問題がないこと=幸せではない?

23 1月, 2020
幸せは問題のない人生を送れるかどうかによるものではありません。自分の身に起こることに関し、どう考えるかによるのです。それをあなたは脅威あるいは挑戦だと考えますか? 過ちかそれとも学習の機会だと考えますか?

問題がないことが、自然と幸せにつながるわけではありません。もっと重要なのは、恐怖を生む不確かなものに耐え、変化しようという意思です。とはいえこれを実践することは、簡単ではありません。アルベール・カミュは、「人は幸せを見つけようと必死になる。それがまるで聖杯であるかのように」と言っています。幸せはゴールではなく、柔軟な戦略や新たな観点を必要とする日々の訓練なのです

ペンシルバニア大学の心理学者マーティン・セリグマンが、単なる病理より深い所を見る必要があると指摘したのは、ずいぶん前のことです。彼は気分を豊かにし、幸福度を高めることについて考えることの重要性に関しても語っています。1990年ポジティブ心理学が誕生してから、理論や善意に基づいたアドバイスが大幅に増えました。

幸せに関する本は、毎年何千冊と出版されています。これに関する授業を大学でもいくつも提供し、タル・ベン=シャハーなどは、幸せの達人だと自称しています。脳科学も、幸せな時に脳に起きていることや幸せを高めるためにできることなどの発見など、この分野に貢献しています。

このようなトレンド、アプローチ、観点はすべて興味深く素晴らしいものです。一方でこれには問題になる側面もあると指摘する人がいます。その問題とは、幸せのコンセプトがマーケティングのタネになっていることです。幸せになるためにできることを「教え」、また人を悲しみや不安、不確かなもの、不快に耐えられなくしています

人生はいつも楽ではないというのが事実です。幸せになろうとどんなに頑張っても、状況が思うようにならないこともあります。そのため、あなたの幸せのコンセプトを考え直すことが重要です。それでは、その方法を見ていきましょう。

問題がない 幸せ

 

問題がないからと言って幸せではない

すべての問題を解決することができたら自分は幸せだろうと考えることは簡単です。しかしそうであれば、幸せはほとんど起こりえなくなってしまいます。私達が生きる世の中は予測不能です。毎日、多くの人と接し、衝突やお互いに対する勘違いが起こります。自分が何者か、どこに住んでいるかは関係ありません。問題は生じるものであり、自分の周りに起こること、自分の中で起こることに対し、絶対に動じないという人はいません。

最近、学問の世界で、幸せに関する異なる視点を与える、新しい声があがっています。ジャーモン・ウェイクフィールド(ニューヨーク大学)とアラン・ホーウィッツ(ラトガース大学)は、それは「うつ」ではない どんな悲しみも「うつ」にされてしまう理由』を出版し、悲しみやフラストレーションという感情を私達が消そうとしていると語っています。

しかし、このような感情を認識せず、ポジティブな感情のみを重要視していると、本質的には自分を精神的に無視することになります。現在、不安やストレスへの対応において迷子になっている人がたくさんいます。なぜ胃が痛むのか、なぜ恐怖によって動けなくなることがあるのかが分かりません。逆境や複雑な精神状態に対応することと、幸せになる機会をつかむことは大いに関係しているのです

問題が無いこと 幸せ

 

幸せとは、恐怖や不確かな状態の中でも行動しようとすること

脳科学者、心理学者、精神科医、経済学者、僧侶により認めらている、適切で、素晴らしい幸せの定義をご紹介しましょう。それは、人生に意味を見出し、目的をもち、積極的であることです。成長しようとし、日々の困難や逆境を受け入れようとすることです。この究極の観点によれば、これが幸せの本当のカギになんだそうです。

エドゥアルド・パンセットは、幸せとは恐怖がないことだと言っています。人間は恐怖を感じることを止めることはできないため、解釈を誤るとこの考えは少しおかしく感じるでしょう。恐怖は、自分が何者であるかを決め、目的を与えます。それも、ひとつだけではありません。

例をあげましょう。「新しい街に引っ越して、新しい生活を始めるのはこわいけど、これは自分がやるべきことだというのは分かっている。このステップで、自分は成長することができる。恐怖に負けず、勇気をもって行動すべきだ」

問題が起こることを理解しつつ、その問題に対処できると感じること

繰り返しになりますが、問題がないこと=幸せではありません。チャレンジに立ち向かうことができるということが、幸せをつかむための最初のステップです。カリフォルニア大学の心理学教授ソニア・リュボミルスキーはポジティブ心理学と幸福に関する噂の正体をあばいている人物の一人です。幸せは、目的の達成や物の所有によって得られるものではないと彼女はよく語っています。

自分に満足していると感じる時、人は、バランスがとれ、自己実現ができていると感じます。それは次に起こることに対処できると思う時、自尊心が高い時、恐怖、ストレス、悩みと向き合える時です。この種の強さを感じる時、すべての流れがよくなります。

人生は楽ではないということを頭に入れておきましょう。道中、山道があり、たくさん怪我をするでしょう。これは逃れることのできない現実ですので、それを受け入れようとしてみてください。

問題が無いこと 幸せ

まったく予測していないときに、天地がひっくりかえるような物事や問題に動じない人はいません。それと闘うのではなく、自己成長や精神的強さを身につけ、自分の幸せを探索しましょう。