科学界が考える人間の魂の正体とは?

05 10月, 2020
科学は、人間の魂の存在を説明できるところまで徐々に近づいて行っています。これは多くの人々が古来より疑問に思っていたテーマであり、とても魅力的なチャレンジなのです。

人間の魂は長らく神秘的なものとして扱われていて、その謎については数多くの仮説が存在します。そして実は、いくつかの学問領域ではこの疑問への答えを見つけようと継続的な努力が続けられているのです。本日の記事では、科学界がこのトピックに対してどんなことを言っているのかをお話ししていきます。

今回皆さんには、科学的パラダイムや古くからの考え方、そして現在への変化を巡るツアーに参加していただきます。さらに、ロバート・ランザ教授によるバイオセントリズムという興味深い理論についても学んでいきましょう。

魂の話とはいえ、スピリチュアルな内容以上のものをお伝えします。ご存知の通り、ほとんどの宗教では魂の存在への言及がありますよね。しかし、これに関する科学界の立ち位置はどんなものなのでしょう?現在、科学はこのパラダイムにどう立ち向かっているのでしょうか?読み進めてその答えを解き明かしてください。

魂などというものが本当に存在するの?

人間には魂があるという考え方は、死後の世界を信じることと関連しています。つまり、私たちは死後も生き続けるのだという永遠の命への確信と結びついているのです。さらに、魂とは人が何かを考えたり感じたりする時のガイド的存在であって身体からは独立して動いているのだ、と信じている人もたくさんいます。

魂の概念が、これを取り扱う文脈や宗教、あるいは学派によって異なっているのは確実です。スピリチュアル的な次元に取り組んできたのは宗教団体だったため、歴史上ずっと魂の概念は主に宗教的なものでした。彼らは自ら進んで魂の存在を説明しようとしてきたのです。

宗教においては、魂という考え方についてスピリチュアリティとの関連性とは個別に議論がなされています。魂の存在の証拠は、誕生や死、様々な意識状態、記憶、そして想像力などに関連する謎の中に含まれているのだろうと推測したのです。そして魂とはある種の生命を維持する力であり、衝動なのだと提唱しています。

人間の魂に関する科学的パラダイム

哲学や科学史の専門家トーマス・クーンによると、科学的パラダイムとはこの種の、世界的に認識された一連の成果を指しています。パラダイムは批判の対象であることに加え、科学界における問題やその解決策のモデルを生み出すものでもあります。

現在の科学パラダイムは通常、スピリチュアルな側面については認めていません。むしろ、魂について探究する必要性はないということを指摘しているのです。事実、科学の分野では命というものを炭素やタンパク質などの活性化と同一視して説明する傾向があります。

一方では、宗教がスピリチュアル的観点から魂の存在に対する答えを出しています。つまり、魂は超越的で霊的なものと関連づけられているのです。他方では、科学界がこのテーマについて考える場合、魂は物質に関連づけられます。言い換えれば、後者は魂を頭脳の一部だと理解しているということです。また、少なくとも空想的立場からこれを認知や意識にまつわる概念だと想定しています。

科学界 人間の魂の正体

今ある科学理論への挑戦

人間の神経系の機能を説明したり、主観的経験が存在する理由を説明しようという試みにおいては神経科学の分野が大きな進歩を果たしてきました。しかしそれでも、その答えは謎のままなのです。したがって、魂が存在するか否かという問題は「自己」の本質を理解することに関わっているということになります。

現在、物理化学をはじめとする様々な理論がこの科学的パラダイムへの挑戦を開始しています。バイオセントリズムがその一例で、これは人間の本質に関する複雑な疑問を重視するというものです。例えば、魂などというものは本当に存在するのだろうか、時間を超越できるものなど存在するのだろうか、といった疑問に取り組んでいます。

実存や宇宙、現実についてのこの新たな観点では、生命は単なる原子や分子を超えた存在であると信じて量子もつれ不確定性原理などといったものを説明しようとします。事実、量子のもつれは人間的尺度から見た世界の中で起こるのだと指摘する専門家もいるほどです。少なくともゲルリッヒと彼のチームは『Quantum interference of large organic molecules(大きな有機分子の量子不干渉、の意)』という論説を共同発表してこれについて説明しています。

バイオセントリズム理論を最初に提唱したのはロバート・ランザというアメリカの科学者です。この理論において、彼は生命と生態現象が実存や現実世界、そして宇宙にとって不可欠であると考えています。意識は世界を創り出すことができるがその逆は不可能である、というのが彼の主張です。この理論では実存に関わる事項を説明するのに物理化学的アプローチを無視するということはしていませんが、生物学的アプローチの方により重きが置かれています。

まとめ

したがって、科学的探究の新たな段階においては、空間や時間が物事を考えるための手段として直接的に実存と結びつけられているのです。この新たな取り組みは人類を従来の直感的考え方から切り離し、頭脳あるいは魂の一部は不死身であり、そういったカテゴリーの外側に存在しているのだと提唱しています。

まとめると、科学の特定の分野ではこれを空想的なビジョンに関連づけるか、あるいは認知の問題に矮小化することで魂の存在を認めています。一方で従来の見方通りその存在を否定し続ける立場もあれば、魂について考え直そうと試み始めている現代理論もあります。これは、実存の本質は時間と空間とに関わるものであると説明する新たな発見によるものなのです。

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