感情的な苦悩:麻痺させる圧倒的な恐怖

· 2018年10月20日

感情的な苦悩は、すべてを巻き込んでしまう渦巻のようです。私たちを中から閉じ込めて、恐怖、不安、情動不安、圧倒的な悲しみででいっぱいにします。ネガティブで壊滅的な感情の万華鏡です。

韓国人の哲学家で文化研究の専門家であるハン・ビョンチョル氏は、わたしたちの世界を「バーンアウト社会」と定義しています。誰もが共通して持っていることと言えば、それは不安と感情的な苦悩です。韓氏によれば、これらの原因は、子どもたちを常に成功に向かって努力させる文化的な傾向にあります。

 

これによって、目立って成功しなくてはいけないという社会からのプレッシャーを感じます。さらに、私たちはマルチタスクの文化に生きています。たくさんのことを同時に短い時間にこなさなくてはいけません。 全員が生き残れない、または皆を効果的に取り込めないジャングルの法則です。全てが狭く厳しく苦しみを生む「不安」の中に閉じ込められることが普通の世界です。

「不安症というのは、悲しみ、罪悪感などを人に感じさせる他の精神的障害のように、本質的な人間の秩序の中でよくある奮闘です。」

-マリオ・ベネデッティ-

 

傘
感情的苦悩:何がおかしいのか

感情的な苦しみということを考えると、常に同じような問題に直面します。苦悩は不安と同じものでしょうか?それとも、これは2つの全く別の状態でしょうか?つい最近まで、苦悩という言葉は心理学界では別に扱われてきました。臨床的な病気とは区別されてきたのです。例えばセーレン・キェルケゴールは、この用語を未来が不確定だと気づいたときに感じる恐怖としています。その為、人生の質は人が行う選択によって左右されます。

ジークムント・フロイトは、「苦悩のノイローゼ」と「本物の苦悩」を区別しています。後者は、病的な状況です。心理的な反応とは異なります。本質的には、2つのタイプの苦悩があると言えます。存在主義的ものと、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM-V)によって心理的障害の症状として定義されているものです。

感情的苦悩の特徴

感情的苦悩によって人はマヒします。不安症が神経症の引き金となる一方、苦悩は、私たちがコントロールしたり予見出来ないものに対するクッションのようです。

不確定な状況に陥ると、不安が強さを増します。強迫観念的になり、 壊滅的な思考と不安が沸き上がってきます。試験を受ける、決断を下す、答えを待つ、自分には能力がないと思うことに直面することで、苦悩が生まれます。さらに、もっと苦悩を感じやすい人がいるという研究結果も出ています。これは、神経系の反応がホルモンや神経伝達物質によって引き起こされるからです。アドレナリンの増幅やγ-アミノ酪酸(GABA)の減少によって、不安に陥りやすくなります。

感情的な苦悩には、様々な肉体的な症状が伴います。めまい、消化不良、胸のプレッシャー、疲れ、筋肉の緊張などです。

苦しみ
感情的な苦悩をどう治療すればよいか

詩人、作家、画家などは、自分の感情的な苦悩を作品にぶつけます。多くは存在主義的な苦悩です。これは、自分自身やその未来を見る際に感じる空虚感から自分を突き放してみることができないため、人間でいる限り感じる感情です。しかし、この感覚や感情がわたしたちをブロックして無力感へ追いやってしまわないように、何かしなくてはいけません。

ハン・ビョンチョル氏の考え方は、不確定さと共に生きるべきであるということを人に思い出させます。不確定感は、感情的な苦悩の直接的な引き金です。そのため、深刻な場合を除いて、このような状態を薬でどうにかできると思っていたら間違いです。私たちがすべきなのは、人生のアップダウンへの対処法を学ぶことです。予期できないものによりよく対処して、コントロールが効かないものの処理をすることです。

問題に対処する方法にはいろいろなものがあります。認知行動療法、受容、マインドフルネス認知療法 (MBCT) はいろんな方面で役立ちます。不安症、ネガティブな思考、ネガティブな感情を軽減してコントロールするのにも役立ちます。それだけでなく、問題の根源に対処することも可能です。姿勢を変えて、この複雑で要求の多い世界の中でもっと力を出して自分の責任を取りましょう。