回避性パーソナリティ障害:避難としての社会隔離

02 4月, 2018

回避性パーソナリティ障害は人口の3%に達するといわれています。この障害は、孤独な殻の中に閉じ込もった繊細で慎重な人々を表しています。 彼らは傷ついたり、裁かれたり、拒否されたりするのを恐れています。

彼らは逃げるための極端な願望を持っており、人生に対する恐怖や不安を処理することができません。だから、彼らは自分が隠れるための要塞を作るのです。

この障害は、20世紀の初めに、精神科医と優生学者ブリューラーとクレッチマーによって定義されました。しかし、例えば、強迫性障害や依存性人格障害ほどは知られていません。

歴史家や精神科の専門家も同じ例を挙げています。 彼らは、回避性パーソナリティ障害の最も良い例はエミリー・ディキンソンだと言います。

「私は言葉少ない人を恐れる-
私は静かな人を恐れる-
長広舌の人-私は勝つことが出来る
ぺちゃくちゃしゃべる人‐私を愉快にする

しかし彼は計る-世界が‐
極限までその境界を推し進める一方で‐
この男を私は恐れる-
彼が偉大であることを恐れる‐」

– エミリー・ディキンソン –

ローレンス・ミラー博士は彼女の著書「From Difficult to Disturbed (困難から動揺まで)」で少し説明しています。この有名な詩人はどんどん世界から遠ざかっていき、最終的に完全に自分部屋に籠ってしまったのです。

彼女の文の多く、例えば「しかし朝は‐私を欲しがらなかった‐だから今‐お休み、今日!」はこの隠遁を反映しています。

それらは、自分が一部だと感じられなかった社会の居心地の悪さに直面する彼女を、その小さな世界の影に映し出しています。彼女の人間関係の多くが喜びよりも失望をもたらした世界です。

この回避的な傾向は少しずつ発達し、最終的に精神崩壊を起こして精神病棟へ行くことになることもあります。

精神科医は、これらの人々と、孤立に向けた行動を「収縮」と定義しています。そして、奇妙なことに、今日の世界ではこの傾向が少なくなっているようです。

エミリー・ディキンソン

回避性パーソナリティ障害の特徴

批判、屈辱、そして軽蔑をベースに育てられると、必然的に回避性パーソナリティ障害につながると昔は考えられていました。

しかし、現在では、あらゆる種類の臨床障害において、「2プラス2は決して4ではない」ことが分かっています。つまり、誰もが状況よって異なる反応をするということです。

そして、人格障害の世界には、多くの診断要因があります。 関連する障害が多く、非常に複雑な機能不全的な考えがあります。

また、現在のDSM-Vは、回避性パーソナリティを社会的不安の一形態と定義しています。この障害を患っている場合、自尊心が非常に低くいために、社会的能力を完全に失い始めます。

これは、孤立するの方がいい、というレベルに達します。しかし、これに関する最も複雑なことは、彼らの状況が完全に自我異和的であることです。

つまり、すべての価値観、夢、ニーズ、アイデンティティは継続的で不快な混乱状態にあります。 結果として生じる精神的な疲労は大きなものなのです。

しかし、回避性パーソナリティ障害を持つ人々は、自分の状況を改善するために何をすべきかをとても良く知っています。一般的なルールとして、彼らは非常に知的な人だからです。

しかし、自らの恐怖や思考に直面すると考えるだけで、大きな不安を引き起こします。 だから、彼らは言い訳をし、延期し、解決策を今日感じているパニックに委ねて明日を待つことを好むのです。

海の岩の上を歩く人

回避性パーソナリティー障害の人の特徴

・何をしても、いつも拒絶され、批判され、追い払われるという気持ち。
・極端なレベルの自己批判。 彼らは自分自身をどのような状況においても完全に無能な人間だと見なしている。「私はこの世のために作られた人間じゃない」などと自らに言うのは、よく見られることです。

・極端なレベルの精神不安感を訴える傾向。つまり、彼らは不安と悲しみを結びつけるのです。

・機能不全的考えを頻繁に起こす。「何かを試して失敗することよりも何もしないほうがよい」「人々は常に批判的である。誰でも侮辱するし、他の人のニーズに無関心だ… 」など。

・社会的回避の上に、彼らは更に3種類の回避を行います。認知的、行動的、および感情的回避です。特に、自分の感情について考えない、行動しない、そして処理しないことです。そうすれば、自分が引き起こしている恐れに直面する必要がないからです。

また、このような行動を引き起こすもう一つの理由が、不安を維持するサイクルを強めてしまうことです。そのため、自分をネガティブな感情から守るために、少しずつ孤立を好むようになっていくのです。

回避性パーソナリティ障害の治療

回避性パーソナリティー障害を持つ人との治療的関係は、しばしば長く無益なものです。 これには様々な理由があります。

まず初めに、専門家が自分たちの内面を理解できないと思う傾向があります。彼らは自らの思考、考え、必要性が拒絶されると思っています。

心理療法士と信頼を得て強固な結束を築くと、進歩が見えるかもしれません。 しかし、その信頼が現れなければ、患者の希望を強化する進歩は見られないでしょう。

回避性パーソナリティ障害がある人は、次のようなことに取り組む必要があります。

・機能不全の枠組みを再構成する。
・彼らの自動思考および認知の歪みに向き合う。
・回避行動の起点を探る。
・不快感を感じる経験を考え直す。
・日常生活に役立つ社会習慣を強化する。
・進捗図を作成し、回避行動をやめるように取り組む。
・グループセラピーによる社会スキルの向上
・自分のイメージを改善する。

ハートを指で触る

ご覧のとおり、専門家が患者のために使える戦略には様々なものがあります。これは、特定の治療法が役立つ障害なのです。

認知行動的、合理的感情的、および精神力学的療法、ならびに系統的脱感作が特に有用でしょう。

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