マリリン・モンロー・シンドローム

この症候群にかかっている人は、社会的に成功しており、その魅力で周囲の人を圧倒しがちですが、心の奥底では自尊心が欠けており、空虚感を抱えています。
マリリン・モンロー・シンドローム
Sergio De Dios González

によってレビューと承認されています。 心理学者 Sergio De Dios González.

によって書かれた Valeria Sabater

最後の更新: 25 6月, 2024

マリリン・モンロー・シンドロームは、みんなから好かれているのに 誰とも深く繋がっていない人を指します。そのような人は孤独によって壊れてしまった人であり、ノーマ・ジーン(マリリン・モンローの本名)自身もその一人だったのです。彼女は「おバカなブロンドヘアーの女性」という役を演じていましたが、一部の人しか彼女の思慮深く、自立的な面を見たことがなかったのです。

この代表的な映画界のプリンセスがどのように命を落としたのかについては、ここでは触れません。ジャーナリストのリーチャード・バスキンとジェイ・マーゴリーの著書「マリリン・モンロー:殺人事件(現代:Marilyn Monroe: A Case of Murder)」で多くの情報を見ることが出来ます。その中で私達の興味を引くのは、マリリン・モンローを特徴づける心理的な側面であり、この特徴が、彼女の名前が病気の名前となった理由へ私達を導いてくれるでしょう。

「人生―私は両方向へ動く。人生は下に向かってぶら下がっていても、嵐の中の蜘蛛の巣のように強い」

-マリリン・モンローの詩-

エリザベス・マカヴォイ博士は著書「マリリンシンドローム」の中で、彼女は物理的に死ぬ前にすでに空虚と孤立で死んでいたと述べています。その魅力、スポットライト、ケネディ大統領に歌ったハッピーバースデーミスタープレジデントの裏側には、長い間バラバラになっていた女性がいたのです。彼女は、幸せはハリウッド映画が期待しているものだと理解していました。しかし、現実(彼女の現実)にあったのは利己主義と欺瞞だけだったのです。

マリリン・モンロー

マリリン・モンロー・シンドロームとは?

マリリン・モンロー・シンドロームは近頃とても一般的になってきました。これは役者や歌手、そして特定の社会的成功を掴んだ人に多く見られるようになったのです。このような人は可愛さや美しさ、そして特別なスキルを人々に見せているような職業を持つ人達です。

全ての人が愛し、憧れ、近づきたい、そして彼らの一部になりたいと思う一方、現実は、誰かが社会的地位を上り詰めたり、自らのイメージを向上するための道具として使われている、ということです。人々はただ賞賛され「光り輝く」人を側に置きたいだけなのです。その「人物ターゲット」となる人は、最初はそれを見抜けません。注目の的になることには、依存の要素があります。もし自尊心が低く脆い人だと特に快適さや喜びを感じるでしょう。

幼少期にトラウマを抱え、若くして結婚したマリリンにとって、その注目の渦中にいることはカタルシスのような気持ちを感じることになったでしょう。しかし、彼女は少しずつ何かに気付いていったのです。カメラやプロデューサー、そして映画監督の世界で生き残るには、彼女は極端に純粋な女性を演じなければいけなかったのです。それは気ままでいつでも光り輝いているような女性でした。それこそが人々が望んでいたもので、チケットの売り上げに貢献し、誰もが恋に落ちる女性像だったのです。

マリリン・モンロー笑顔

ノーマ・ジーンは完璧にその役を演じていましたが、誰も彼女の「マリリン・モンロー」としての演技にオスカーを与えませんでした。成功の為に、そしてハリウッドで生き残る為におバカなフリをしていることを強いられていた彼女を知る人は多くありません。彼女はいつも魅力的になるよう幼稚な声のトーンを作り、本人とは全く異なる人物を演じることに大きな労力を費やしていたのです。

マリリン・モンロー・シンドローム:自尊心の消失

受賞を勝ち取ることやいつも注目や欲望の的になることの危険性は、アイデンティティの消失にあります。彼女の最後の夫、アーサー・ミラーは、彼女は「ジキルとハイド」のようだったと述べました。ミラーは、彼女の別の顔を知るごく一部の人間だったでしょう。その彼女の別の顔には孤立と思慮深さを持った詩が好きな女性が映っていたのです。

ミラーはノーマには「詩の本能」があったと語っています。また、彼女は馴染むことにも非常に長けていたと言います。しかし、彼女は皮肉に欠け、地に足をつける必要があったとも述べました。それは事実だったかもしれませんが、彼女に本当に欠けていたのは健全な自尊心だったのです。

「嵐の中の蜘蛛の巣のように強い-私はより光り輝く霧の中に存在する」

-マリリン・モンローの詩-

また、時代が良くなかったことも言及すべきでしょう。テストステロンとマッチョの文化が映画界を支配していたのです。ノーマ自身も自分の制作会社(マリリン・モンロー・プロダクション)を立ち上げようとしていましたが、映画界の人間にはあまりに大胆に移り、猛烈な攻撃を受けます。打ちのめされたモンローは、再び純粋な女性を演じることを静かに決めたのです。

マリリン・モンロー・シンドローム

生き残るため、そして他人に愛されると言う役を演じることには、大きな代償が必要となることをマリリン・モンロー・シンドロームは伝えています。スポットライトを浴びていて、その喜びだけが自尊心を養っているかもしれません。しかし、あなたは自己愛を養っておらず、むしろ毒を与えているのです。

社会的承認や成功はいつも幸せを運ぶものではありません。多くのケースで、あなたに空虚を残し、少しずつ確実にあなたにダメージを与えているのです。


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