロールするかに関する様々なデータを集めることができます。ロールシャッハテストや人物描画法テスト、ツリーテストなどの方法は補完(非排他的)テストとして、他のものと一緒に使うと大変有効です。
これは余談ですが、コッホが診断に木を選んだ理由は、木の持つ象徴性です。全ての文化、国で、人間と深く関係のある木は、神話的で象徴的なものです。それをとらえ、描くということは、内に秘めたもの…を外へ出すようなものなのです。
コッホのツリーテストでわかること
コッホのツリーテストでは、真っ白な紙に、何もない所から好きな色で、形を作り描きます。性格のヒントになるものを教えてくれます。それと同時にある感情が示されます。
適用法
ツリーテストは、5、6歳から誰にでも使えます。絵を描くのに必要な動作能力が必要です。
- 真っ白な紙、色鉛筆と消しゴムを用意
- 根、幹、枝などを含む木を描く
- 5~6歳の子どもであれば、2つ描かせる。一つ目は自由に「好きな木」を。二つ目は、一つ目とは異なる木を新たに。明確に評価するために、2つの絵が必要。
- 推定時間は10~30分と、どのくらい必要かは様々。
ツリーテストの分析法
これらの要素を見ていきます:
地面
- 土の線や根がない場合、患者の人格や感情の欠落を示す。
- 不均衡、稲妻のような根は問題、塞がれた感情、怒りや根絶を示す。
幹
- 細い幹:感受性豊かで繊細。または、患者の穏やかさや健康を変えてしまうような外的圧力や要求があることを意味する。
- 太い幹:情動性が高く、衝動的で、セルフコントロールが苦手。
- 普通の形をした幹は内なるバランスを意味する。
- まっすぐ線で描かれた幹:抽象できる、正義の人。
- 波打った線の幹:社交的、優しく、社会でも問題はない。
- ふくらみやくぼみ、先が突き出している:恐怖、トラウマ、自制された感情、抑制…
枝
枝は、体と外的環境の関係を示します。根と幹は、内的、感情の世界と関係し、枝は他の精神レベルを表します。
- 小さな枝:9歳までの子どもは、小さな枝を描くことが多く、正常。未熟または、子どもの世界との関係を意味する。
- 大きな枝:壮大な想像力、熱意を持ち、普通より少し自己愛が強い。
- 枝のない木:発育が乏しい、または、認知に問題がある。
- らせん状の枝:話好きでセンスが良く、繊細。
- 稲妻や竿のような枝:頑固、怒りや反抗的な感情で衝動的になりやすい。
- 葉のついた枝:はつらつとしている。
- 実のなる枝:叶えたい願いや目的がある。
家、鳥、丘などの「飾り」にも、ここに示したより、もっと多くの価値があります…描くように言われなかった所にも、関連する情報があります。その木に選んだ色やそれぞれの大きさも見てみると良いでしょう。
さらに、折れた枝、穴や幹の傷、根がない、暗い色には注意が必要です。トラウマを抱えている可能性があります。ツリーテスト以外にも診断テストはあります。ツリーテストは面白いものの一つで、他のツールと合わせることで、より詳細な最終診断をつける情報収集に役立ちます。