快楽は悪魔の発明品?

29 8月, 2020
生き物はすべて、喜び、感謝、幸福を生むものに向かう力をもって生まれるため、これは悪魔の力のようでもあります。食べ物、飲み物、セックス、睡眠、暑さや寒さを避けることなどがこの力の一例です。

即時の褒美である快楽は、悪魔の作った普遍的な発明品です。生物の世界の中心は、喜び、褒美、痛みを避けることからなっています。これは、地球上に住むすべての生き物の深い部分に焼き付けられており、生命の初期から存在しているものです。

生き物はすべて、喜び、感謝、幸福を生むものに向かう力をもって生まれるため、これは悪魔の力のようでもあります。食べ物、飲み物、セックス、睡眠、暑さや寒さを避けることなどがこの力の一例です。

これらが達成された時の褒美が快楽です。これを求め、苦しみを避けるように私達はできています。人においては、すべてが喜び、欲求、即時あるいは将来の満足と関係します。

快楽

快楽の起源

快楽は、私達が求める感情です。これを意識的なレベルまで上げ、保とうとするのが人間です。快楽というものは、楽園の禁断の果実から生まれたと考える人が多くいます。しかし、快楽は誘惑から始まったものではないようです。もしそうであれば、快楽は、暗闇や不確かさから生まれたと考えられます

すべての生き物が生き残ることを中心にしています。これは、食べ、飲み、生殖することを意味します。そして、これらの行為は褒美と喜びに基づいたものです。

快楽は、イブがアダムを誘った毒リンゴから始まったと多くの人が考えています。

どんな原始的生き物も、飢えて渇きを感じ、食べたり飲んだりします。これは褒美や快楽を感じられるものではありません。ただお腹が空いたり、喉が渇くからそうするのです。そして、この行為により得られた快楽がこれらの行為を起こさせます。性的活動も同じです。生き物すべての生態に快楽がそなわっています。まず、細胞にプログラムされ、脳のない多細胞から最終的に人間の脳にもプログラムされていったのです。

快楽という素晴らしいアイデアは誰のものだったのでしょう? この天才的なアイデアを思いついたのは誰なのでしょうか?その確実な答えが分かる人はいません。それはともかく、私達の唯一の現実世界である生物界がこのアイデアを中心に展開してきたことは明らかです

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快楽は脳にある

脳は、快楽や褒美を得ることを目的として物事を行わせる、神聖な暗号を守る嫉妬深い警護のついた金庫のようなものです。この暗号は書かれているわけではなく、暗号には神経接続、電気信号、神経伝達物質が含まれます

マウスはなぜ、脳の一部に電気刺激を与えるレバーを引くのでしょう? 人工的に刺激し、快楽を生成する脳の部位は存在するのでしょうか?答えはイエスです。これは非常に明確です。マウスが脳に電気刺激を与えるレバーを引いたのは、快楽の脳回路を活発化するためです。

脳は、快楽や褒美を得ることを目的として物事を行わせる神聖な暗号を守る嫉妬深い警護のついた金庫のようなものです。

「実験的」な例のみではありません。おいしい食事やオーガズムも、脳回路を刺激します。また、驚くべきことに、人工の電気刺激で得られた褒美に飽きることはありません。マウスは、快楽という褒美を得るためにレバーを引き続けます。ここでは何が起こっているのでしょうか?また、この人工的刺激で得られる快楽を「本当の快楽」と呼んでいいのでしょうか?

快楽は生物のニーズに仕える

生物は、快楽を交換の方法としているようです。この方法で、脳はいくつかの行為を活発にします。例えば、動物が、2~3の命令的ニーズの中からひとつを選ばなければならないとします。この葛藤の中で、動物はきっと快楽をもたらすものを一番に選ぶでしょう。

生物学的に言うと、この選択は大抵、生物にとってもっとも必要とされるものであるという事実は驚きです。ですので、快楽は生物的ニーズに仕えると言えるのです。

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美を生む快楽

人間においては、多くのタイプの快楽があります。これらの快楽は、私達が美と呼ぶものを生みます。美は単純に言葉からも生まれます。人間界には幸福や快感を呼び覚ます話し手や書き手が存在します。また、絵や美しい彫刻の鑑賞、素晴らしい建築物の見学をする時も、美が芽生えます。あるいは、美しい交響曲を聴く時も同じ感情が生まれます。これに当てはまる例は他にもたくさんあるのです!

薬物の破滅的快楽

人は、薬物の使用からも快楽を得ることができます。しかし、この種の快楽は人間の本質をおびやかします。では、破滅的でありながら、なぜこのタイプの快楽から中毒になるのでしょうか? 非常におかしなことのように思えます。ヘロインとリンゴはどちらも褒美になるのであれば、ヘロイン中毒があり、リンゴ中毒がないのはなぜでしょう

この答えは、基本的褒美と快楽の脳回路は非特定的であるということから説明できます。つまり、自然の感覚刺激と神経における化学受容体と相互作用のある人工的刺激は、どちらもこれらを活発化することが可能です。

これにより、なぜ、人工の化学物質(外因性薬物)が、人工的に快楽回路を活発化させるかお分かりいただけたでしょう。また、これは人間の脳のみでなく、脳のある他の動物にも当てはまります。しかしこれは諸刃の剣です。喜びには表と裏があるのです。

あなたはどう考えますか? 快楽を求めることは私達にとっていい事でしょうか?それとも有害でしょうか?これに関し、人の意見は異なります。どちらも肯定できるのかもしれません。いずれにせよ、答えはひとつではありません。だからこそ心は面白いのです!

Higgins, E. T. (1997). Beyond pleasure and pain. American Psychologist. https://doi.org/10.1037/0003-066X.52.12.1280