顔をあげて力を取り戻そう
自分の力を取り戻してください。顔を隠さないでください。自分が与えたくないもの、怒りを感じることに屈しないでください。あなたには話すための声があります。 恐怖のレンズで世界を見ることを拒む目があります。スペースを求める存在があります。さぁ、やってみましょう。立ち上がってください。これは勇気、尊厳、決意の問題です。
シャルル・ド・モンテスキューは、力を行使する人を止めるには別のタイプの力が必要であると言いました。お互いをコントロールしテストしあう、権力ゲームの一部になっているようなものです。
お互いを押さえつけ、挑戦しあい、制止し合います。わたしたちが住む世界は平和ではないのです。階層制を好み、それに伴う差別のある世界に生きています。
「私は、女性が男性に対して力を持つことを望んでいるのではない。女性が自分たち自身に対して力を持つことを望んでいる。」
-メアリ・ウルストンクラフト-
本当にその通りではないでしょうか。立ち止まって心理的な視点から「力」という言葉を見てみると、同じ言葉を使った研究が数多くあります。次のような言葉が常に浮かび上がります―権力、従うこと、強制、恐怖、共依存などです。基本的には、Bが自分の意志をAに押し付ける、という状態です。
権力と自分の力の取り戻し方
最近になって、このコンセプトに対して興味深くインスパイアする変化がありました。最近では、心理学は「パーソナルパワー」と呼ばれるツールを提供しています。権力ゲーム、それぞれの違い、グループ間の威圧の代わりの、全く異なる新しい方法です。
ここでお話ししているのは力を取り戻すことです。自分に力を与えてゴールを達成し、もっと平等な社会を作り出すことです。そうするためにはまず自分の力、自信、ポテンシャルを取り戻さないといけません。無条件に自分を愛し、恐怖を捨てて自分の能力を信じなければいけません。
力を取り戻して「ノー」という方法
「パワー」という言葉に新しい意味を与えるときです。自分の価値に目覚め気づく時です。自分が自分のためにできること、世界のためにできることです。例えば、人類学者のウィリアム・ユーリーによる面白い本、『ポジティブなノーの力(原題:The Power of a Positive No)』があります。読んで考えてみてください。
「力」の意味は様々な文脈に応じて変わります。社会的、経済的、性別の違いを理由に、誰かが影響力を行使して人々を抑圧するような場合があります。
影響と恐怖
すべての状況に共通することが一つあります。このピラミッドのトップにいる人は、自分の望むことを必ず手にすることに慣れている、ということです。ある意味、そのような人の人生も周りの人も、いつも彼の目的やゴールに対して「イエス」で答えます。
ウィリアム・ユーリー博士は、このようなタイプの人は恐怖で自分の権力を行使すると述べています。もし自分の力を取り戻したかったら、必要なのは、そう感じた時、またはそうする必要がある時に「ノー」と答える勇気を出すことだけです。明白なことです。自分がのぞむものを得るための道が見えるのに慣れている人に制限を加えるのです。
しかし、考えるべきことは他にもあります。ただ「ノー」というだけではいけないのです。一人の人が勇気を出して叫んでもダメです。たくさんの「ノー」が集まって声を一斉に上げることで大きな動きが起こります。
これがまさにいま#metooムーブメントで目にしている光景です。たくさんの女性が勇気のあるステップを踏み出したにもかかわらず、誰も聞きたがりはせず、信じるなんてあり得ない状態でした。しかし、いま世界は耳を傾けています。たくさんの女性たちが力を合わせ、許されない権力濫用に光を当てようとしているのです。
内面にある力を呼び起こす
男性か女性か、何歳か、どんな状況にいるかは関係ありません。みな内面に力を秘めています。その力を使ったほうが自分にもいいはずです。この内面の衝動は、世界で自分の居場所を見つけるのに役立ちます。
この力は秀才でクリエイティブです。前が見えないときも炎のように照らしてくれます。そして、他人を慰めガイドすることもできるようになります。
力を取り戻すためのステップ
力を取り戻すためにすべきことをご紹介します。
- 自分のアイデンティティーを探求する。自分の価値観を定義する。自分を定義するものや受け入れられないものを意識する。
- 自分の能力とポテンシャルを探求する。自分の限界も知る。
- 社会における自分のポジションを省みる。自分の周りで今何が起こっているか、日常の様々なエリアでの自分の役割など。他人が何を期待しているか、自分が何を求めているかを感じることができる?
- 気に入らない人生の部分を作りかえる。なりたい自分になる方法を学ぶ。怖がることなくする。偏見や非難的な声を気にしない。
最後に、自己成長のために毎日時間とエネルギーを投資しなくてはいけません。自分の自尊心、アサーティブネス、自信… 安定性ともっといいものを得る権利があるという気づきの感覚であなたの力は成長します。
そうすることで初めて、自分の頭をもたげることを拒否できるようになります。そうして初めて、尊敬、平等のムーブメントに参加し、すべての人にもっと尊厳が与えられるような世界を構築できます。
イメージ:Hülya Özdemir