マルセロ・セベリオ:レジリエンスとは

28 9月, 2019
著者であり心理学者でもあるマルセロ・セベリオは、インタビューの中でレジリエンス(回復力)について語っています。

マルセロ・セベリオは、「La BuenaComunicación(良いコミニケーション)」、「LosSuperhéroestambiénVan a Terapia(スーパーヒーローもセラピーが必要)」、「Cenicientas y Patitos Feos(シンデレラと醜いアヒルの子)」などの本を執筆しています。彼の印象的な本は、コミュニケーション、精神診断、および心理療法に基づいています。

カリフォルニア州パロアルトの精神研究所での彼の全身療法は非常に興味深いものになっています。彼はそこで教鞭をとり、バルセロナのサンパウ病院のエスクエラデテラピアファミリア(家族療法学部)で重要な役目を担っています。

同様に、イタリアのトリエステで施設の中心になっている知的障害者のケアを、コミュニティを中心としたケアに移行させようとする脱施設化の取り組みも行っています。これは、臨床診療に対する革新的なアプローチです。自身に働きかけ、社会に反映する重要性を強調しています。

「自尊心とレジリエンスは、互いに密接に関連する2つの概念です。自己評価のバランスが取れている人は強く、様々な困難に対処するのに十分な力を持っています。」

-マルセロ・セベリオ-

マルセロ・セベリオ レジリエンス

マルセロ・セベリオへのインタビュー

彼へのインタビューを通して、レジリエンスの概念について詳しくご紹介します。 ヴィクトール・フランクルの著書「Man’s Search for Meaning(生きる意味を探して)」では、生活における超越性または自己価値を説明しています。レジリエンスがあると、健康に良い影響があり、自尊心を高めることができます。

マルセロ・セベリオは、体系的観点と相関的観点からレジリエンスを捉えています。これは、障害に直面した時に心理的リソースだけが重要なのではなく、環境も大きな役割を担っていることを示しています。

この興味深いアプローチは、レジリエンスをより理解するのに役立ちます。それを生物学的側面と感情的知性の相乗的な組み合わせとして見ることができます。このアプローチについてマルセロは、インタビューで次のように述べています。

レジリエンスとは?

簡単に言えば、人間が困難な場面を乗り切る能力であると定義できます。物事に対して脆弱であると感じるとき、レジリエンスのある人は、困難に直面しても、適応しやすく、問題を克服することができます。

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体系的な観点からのレジリエンス

レジリエンスは相関的概念です。他人とやり取りし、問題に対処するために自分自身で解決法を探る際に必要となります。

個人リソースと環境リソースどちらがより決定的か?

個人的なリソースとは、すでに所有しており、自分から生まれた資質で、他人との相互作用や問題に直面した際に発達します。もちろん、環境や文脈も非常に重要です。回復力を高める刺激剤であり、動機付けとなるからです。

両方は相互に関連しています。一方が他方に影響を与えて、気持ちを高めたり、逆に落ち込ませたりすることができるからです。あなたのアイデンティティは相互作用から生まれます。文脈、アクション、状況、個人的リソース、生物学的に相互作用を持ちます。これらのすべてが回復力となるのです。

マルセロ・セベリオ レジリエンス

愛情とレジリエンスの関係

愛情は、人を元気にするだけでなく、生命において必要不可欠です。自然には、ご存知のように空気、火、水、土という4つの要素があると言われています。そして人間には、5番目の要素である愛情が備わっています。回復力のある愛情は、困難から私たちを守ってくれます。あなたは人と関わり、生きていくために他人を必要とするのです。

この関係は、成人の発達に関するハーバード大学の調査結果でも証明されています。1938年からの研究プロジェクトで、約700人の男性と女性、場合によってはその配偶者も含めて継続して調査されています。

これは、歴史上最長の縦断的研究でもあり、生きることの重要性は人間関係から来ることを示しています。そのため密接な関係を保つ必要があります。幸福で精神的に最も健康な人は、家族や友人と強い絆を共有していることも証明されています。

調査の責任者であるウォールディガーは、質の高い関係の重要性を指摘し、対立する関係を避け、健康な関係に焦点を当てることが大切だと述べています。多くの友人がいるからといって、地球上で一番幸せな人間になれるわけではなく、人間関係の質が幸せをもたらします。量ではなく質が大切なのです。

また、自分を他の誰かの立場において、共感し、理解することが大切だと考えらています。争いを減らし、複雑な生活を避ける方法です。これは、トラウマから抜けだし、あらゆる状況において堂々と威厳をもって生きるのに役立ちます。しかし、場合によっては、子供の死、レイプ、大惨事のような問題に直面した場合、物事を楽観視するのが難しい状況もあります。

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強い絆がなくてもレジリエンスはあるのか?

アタッチメント(愛情をもつこと)とは、40年代にJ.ボウルビーによって造られた概念で、生き残るためには、人間は人生で重要な人物と関わりを持つ必要があると言われています。養うためではなく、守られていると感じ、特定の愛情を築くためです。

アタッチメントは感情だけでなく、純粋に相互作用的な概​​念でもあり、愛情は生きていく中であなたを強くしてくれます。人間関係の問題を抱え心が不安定な人は、多くの場合幼少時に十分な愛情を受けず、自信と自尊心が低い傾向があります。

生物学的および感情的な相互作用は、後年に発達させることもできますが、子供のうちに学習し体系化することができます。 B. シリュリンクは、レジリエンスの解明に最も力を注いだ1人であり、困難な状況を克服するのに役立つ感情的なサポート、ガイド、および動機付けとなるレジリエンスについて様々な研究を行ってきました。

愛情は、両親、配偶者、名付け親、叔母、友人などの人からのみ生み出されるわけではありません。映画、格言、物語、本、歌などもモチベーションを刺激します。

こうした愛情を幼少期から持っているのであれば、やる気を引き出すのはより容易になります。十分なアタッチメントがあれば、あなたらしくいるために強い心を持ち、問題に出くわした時も、それに直面し、争いを克服したり支える能力も持つことができます。同時に、愛情深い人、またはレジリエンス力のある指導者となることができます。

自尊心とレジリエンスの関係

自尊心とレジリエンスは、互いに関連する2つの概念です。バランスが取れている人は、強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセスが備わっています。助けを求める時期を理解しており、前向きで自分を導いてくれる人と繋がる術を持っています。

自分をどう見るかによっては、これらの能力に気付かない場合があります。自尊心は、自分の弱さだけでなく自分の持っているものを認識する自己意識と定義することができるでしょう。なぜなら、自分が傷つきやすいことを知っていると強くなるからです。

「自尊心とレジリエンスのバランスを保つことは、トラウマまたは困難な状況に直面する際の最良の方法です。」

-マルセロ・セベリオ-

マルセロ・セベリオ レジリエンス

自尊心の欠如と不安への対処法

自尊心の欠如と不安感は密接に結びついている問題です。自尊心に欠けている場合、いつも不安を感じるでしょう。また不安は自尊心をさらに低下させ、負のスパイラルに陥ってしまいます。

「シンデレラと醜いアヒルの子」にも書いたように、不安感や自尊心の欠如を克服するために、他人の目を気にしたり、他人の視点に合わせてに物事を考えるのをやめる必要があります。自尊心は内から始まるプロセスであり、その逆はあり得ません。

過小評価されている人は、他人のために何かを行い、密かに評価されるのを期待しています。抱擁や愛情を他人から得られるかもしれないという理由だけで行動を起こします。

自尊心を得るために、他人を意識して体を鍛えたり、外見を磨いたり、他人に評価されるために行動を起こすかもしれませんが、これは最終的には自尊心向上には結びつきません。自尊心のない人は、穴が空いた袋のようなものです。代わりのもので穴を埋めようとしますが、それは不可能です。誰もが賞賛されたり、自分がどれほど優れているのか、可愛いのかなど他人から聞くのが好きですが、度が過ぎると常に他人に気を取られ自尊心は向上しません。

自分自身を見つめ、あなただけの美徳と弱点を見つけましょう。短所と長所をすべて把握して、自分が誰であるかを理解してください。他人ではなく、あたなの視点からの自分の価値を向上させることができます。自分を優先させ、見返りを期待せず他人に優しくし、本当にやりたいことを行い、助けを求め、真の愛情を与え、毎日あなたを励ましてくれる人たちと時間を過ごしてください。

辛い経験をしても、レジリエンスの高いタイプの人

そのような人については、まだ研究段階で解明されていないことが多くあります。人間は戦争、強制収容所、家族虐待、飢餓、貧困、その他の様々な困難な状況を乗り越えてきました。人間には自然な生存能力がありますが、経験の少ない人の中には、それらの環境で成功しない人もいます。

レジリエンスは、生物学的能力(セロトニン、ドーパミン、エンドルフィンなどの神経伝達物質、利用可能なアドホック情報を備えた学習センターである海馬、共感するのに役立つミラーリングホルモンの発達)、感情的知性(感情的知性の5つの要素:自己意識、自己調節、動機付け、共感、社会的スキル)、物事のポジティブな側面を見るための創造的要素(右半球)、問題から抜け出す方法を見つけるための創造性、そして健康的な絆を培う共感能力から同時に成り立っています。

レジリエンスのある人は、一連の肯定的な思考を構築する認知態度があります。これらの肯定的な考えは、私たちの感情を傷つける否定的な考えを打ち消します。

これはまた、進化のプロセスです。人間は、どのようにレジリエンスを鍛えるのかその方法を生み出してきました。過酷な生活から痛みを伴う状況を克服した親は、子供たちにもレジリエンスを鍛えるように動機づけました。困難に直面したときに適応する精神力と心理的プロセスを教えたのです。これらは、私がレジリエンスのある人と実際に接して感じた特徴です。

レジリエンス 自尊心

レジリエンスが高い性格とは?

よい質問です!回復力が高いタイプの人間は存在します。先の質問で述べたように、適応力が高く、生き残るための能力、生存するために変化に柔軟なである人がそれにあたるでしょう。

ただし、レジリエンスは新しく生み出したり刺激することができます。心理療法でも、レジリエンスを創りだしていくことができます。レジリエンスの欠如に苦しむ人を助け、問題に対処する能力を開発しています。これは、レジリエンスと自尊心を高める手助けとなるでしょう。