行動嗜癖とは?

15 12月, 2019
物質に依存するものではありませんが、行動嗜癖は、非常に危険で害を及ぼすものです。ここでは、よくみられるものについてお話します。

行動嗜癖(しへき)には、物質や薬物は関わりません。行動嗜癖の人は、生活のすべての分野において、ものごとの大きな悪化を経験します。その特性や影響は、様々な意味で薬物や物質中毒と非常に似ています

ホセ・デ・ソラ・グティエレス(2014)の研究によると、両者に共通する基準が次のようにまとめられています。

  • どこか安心や満足をもたらす行為や活動に依存する
  • 利益を得られる活動に異常な関心をもつ
  • 一時的な満足
  • 活動の頻度が高くなり、コントロールできない
  • 深刻な負の影響があるにもかかわらず、その行為や活動を止めたり、避けることができない

依存症の人は「行為/行動―禁欲―渇望」のループにはまり、依存する行動や薬物が生活の中心になります。その結果、彼らの姿勢や行動のすべてが、事実上、その活動の周りに置かれるのです。

行動嗜癖

 

薬物中毒と行動嗜癖の違い

先にも言ったように、この2つに共通する特性はたくさんあります。化学的・行動的中毒は、依存の原因となり、離脱症状、耐性が表れます。治療について考える際には、主な違いを考慮する必要があります。

まず、離脱症状です。薬物中毒では、物質の生理的特性により、物質を摂取すると離脱症状はなくなります。しかしこれは行動嗜癖では起こりません。依存している行動を行っても離脱症状が消えることはあまりないのです。

ふたつ目は、物質や要素の中毒との依存疾患にあります。薬物中毒では、複数の薬物を摂取していることがよくあります。ギャンブルや仕事中毒などその他の依存症では、複数の依存が同時に発生することはあまりありません

 

よくみられる行動嗜癖

ギャンブル

多くの場合、徐々にはまっていき、頻度や量が少しずつ増えていきます。この依存症では、経済的損失と依存症そのものが組み合わさり、負債を抱え、経済的問題、仕事、家族、法的問題を生みます。そして、家族や親友が主導となり助けを求めます。

オンラインでのギャンブルができたので、人はギャンブルを始めやすく、また続けやすくなりました。オンラインゲームやオンラインの賭けは増えており、これらは治療が困難です。

衝動買い

理由やニーズがないのに、物を衝動的に買うのが特徴です。多くの場合、高価なものではなく小さなものをいくつも買うことにより、経済的問題が生じます。先進国でよく見られ、現金を使うことなくクレジットカードで済ませられることから、 衝動買いは悪化しています。

仕事中毒

経済的にも本当に必要ではないにもかかわらず、仕事に費やす時間によって仕事中毒は定義されることが多いのです。仕事中毒の人にとっては仕事が最優先で、生活の何よりも優先させます。命を危険にさらすことさえあります。

ワーカホリックになると、休みを取りません。仕事をしていない時に典型的な離脱症状がでます。仕事中毒は、先進国でよく見られます。

セックス中毒

セックス中毒は、依存症と行為の違いを定義する必要があるため、判断が難しいものです。初めに示した基準を満たしている場合、セックス中毒だということができます。セックス中毒の人は本当に苦しみます。それは、性的活動により渇望がなくなるわけではなく、より高まるためです。

スクリーン中毒

「新しい依存症」と呼ばれるもののひとつで、若者や子どもに起こりやすいタイプのものです。これを行動嗜癖に入れるべきか、専門家により長い間議論が行われてきました。そしてついに結論が明らかになり、次の過剰な使用がスクリーン中毒とされます。

  • テレビゲーム
  • テレビ
  • ソーシャルネットワーク
  • インターネット
  • パソコン
  • 携帯電話
行動嗜癖

 

中毒に関する消費産業の役割

行動嗜癖が深刻な問題であり中毒であると認識されるまでに長くかかりました。何が中毒で何がそうでないか、必ずしもはっきりしないため、今でも議論されています。

物質を含まない中毒による問題は社会で認識されていないようで、「道徳的空白」ができています。そのため、さらに苦しむことになります。

これらの行為は、1日に何度も行えることが多く、簡単にできることです。カフェやバーにはギャンブルマシーンがあり、店もどこにでもあります。インスタグラムはクリックするだけでよく、テレビは常に私達の目の前にあります。

中毒は産業の利益や消費主義を増進させます。市場はこれに気づいており、中毒者は絶え間のない宣伝により、衝動的に行動します。また、時間が経つと治療はより難しくなります。

法律により、宣伝業界はアルコールやたばこの摂取にはネガティブな影響があり、危険であることを示さなければなりません。さらに、薬や加工食品には起こりうる副作用や問題が書かれています。また、会社は消費者に賢く賭けるように警告しています。

これは、大きくなり続ける問題に意識を向けるための第一歩です。ここから、行動嗜癖の他の分野にも広げていきましょう。

  • Brezing, C., Derevensky, J. L. y Potenza, M. N. (2010). Non-substance-addictive behaviors in youth: pathological gambling and problematic internet use. Child and Adolescent Psychiatric Clinics of North America, 19, 625-641.
  • Carbonell, X. (2014). La adicción a los videojuegos en el DSM-5. Adicciones, 26, 91-95.