家族の集まりで、過去の自分に戻されてしまう

家族は多くの人にとって美しい宝物のような存在ですが、自分の家族はそう思えないときや、家族からの期待に応えられないとき、どうすればよいのでしょうか。
家族の集まりで、過去の自分に戻されてしまう
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 13 2月, 2024

時として、家族の集まりに行くと昔の自分に戻されたような気持ちになったり、自分とは違う人物にさせられているような気持ちになることがあります。親の中では、あなたは今でも優柔不断な子どものままだったり、反抗的で「口答えばかりする」若者のままなのかもしれません。あなたが自立した大人であろうが関係ありません。ときに、あなたの親にとっては、あなたはまだ20年前の子どものままなのです。

長期休暇やクリスマス休暇中のよくある家族の集まりで起こる事件より重大な事件はないとよく言います。そうはいっても、そしてご存知のように、家族には様々な形と大きさがあります。調和が取れ、おおいに尊重しあい、良いユーモアのセンスであふれている家族もいます。一方で、全くの機能不全の絆に小さな棘のように悪意が刺さっているような家族もいます。その絆は、家族のメンバー全員の息を詰まらせ、窒息させてしまうようなものなのです。

「幸せな家族はみんな似ている。一方不幸せな家族はそれぞれ異なる意味で不幸せである。」
―レフ・トルストイ―

しかし、あまり多くに人に語られない現象が存在します。現在、そして経済危機のために、以前は独立していた若い大人が、実家に戻らざるを得なくなっているという状況が、よく見られるようになっているのです。

仕事の世界で失敗したという感情は、時に、避けてきた役割を再び受け入れなければならないということを意味します。それは時に家族の力学自体によって作られた役割であり、現在のその人とはほとんど関係のないものです。

家族の集まり

家族とその無意識的な仕組み

親や伯父、叔母、祖父母の中には、私たちの子ども時代の一部がまだ残っています。あなたは今だに、ある意味真ん中の子なのです。人生の半分はお兄ちゃんの真似をしつつ、弟のもらったものを妬んでいた子どもなのです。自分のことを「怒りんぼ」と呼んでいる人がいたという記憶さえあるかもしれません。昔はとても反抗的で、コントロール不能で、手に負えない子どもだったからです。

現実では、その気質がおそらく今のあなたを作ったのでしょう。積極的、創造的、活動的…それらすべての特徴があなたに満足感をもたらしてくれるものです。親から常に指摘されてきたために、かつては否定的なものだと思っていた特徴です。親の発言により、あなたは変わろうと、「改善」しようと追い立てられてきましたが、少しずつそうする必要なんてないんだということに気が付き始めます。それらは欠点ではなく、れっきとした長所だからです。

しかし、とてもよく起こることですが、実家に戻ったり家族の集まりに行くと、おかしな気分にさせられることがあります。何かを口にしただけで、昔言われたことをまた言われてしまうのです。「あなたって本当に頑固で手に負えないね。怒りんぼなんだから!一体誰に似たんだろうね。」という具合です。

家族からのネガティブな発言

現在のことはもはや関係なし

ほとんど気づかないうちに、昔の役割に再び沈んでいってしまいます。昔の、反抗的な子ども、あるいは従順な子どもにです。現在あなたが成し遂げたことは関係ありません。あなたが自分にどれだけ誇りを持っているかも関係ありません。家族の中の人の多くには、家族の一員を昔の役割に戻してしまう無意識の傾向があるからです。親によって組み立てられ形作られたポジションへと戻されてしまうのです。

こういったタイプの現象はとてもよくあることで、実際とても面白い説明がつきます。イリノイ大学は、家族のシステムの中では独立して働くものはほとんどないと説明しています。

全ての家族の中には、一連のルールと無意識の仕組みがあり、それぞれのメンバーは期待に沿って行動しなければならない。同じように、その人が過去に振舞っていたのと全く同じように振る舞うことがなぜか期待されるパターンが発生するのである。

個人的または経済的な理由で実家に戻らなければならなくなったなら、これは疑いようもなくとても複雑な状況です。

大人として家族と関わる必要性

時として、家の敷居をまたいだだけで過去にさかのぼったような気持ちになることもあります。それが心地よかったり、癒されるように感じることもあります。しかし、多くの人にとって、それは未解決の問題に足を踏み入れるということを意味するのです。それは広い海ほどの距離を作ってしまった意見の相違と向き合うということです。ときに、それは過去に置いてきた役割を再び引き受けなければならない、ということでもあるのです。

  • 「罠」にかからないようにしましょう。家族の核に戻るのに一番いい方法は、今のあなたのままでいることです。あなたは、分別のある大人です。大人のあなたのままでいて、あなたが経験してきた現実世界の経験値を持ったままでいましょう。すべての教訓、美徳、強さを保ち続けるのです。
  • あなたはこうやって偏見やあなたの親によってある時点で作られたイメージと対峙するのです。それは、この子は運動ができる、この子は不良、この子は学校でいじめられていたから、みんなで守ってあげなければいけない子…など、色々あります。
  • しかし、運動ができる子だと思っていた子が、こっそり詩を書き続けていて、今は本屋さんを開きたいと思っているかもしれません。不良だと思っていた子は、本当は不良なのではなくて若いときのほとんどを怒って過ごしていただけかもしれません。いじめられていた子だって、むかしはやせっぽっちでからかわれていても、今は警察として働く資格を得ているかもしれません。
大人のあなたのままでいること

家族に今のあなたを受け入れさせること

過去のあなたや他の人が思っていたあなたは、今のあなたとはほとんど関係がありません。そしてそれはあなたの周りの人が受け入れなければならないことです。この事実をわからせ、認識させ、家族が推測している役割を再び演じないようにすることができるかはあなた次第なのです。こうすることで、不満しか生まなかった過去のパターンをどうにか変えることができるでしょう。

ありのままでいられる自由のある家族ほど、健全なものはほとんどないのですから。


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