待ったり我慢することが出来ない

待ったり我慢することが出来ない

最後の更新: 03 12月, 2018

短気は人間の感情の特徴の1つで、これについては多くの様々な意見が混雑しています。人生をもっと穏やかに過ごすためのアイディアをテーマにした数多くの記事や文書がこの世に存在すると同時に、あらゆる物事を出来るだけ短期間に素早く終わらせようという気質もまた世の中には存在しています。インターネットがほんの5秒つながらないだけでイライラしたり、信号が緑に代わる前にアクセルを踏もうとしていませんか?

忘れてはならないのは、短期は後天的な感情、態度だということです。生理学的に、特定の状況への反応には多くのエネルギーが費やされることが分かっていますが、だからといって、それが短気につながるわけではありません。今の文化や教育が、物事がゆっくりと進んだり寛容でいることを良しとしない傾向にあるのです。

「我慢は弱者の強み、短気は強者の弱みである」

イマヌエル・カント

 

専門家は、短気はフラストレーションに対する耐性のなさとつながっていると言います。自分の思ったような結果がすぐに出ないからと言って、それが不安へとつながるべきではありません。なんにせよ、私たちはこの目まぐるしく動く社会から求められるあらゆるプレッシャーに耐えており、それでいながら、努力と結果を切り離した見方を強いられています。文化的に、出来るだけ早く、出来るだけ良いものを手に入れることが求められています。

 

現代と短気

近年の変化は、感情的な時間の認識を非常に苦しいものにしています。私たちは「今、この瞬間」というものに集中しすぎており、すぐに結果が出ないと酷く動揺します。実際に出来る可能なこと以上に素早く短期間に終わらせてしまおうと、急いてしまうのです。その結果、不安でいっぱいになるのです。

たまご

長い時間待つというのは、多くの人にとって曖昧なものに感じられるようになってきています。プロセスを大切にすることなく、結果ばかりを見ています。時間はあっという間に過ぎるので無駄にしてはいけない、という考えが広まりすぎて、誰もが全てを急いでいます。今や時間は競争の目安となっています。

少し前までは、遅れることはそんなに悪い印象を持たれていませんでした。特に創造に関わる仕事など、それは人生の自然な流れの一部として受け入れられていました。時間がかかるものもあるのだということを、みんなが理解していました。急かすことなく時間を十分に与えていたのです。ですが今日ではそれもほぼ不可能なものになっています。そのため、多くの人がどうやったら結果に早くたどり着けるのか、その方法や近道を探っています。

 

短気な人の苛立ちと衝動

短気は張り詰められた糸と同じで、時間が経つとともにその糸の緊張はさらに増していきます。糸の片端はあなたの努力、もう方端はその結果です。多くの人がその二つの間の距離を出来るだけ短いものにしようとします。

白い服を着た女性

そのため短気な人は常にイライラしているのです。時間をコントロールしようとするがために苦しんでいるのです。すべてを早く、短期間に終わらせようと考えるため、どんなに早くても、それを十分だと感じることが出来ません。何かに2分かかるとすると、それを1分にしたいと考えます。そうやってどんどん時間を縮めようとします。ですが全てがなんでも素早く進むわけではありません。だから怒ったりイライラしたりするのです。

また短気な人は衝動的でもあります。スピードへの執着は、物事を慌ただしく早急に済ませようとします。次に何をするか、何を言うか常に考えています。少し待たなければならない場合が出てくると、本能的にそれに反応します。ですがそれは状況をさらに悪くするだけです。

 

短気を克服する

短気は遺伝ではありません。人間が本来持っているものでもありません。前にも述べたように、学習によって身についた態度なのです。つまり、今よりもっと建設的な態度に変えていくことは可能だということです。これを克服するには様々な方法がありますが、最も効果的な方法の1つは、我慢の練習をすることです。

花とつゆ

まずはゆっくりとしたペース、リズムを身につけましょう。イライラしてはいけません。呼吸の方法から学ぶと良いです。1日のうち5分、ゆっくり深呼吸してみましょう。これは心拍数やの働きに変化を与えます。ゆっくり物事を進めたり、待ったりすることを時間を無駄にしていると感じることがなくなります。

練習はとても大事です。心が平穏であればあるほど、より良い結果を得ることが出来ます。時間を今まで以上に上手に使えるようになり、適切な感情のリアクションを生み出します。セルフコントロール能力が高まり、後で後悔するようなことを言ったりしたりすることがなくなります。少し待たなければならないような状況にわざと身を置いてみてください。病気である場合は別として、もし我慢が出来ないようなら、もう一度自分を見つめ直すことから始めましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。