見捨てられ不安を常に感じてしまう原因

見捨てられ不安を常に感じてしまう原因
Gema Sánchez Cuevas

によってレビューと承認されています。 心理学者 Gema Sánchez Cuevas.

によって書かれた Raquel Lemos Rodríguez

最後の更新: 21 12月, 2022

世の中には、常に見捨てられ不安に駆られて苦しんでいる人がいます。この不安に苦しむ人は、相手が自分の元を去ってしまうのではないかという恐怖を常に抱えているため、落ち着くことができません。事実、こうした不安に苦しむ人はどんなことにも気づいてしまいます。相手の言葉の一字一句を分析して、自分の恐怖を肯定してしまうのです。見捨てられ不安に苦しむ人は、「彼は私とは一緒にいたくないんだ。私は彼にとって何の意味も成さないんだ。彼は私のことを愛してないんだ」といった考え方をします。

誰かと付き合い始めて、そのパートナーが自分をいつか見捨てるのではと恐れていたら、実際にそうなってしまうかもしれません。なぜなら、その恐怖は肥大するあまり、不健全な執着となってしまっているからです。こうした恐怖に駆られている人は、パートナーをコントロールし、脅し、信用しなくなります。こうした行為が2人の関係に害を成し、結果として別れることになってしまいます。

人間関係と言うのは、時と共に変わったりします。仲の良かった友人がある日突然、もう友人を辞めると決めることだってあるかもしれません。人生も人間関係も変化がつきものです。残念なことに、見捨てられ不安を常に感じている人は、この事実を受け入れることができません。見捨てられるかもしれないという恐怖が、「人間関係はみな悪い方へ変わっていくのだ」と信じこませてしまうのです。

幼少期に育つ愛着

常に見捨てられ不安を抱える人を理解するためには、彼らの幼少期にフォーカスをあてる必要があります。自分の幼少期のことなんて、ほとんど何も思い出せないかもしれません。ですが、大人になってから築くことになる関係を決定づけるとても重要な要素がこの幼少期に形成されるのです。それが愛着です

「自立して堂々とした大人になるためには、依存せねば生きていけない、愛着を伴った支援を受ける赤ん坊でなければならない。つまり、愛されていなければならない。」

―スー・ゲルハルト―

しずく

愛着は、全ての子供が養育者との間に育む心の絆です。自分の欲求を満たし、安心を与えてくれる存在が養育者です。いくつかの研究によると、大人になってから見捨てられ不安に駆られるようになった場合、それは愛着が健全な形で育まれなかったためであることが分かっています。ですから、幼少期の間に何かが欠けていたわけです。このことについて話を掘り下げてみましょう。

常に見捨てられ不安に駆られることになる要因

  • 愛情不足:養育者がハグをしなかったり、体をもって愛情を全く示さないでいると、子供は愛情不足のまま成長します。親が子供に対して褒めたり、良いことを言わなかったりしても、愛情不足になったりします。
  • 養育者の不在:見捨てられ不安に駆られている人は、親から十分な注目を得られなかったと信じ込んでいます。もしかすると、両親はただ自分の用事でいっぱいいっぱいだったのかもしれませんし、または単純に不在だったり、忙しすぎたのかもしれません。こうした不在感が彼らに深く影響を及ぼします。
  • 両親同士の関係:両親同士の良好な関係は「パパ・ママは自分のことは見捨てない」という考えを植えつけさせてくれるものとなります。例えば、浮気は子供の安心感を大きく揺るがすものとなります。こうした出来事が、子供に「人はみな『浮気者』なんだ」と思わせることなり、「自分も両親にきっと見捨てられる」と思うようになるのです。

常に感じる見捨てられ不安は大変やっかいなものですが、子供なりに形成した防衛機制の一つです。このような不安を抱えた人は、安心できる愛着を形成する代わりに、不安定な愛着を形成してしまったのです。そのため、パートナーのことが信じられず、大変用心深くなってしまうのです。ですが、愛情という欲求を満たすためにパートナーに依存したりもします。

同じパターンの繰り返し

あなたが常に見捨てられ不安を抱えているとしたら、おそらく、過去に浮気をされたり、親に甘えすぎなパートナーとつき合ったり、仕事三昧で全然かまってくれないパートナーと付き合ったりしてきたことでしょう。無意識に、あなたは幼少期に見捨てられた体験と同じパターンを繰り返しているのです。唯一の違いと言えば、親子関係ではなく他人との関係で起こっているということでしょう。

親との関係が大人になってからの人生に影響を及ぼしているとようやく気付くと、親を責めたり、親に対して怒りの感情が湧くかもしれません。ですが、覚えておいてほしいのは、両親も両親なりにベストを尽くしたということです。今、あなたは大人なのですから、あなたが下す決断はあなた1人の責任です。他人を責めても何の解決にもなりません。ただ、自分自身と向き合うしかないのです。

黄昏る人

幼少期に身につけてしまった不健全な愛着の形を癒すには、自尊心を高めるのが最善の方法です。そうすることで、自分の欲求を満たすのに相手に依存するのを止められるようになります。自尊心を高めることで、自分も相手も信用できるようになります。そうすれば、健全な関係を築くことができるようになるかもしれないのです。

覚えておいてほしいのは、幼少期に起こったことは取り消せないということです。ですが、自分と向き合い、自分という人間を高め、問題を解決することはできます。自分の気持ちをうまく制御できるようになりましょう。健全な関係への道は簡単ではありませんが、その道を歩む価値はあるのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。