末期患者のための心理的パリアティブケア

末期の病気だと診断されると、誰もが心を揺さぶられるでしょう。このような状況において、どのような心理的介入が役立つでしょうか?
末期患者のための心理的パリアティブケア

最後の更新: 14 1月, 2021

周りの環境に適応するのは、常に困難ながらやりがいがあります。私たちの周りの環境は絶えず変化しているため、自分の力でコントロールできることは非常に限られています。さらに、経済面で一生安泰な人が、なぜ強い決意を持ち何かを約束をしたり、責任を持って新しいプロジェクトに参加するのか疑問に思うこともあるでしょう。複雑な事態や問題を追求するという人間の自然な傾向の一方で、人間の適応スキルが最大の課題に直面する状況があります。それが、病理学的に末期と診断がつく場合です。

私たちは皆、人間がいつかは死ぬことを知っています。交通事故で突然死亡することもありますが、自分が交通事故で死ぬことを朝目覚めた時に知る術はないでしょう。私たちのほとんどは、まだ生きる時間が何年も残っていると想定して、毎日を暮らしています。たとえそれが、Todoリストがまだ終わってないという理由だけだったとしてもです。

これが人間の生き方であり、私たちは明日、来週、来月、来年の予定を立てます。言い換えれば、死を遠くにある出来事として、またはずっと遠くにある可能性として、独自の時空法で理解しています。

自分の周りに築き上げるこの奇妙な体系は、末期の病気と診断されることで崩れ始めます。今回の記事では、末期の病気という診断に伴う悲しみについてお話したいと思います。さらに、心理療法士が焦点を当てる、末期疾患の重要な側面についても説明します。

末期患者 心理的 パリアティブケア

末期の病気に直面したときの予期的な悲しみ

末期の病気だと診断された状況では、身体は脅威に直面しているかときのように反応する傾向があります。感情面では、不安が最も一般的な反応ですが、他の反応が起こる可能性があります。これは、自分が末期の状態だという事実をどのように対処するかによって異なります。末期の病気と診断された直後、多くの人がその事実を否定します。これは、病気の進行を止めたり遅らせたりするための治療を受けた後ではなく、突然の予期しない診断を受けた場合に特に当てはまります。

心理療法士ができる最重要項目の1つは、患者が自分にとって意味のある方法で末期の状態であるという事実に対処できるようにサポートすることです。メンタルヘルスの専門家としての心理療法士の最初の仕事は、患者の言葉に耳を傾け、患者に寄り添うことです。まずは患者を理解する必要があるということです。

患者を理解して適切な診断を行うことで、患者の希望や、粉々になってしまったすべてを知ることができるでしょう。また、人生の残り時間が不足していると患者が知ることで生じる、最も辛い後悔を特定するのに役立ちます。

患者が心理学療法士を有用なリソースと認知し始めると、そのサポートが意味のあるものになります。患者の苦しみに対処するための効果的な方法を提供する頼りになるリソースだと考えてもらうことが大切です。心理療法士が注意深く観察するのは、末期の病気そのものではなく、病気を発症していることが原因で起こる患者の苦しみです。

最初のステップ

末期の状態であるという事実が原因で起こる不安に続いて、さまざまな段階における患者の感情を特定するために、患者と協力することが重要です。認知レベルでは、この新しい時空の次元で、患者が自分の居場所を見つけるサポートを行うことができます。

セルフヘルプという自立に関する多くの本が奨励している、今この瞬間を生きるという考えは、末期患者にとって良い選択肢ではありません。外出するときは洋服を着ますし、寝る時間になれば私たちは歯を磨きます。旅行に行くのであれば、スーツケースに必要なものを入れます。つまり、末期の患者は将来についてどうしたって考えてしまうでしょう。

この点から考えて、介入のほとんどは、次のような要因によって起こる「危機が迫っている」という感覚に焦点を合わせています。

  • 人生の完全性への妥協
  • 自分が死んだ後に何が起こるかについての不確実性
  • 情報不足
  • 病気に対する否定的な態度

生理学的レベルでは、不安は人間の活性剤となります。私たちの祖先がジャングルで捕食者から逃げるのをサポートしたのは、人間の感情だということを忘れないでください。つまり、患者の過剰な活性化を止めることができるのは非常に良いことです。

この場合、リラクゼーション法と運動が役立つ可能性があります。何がいいかは患者の体調によって大きく異なります。患者のライフスタイル、病歴、意欲、サポートネットワークも重要な役割を果たします。

患者のニーズを満たす

マリアント・ラカスタが、『The Role of Psychology in Palliative Care (スペイン語の元記事からのタイトルの翻訳)』で提案しているように、介入の最も重要な出発点は、患者のニーズを特定することです。介入の効果は、私たちの持つ能力の範囲内にある患者のニーズを満たすことができるかどうかによって異なります。

すでに、患者へのリスニングについてはご説明しました。これには、患者の感情(特にプロセス中に発生する可能性のある矛盾点)の正常化、前述の不安への対処、周囲の人々を残して逝くことへの恐れ、そしてどれほど悲惨なニュースを聞いても、確実に続く希望をどのように扱うかが含まれます。

非現実的な期待を生み出さないことが大切ですが、将来的な出来事に対して、中程度の楽観論を持たないようにする必要はありません。これは非常に繊細な問題であり、治療や介入の中でも、実際に最もデリケートな部分の1つです。私たちは死期が差し迫ったことを完全に認知している人や、全く良くなる可能性がないかのように話す人ばかりに常に対応しているわけではないことに注意してください。

末期患者のための心理的パリアティブケア

友人や親戚を含む介入

心理療法士の役割の1つは、個人のサポートネットワークとなる人々と一緒にトレーニングを行うことです。予期的な悲しみや潜在的なメンタルヘルスの問題にも対処するサポートをする人もいます。患者が話をしたくないと感じる瞬間がおそらく生じるでしょうが、一方で周りにいる人はコミュニケーションを必要とします。その逆の状況も同じように生じます。

いずれにせよ、患者が危険な状況にあることがわかった場合は、患者本人に直接治療を提案してください。多くの場合、オープンなコミュニケーションを維持しながら、別の専門家がそのケースを引き受けることになります。

ケースに関与するすべての医療従事者からの意見を取り入れて介入を行うのが理想的です。このタイプの協力体制は、患者自身がプロセスを自らコントロールしていると感じられる可能性を高めます。

患者は一人では外出できなくなるかもしれませんが、いつ外出をするか、どの服を着たいかを選ぶことはできます。これは取るに足らないように思えるかもしれませんが、多くの制限に対処している患者にとっては非常に重要な問題となります。

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  • Sánchez Sobrino M y Sastre Moyano P (1996). Cuidados paliativos domiciliarios y hospitalarios. En González Barón M, Ordoñez A, Feliu J, Zamora P, Espinosa, E. Medicina Paliativa. Madrid: Médica Panamericana.