子どもは成長するために感情を表現する必要がある

· 2019年3月1日

「泣かないで」「赤ちゃんじゃないんだから」「しっかりして」…これらは機嫌のよくない子どもに対して大人がとてもよく使う表現です。少なくとも短期間は、これがうまくいっているように見えるという子もいるかもしれません。しかし長期的に見ると、これは子どもに自分の気持ちを内側にとどめるようにうながしてしまっているのです。そうやって沈黙させられることには、子どもの心理的・社会的発達に深刻な影響がある恐れがあります。子どもは自分の感情をしっかり表現する必要があるのです。

子どもの気持ちを無視したり拒否したりすることは危険な行動です。ですので、もし子どもに健康的な精神を持ってほしいなら、これは避けるべきことなのです。また、それは他の人との肯定的・否定的人間関係にも影響があるかもしれません。子どもが小さいからといって、子どもの考えや感情が重要でないということではありません。実際、その反対であることの方が多いのです。

実は、子どもの世界は私たちのそれと同じくらい重要であり、子どもの気持ちや認識もまた然りです。私たちの仕事は子どもが自分自身のことを知っていく中でサポートをしてあげることです。子どもに感情表現と自分の感情を理解することについて教えるという素晴らしい任務について、もっと深く見ていきましょう。

子どもの感情表現を抑圧することの危険性

怒りや悲しみ、イライラは、子どもが難しい状況に立たされた時の自然な反応です。それは何が起こっているのかわからないためか、あるいは欲しいものが手に入らなかったためかもしれません。または単なるかんしゃくかもしれません。理由はなんにせよ、これらの感情には、ただ「取り乱している」ということ以上のメッセージが含まれているのです。私たちの仕事は、そのメッセージを理解することです。

あなたが子どものネガティブな感情表現を拒否してしまうと、あなたは子どもにストレスの中で溺れるよう教えていることになります。

正しい行動は、子どもの涙や怒りの意味を解釈して、何が問題なのかを理解することです。そうせずに、子どもの感情を拒否し注意を十分に払わないと、子どものネガティブな感情を助長してしまうだけです。さらに、子どものアイデンティティを拒絶していることにもなります。私たちは自分に都合のいい態度を子どもに要求していますが、それは恐怖と感情の拒否に基づいたものなのです。

子どもの感情表現

私たちが子どもの感情を抑えつけてしまうと、子どもは感情の言語をコントロールできない大人になってしまいます。それは自分自身についても、他の人との関係性についてもそうで、子どもの幸福に悪影響となります。子どもの感情的知性の発達も制限してしまいます。心理学者のダニエル・ゴールマンが言うように、自分自身と自分の感情についての知識は、感情の健康の根本にあるものです。それは個人的な成長の下にある基礎なのです。

子どもの感情表現

私たちは、子どもに自分の感情を特定し、表現し、それを解放する方法を教えるためのトレーニングをそんなに積んでいません。それは怒りやイライラ、悲しみなどのネガティブな感情については特にそうです。実際、子どもがこのような感情を表すのは、子どもが無礼で、無学で、攻撃的だからだと思ってしまうのです。子どもに自分の感情と自分を結び付けるよう教えないと、子どもは自分を理解する方法を学べません。その結果、自分の感情をコントロールできなくなってしまうのです。

感情の知性を持ち、健全な感情を持った子どもを育てたいなら、子どもに感情を表現させてあげることから始めなければなりません。そうしないと、子どもは他の方法で気持ちを表現できるまで取り乱すことがより多くなります。子どもは自分の感情の囚人になってしまうのです。

イライラや悲しみを表現することで、ほっとすることができ、癒されます。また、それにより前に進み、自分自身を理解することに役立ちます。だからこそ感情表現はとても重要なのです。また、子供が小さいころから適切な感情表現を学べば、健全な感情を持った大人になるでしょう。子どもに感情の教育を施すことは、未来の大人へ投資することなのです。それを忘れてはいけません。

子どもに全ての感情は必要な感情なのだと伝えることが大切です。

子どもの感情表現を手伝うには?

子どもが自分がどう感じているかを表現し、ネガティブなエネルギーの方向を変えるためには、さまざま方法があります。これは涙を流すことから、自分の感情を一歩一歩特定するプロセスまで幅広いものです。

最も大切なことは、これが子どもにとって必要なプロセスであるということをわかっておくことです。絶対に、怒りや批判、脅しで反応してはいけません。私たちが理性を失うことが決してないようにしましょう。私たちは辛い状況で子どもを支えてあげなければなりません。子どもは自分で自分の問題を抱えきれないからです。これは子どもが2、3歳になるまでには特にそうです。子どもは落ち着いた環境にいるべきであり、怒りを助長するような人とは一緒にいるべきではありません。

子どもに対する私たちの態度は、愛情たっぷりに、耳を傾け、共感してあげるところから始まらなければなりません。そうすることで、その感情を引き起こしているものが何なのかと、その解放の仕方を子どもが理解するのを助けてあげられます。また、このようなプロセスを踏むことで、自分の感情を制御する能力を子どもが身に付けることを手伝うことにもなります。

子どもに自分がどんな感情を抱いているのかを理解させるために、それぞれの感情に対応する顔の表情や体の動き、声のトーンなどについて教えてあげることができます。

感情表現の仕方を教える

避けた方が良いことは、子どもが怒っているときやいっぱいいっぱいになっているときに、子どもに論理的に話そうとすることです。子どもに気持ちを表現してみたら、と提案することはできますが、数分待ってあげることが、子どもが落ち着くのに役立ちます。

その瞬間が、いい対話をするのにベストなときです。子どもが感じていることすべてを表現し、気分がよくなるように促してあげます。また、子どもが気持ちを表現しているときは、ちゃんとした方法で考え、行動する機会なんだということを理解させることも大切です。要は、誰かを不快にしたり傷つけたりしないようにするということです。

信号テクニック

感情表現について子どもに教えるためのテクニックとして人気があるのが、信号テクニックです。目的は、子どもの中で信号の色と感情や行動を結び付けることです。そのために、信号の絵を描いて以下のことを説明します。

  • 赤信号。この色は止まる色ですね。ですので、怒りや緊張を感じたり、叫んだりけんかしたいと思った時は、赤信号で止まらなければならないことを思い出しましょう。それはまるで車のドライバーになって、信号で止まるようなイメージです。ここで伝えたいメッセージは、「ストップ!落ち着いて考えよう。」です。
  • 黄色信号。この色は、何が問題なのか、どんな気持ちを感じているかを止まって理解するという意味です。子どもには、信号が黄色になったら、ドライバーは止まって、考えて、解決法を考え、進む準備をするんだと伝えましょう。この場合、こう言いましょう。「解決法と結果について考えてみよう。」
  • 青信号。この色は続けていいという意味です。ベストな解決法を選び、それを実行しましょう。この場合子どもに効果的なメッセージは以下の通りです。「一番いい解決方法を使ってみよう。」

他にもうまくいきやすいテクニックとしては、子どもに怒りの絵を描いてもらうというものです。そして、子どもが話したいことすべてを話しましょう。最後に、その絵を子どもに破かせます。それはメッセージを伝えた後に怒りを象徴的に取り除くということなのです。また10数えたり、少しの間一人になったり、深呼吸をするのもいいでしょう。そのあとで、なぜそのように感じたのかを一緒に振り返ります。その気持ちの方向をどこへ向ければいいのか、問題をどう解決したらいいのかについて話しましょう。その最後の部分が、気づきと感情表現、責任感を育てます。

感情表現のテクニック

ご覧の通り、子どもは自分のネガティブな感情を表現し、吐き出すことができます。たいていの場合、子どもはその方法を知らないだけなのです。私たちの仕事は、理解と愛情に基づいたポジティブな感情の教育を通して、子どもが感情を表現するのを助けてあげることです。