高齢者の夕暮れ症候群

09 12月, 2019
ここでは、夕暮れ症候群が高齢者に与える影響についてお話します。

年をとると、あらゆる習慣に変化を感じ始めます。食べ物、掃除、睡眠などにこだわりがでると言う人もいます。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?ここでは、高齢者の睡眠において生じる変化を、夕暮れ時に現れる行動と共に説明します。この現象は、夕方、薄明り、日没など様々な呼び方がありますが、もっともよく知られているのが夕暮れ症候群です。

夕暮れ症候群は、夕方から夜にかけて生じる時間や方向感覚の喪失状態と言えるでしょう。誰にでも影響しますが、特に高齢者に顕著です。また、認知症の人にも出やすい傾向があります

誰にでも起こりえますが、患者の10~25%のみに影響が出るということをここでお伝えしておきましょう (Lesta and Petocz, 2004)。

ゴンザレスとサルディーニャ(2015)によると、この状態を正確に定義するのが難しいと言われているそうです。しかし、夕方頃に生じる極端な興奮や混乱があり、それがイライラにつながるのは間違いなく、患者は行動の変化を経験します。

 

認知症患者への作用

エキャベリとエリ(2007)によると、夕暮れ症候群は老年医学でもっとも多い症状のひとつだと言います。先にも言ったように、この障害ははっきりとは定義されていません。しかし、有害な心理・行動エピソードと呼ぶことができるでしょう。特にアルツハイマー患者に影響し、一日の終わりに落ち着きのなさ、攻撃性、興奮を示します

夕暮れ症候群はアルツハイマーによって生じる混乱を悪化させ、目立たせます。その結果、認知症と関連する行動、感情、認知に関する問題が現れます。

高齢者 夕暮れ症候群

 

夕暮れ症候群の症状

ギメネスやマシアスが言うように、夕暮れ症候群はアルツハイマーの概日睡眠リズムの異常が原因になっているようです。また、加齢と関連した光の知覚の変化も原因になりえます。

夕暮れ症候群を発症する原因となるものに、社会的孤立、日没の暗さがあります。また、世界保健機関が3種以上の薬を同時に服用することと定義している多剤併用も原因になります。

明確な臨床像はありませんが、ギメネスとマシアス(2015)による夕暮れ症候群の症状には次の症状があげられます。

  • 見当識障害の悪化
  • 混乱
  • 過活動
  • 攻撃的行動
  • 不安

さらに、エキャベリとエリ(2007)による夕暮れ症候群の症状には、次があげられます。

  • 抑制されたモノローグ、活発な議論、叫び、恨み、声の抑制
  • 無関心、うつ
  • 頭痛
  • 徘徊、夜間の活動の増加による睡眠障害
  • 妄想的思考、金切り声
高齢者 夕暮れ症候群

 

夕暮れ症候群の対処

薬物療法に加え、次のようなことに気を付けましょう。

  • 生活習慣を整える
  • 他の影響を防ぐ。夕暮れ症候群が他の症状に繋がらないようにする
  • 簡単な作業をして、暇を作らない
  • 昼寝をしない
  • 騒音を減らす
  • 適切な光の確保
  • カフェイン飲料を避ける
  • 夕暮れ症候群を引き起こすような薬を摂取しない

 

多感覚療法やスヌーズレンの利用は夕暮れ症候群の症状や兆候を緩和させるということを覚えておくと良いでしょう。

さいごに。夕暮れ症候群に関する情報はまだ多くありません。適切な行動をとるためには、様々な変性につながる要因を理解する必要があります。そうすることにより、患者のクオリティオブライフを大きく向上させることができます。

  • Echávarri, C., & Erro, M. E. (2007). Trastornos del sueño en el anciano y en las demencias. In Anales del Sistema Sanitario de Navarra (Vol. 30, pp. 155-161). Gobierno de Navarra. Departamento de Salud.
  • Giménez, I. G., & Macías, I. C. (2015). Estimulación multisensorial en el síndrome crepuscular. Revista electrónica de terapia ocupacional Galicia, TOG, (21), 13.
  • Toledo, Á. M. Correlatos de incidencia del ocaso en estados anímicos, agitación y conducta agresiva en ancianos: Síndrome de Sundowning.