間違いを認めることはそこから学ぶこと

· 2019年1月26日

孔子は次のように言っています。「間違いを犯して正さなかった時、それは間違いと呼ばれます。」この論理に従うと、間違いを否定することは、そこから何も学ばないということを意味するのでしょうか。 別の言葉で言えば、間違いを否定することは、そもそも失敗してしまったことを正すことにおける第一の障害なのでしょうか。

結局、「自分のせいじゃない」という言葉には、明らかな責任の否定が見られます。この言葉を使うとき、自分の間違いを正当化しようとしていませんか? そしてそれを正当化することで、自分が間違ったことを無視しようとしていませんか?だから、結局は否定なのです。

「自分の間違いが好きです。間違いを冒すという贅沢な自由を諦めたくありません。」

-チャールズ・チャップリン-

間違いを否定するとどうなるか

自分の間違いを認めないと、自分自身と起こったこと、その影響との間に距離を置こうとします。しかし、これによって起こったことから学びを得ることが困難になります。過程を見直して間違いを特定する可能性を無駄にします。

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一方、この距離感は初めは安心感を与えてくれるかもしれません。この安心感は、同じ挑戦に直面しなくてはならなくなった時、すぐに不安へと変わっていきます。そうして、そもそもはじめにミスを正しておかなかったことで自分を責めます。

例えば、外国にいる人と異なる言語でコミュニケーションを取らなくてはいけない会社で働いているとします。責任者のひとりである自分が、誰か(あるいは自分)が外国へ電話しなければならないことを前提として考えていないと、自分で責任を取ろうとはしないでしょう。結果、そもそもコミュニケーションが発生することもなく、その後も上手く行きにくい状況に陥ってしまいます。

自分の間違いを反省したり、認めたりすることを拒否したとしましょう。将来的な物事を難しくするだけでなく、このようなふるまいは自己認識の妨げにもなります。その過程を否定してしまうと、自分が正しく行ったことの責任すら否定することになります。結果、自分の能力に気づけなかったり、それを生かしたりすることができなくなります。

否定が間違いからの学びを阻害する理由

ここで、カリフォルニア大学とニューヨーク大学の研究者チームが行った研究を見てみましょう。この研究では、自分自身の間違いを認めないという事実は、その人の性格と関係していることが明らかになりました。これは、潜在的な自己成長の可能性を下げてしまいます。

この結論にたどり着くまでに、たくさんの被験者が分析されました。研究では、間違いを犯したことに対してどう反応するかに基づいて、特徴的な性格のタイプを特定しようと試みられました。

この研究からは、面白い結果があらわられています。間違いへの反応に応じて、70%の人を3つの大きな分類に分けることができるということです。

別の人を責める

子どもは、「自分のせいじゃない!」といつも言います。多くの大人も同じような反応を見せることがわかりました。このような人が間違いを犯すと、その責任を逃れて、別の人を非難します

言い争い

つまり、自分の間違いで他人を責めるとき、自分自身を否定します。自分を認めたり、自分をより良く知ろうとしたりするほど成熟していないということです。被害者を装います罪の意識を受け入れることや、起こったことに対する建設的な評価を行うことができません。

何も起こっていない

自分の間違いが全く見えない人が2つ目のグループです。別の言葉で言えば、証拠があったとしても、自分が責任を取るべきだということが分かりません。

このグループの人は、自分が間違ったことを完全に否定します。責任と直接向き合うことが出来ません。そもそもそれが見えていないからです。存在しない、あるいは認めたくないことから学びを得ることは不可能です。

必要以上に責任を感じる

間違いから学ぶことは、間違ったことを認めることです。「自分の責任です」と言えることが重要です。幸いにも、多くの人は自分が間違っていることを認められるようです。間違いを正し、修正して、あるべきようにして、改善することを厭いません。

しかし、気をつけなくてはいけません。極端になりすぎるような人もいます。自分の行動の責任だけでなく、他のみんなの責任までかぶります。結果、修正するために非常に多くの資源を利用し、そして起こったことで不釣り合いに自分を罰します。

「経験は、自分の間違いにつける名前だ。」

-オスカー・ワイルド-

悲しい

間違ってこその人間です。しかし、間違うことから学ぶことが人間なのであり、それを否定してはいけません。より良い人間になって自分を知る絶好の機会です。常に間違いを犯すべきということではありませんが、そういうことが起こったときにその機会を否定するのはもったいないということです。

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