教育におけるパラダイムシフト

2019年9月9日

多くの場合、テクノロジーはかなりの速さで変化していくので、我々が追いつくことは不可能です。しかし、新世代の若者にとってはこれは当てはまりません。彼らは片手で哺乳瓶を、もう片方の手でタブレットを持って育っているのです。教育システムにはそれ以上の進歩は見られていません。したがって、今こそ教育におけるパラダイムシフトが必要な時なのです。

社会のいくつかの分野が、その他の分野よりも変化に意欲的であるというわけではありません。そうではなく、私たちの子どもたちや若者たちがこの変化を引き起こさせているのです。彼らの世界への認識や世界との関わり方は変わってきています。バーチャルな、しかしとてもリアルな世界へと素早くシフトチェンジできない教育システムでは、生徒たちにとって時間の無駄になりかねません。そしてその無駄になった時間は二度と取り戻せないのです。

ここで話題になっている類のパラダイムシフトとは

旧式で直線的な教育システムはもはや役に立ちません過去数年間で私たちは変化の時が迫って来るのを感じ取ってはいましたが、これが具体化することはありませんでした。教師や親たち、そして子どもたち自身までがその非難の的となっています。中退や退学率は極端に高く、子どもたちは授業を退屈に感じるようになってきています。

小さな調整や既存のシステムに何かを付け加える程度の改革について話しているわけではなく、もっと重大な、制度レベルでの変革についての話なのです。教師がどのように情報を伝えるべきか、そして生徒がこれをどう受け取るかというところから改革が必要でしょう。

それだけでなく、生徒へ指導を行う上での価値観や、彼らがスキルを身に着けるための方法についても変革が必要なのです。こういった事柄は従来の教育システムでは重要視されていませんでしたが、若者たちには大人になってからこういったスキルが必要になって来るはずです。

直線的な教育 vs 水平的な教育

現代の子どもたちは、教室よりもインターネットや友人たちから何かを学ぶことの方が多いです。教師だけが情報源という時代はもはや過ぎ去り、彼らはスクリーンやアプリから情報を得られるようになっています。子どもたちは何かに興味を抱いた時にそれに関する情報をどう探せばいいのか知っていて、誰かに教えてもらうまで待っている必要がないのです。

今後数年間で、おそらく教師の役割にはより大きな変化が見られるでしょう。現代社会において生徒たちが必要としているのは、既に得ているような情報を改めて与えてくるような教師ではなく、ガイド役となってくれるような教師なのです。

直線的な教育とは、なんの感情的意味も持たない情報を伝達することが基礎となっている教育です。このタイプの教育は、子どもとは無知で未熟な部分があり、教師がそれを補完してやらねばならない、という前提で行われます。これでは教師と生徒の差をますます広げてしまうだけです。対話も創造性もありません。学習成果は不安定で、生徒たちは相対的に受け身になってしまいます。

新しく登場した水平的な教育というトレンドは、生徒たちが知識を追い求められるような生徒主導の経験を提唱しています。ここでは生徒には批判的思考を行う能力があり、実際に手を動かすことによって学習するのが大切だ、という主張がなされています。したがって、教師たちは授業内容よりも能力にもっと焦点を当てるべきでしょう。教育者は学習状況をどう打開していくべきかを分かっていなければならないのです。

感情とモチベーション

今や私たちは長い間疑いが持たれていたある説についての証拠を手にしています。それは、ポジティブな感情が理解力と記憶力を向上させる、というものです。また、学習成果も上昇してくれます。感情はシナプス結合を強化し、神経回路の動きを強めてくれるので、これが学習効率アップに繋がるのです。

したがって、神経教育学は教師が生徒のスキルや才能を伸ばす助けとなるような価値あるツールだと言えます。これが今度は学習プロセスを容易にしてくれるのです。教師が脳の働きやそれがどう言動や学習パターンに関わってくるのかを理解していれば、誰もが勝ち組になれるでしょう。

また、脳の機能や感情のコントロール方法、そして情報処理の仕方が分かっていれば、教育者にとって大きな強みとなるでしょう。教科書に基づいて授業計画を練る時代は終焉に向かっているのです。

21世紀の課題に立ち向かう

現代ビジネス業界が求めるレベルに達している人材の不足は深刻です。求人市場は著しく変化してきています。にも関わらず、従来の教育システムは産業革命が基礎となっており、その時代の労働者を育てるような仕組みです。現代の求人市場で求められているのは様々なスキルを兼ね備えた人材であるため、もはやそんな古いやり方で子どもたちを育てるわけにはいきません。ある一つの能力に長けている人材よりも、聡明な頭脳を持った人々がビジネス業界から必要とされているのです。

創造力、チームワーク、問題解決力、批判的思考、リーダーシップ、革新的なアイディアなどといった要素を企業は求職者の履歴書の中に探し求めているのです。ですので、適切な科目を学び、あらゆることに対処できる能力を身に着けることが重要でしょう。それが未来に立ち向かうための唯一の方法です。教育におけるパラダイムシフトはもうすぐそこです。あなたにはそれが見えていますか?

  • Krumm G.L, Filippetti V.A, Bustos D. (2014). Inteligencia y creatividad: correlatos entre los constructos a través de dos estudios empíricos. Universitas Psychologica.