マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標とユング

INTJ、ESTP、INFJ…これらの謎めいたコードは有名なマイヤーズブリッグス性格タイプに基づいた様々な性格タイプに対応しています。この計測手段はカール・ユングの最も興味深い性格タイプ理論を土台にしています。
マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標とユング
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

マイヤーズ・ブリッグス性格テストは最も有名なパーソナリティ計測手段の一つです。しかし、科学会全体から受け入れられているわけではありません。これは、このテストが信頼性や妥当性という面で基準を満たしていないためです。それにもかかわらず、マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標(MBTI)は今でもとても人気があります。

INFJという、内向的・直観型・道理型・計画型という特徴を持つパーソナリティタイプについて全く読んだことがない方はいらっしゃいますか?また、INFPというパーソナリティはカール・ユングに”仲介者”と名付けられていたので、ご存知の方も多いかもしれません。ともかく、INTJ、ESTPといったこれらの文字が確実に人々を惹きつけ、好奇心をかき立てていることは明白な事実です。

制約はあるにせよ、これが今でも最もよく使われる性格測定手段だという事実は間違いではありません。これは自己申告の形式を用いた一種の目録表のようなものです。言い換えると、誰でもオンラインで行うことができ、自分がどの性格タイプに当てはまるのか調べることができるということです。このテストはキャサリン・ブリッグスとその娘イサベル・ブリッグス・マイヤーズによって1942年に展開された基準に従っています。

この計測手法はカール・ユングによる高名な著作『心理学的類型』に基づいています。皆さんはご存知ないかもしれませんが、内向的・外向的というコンセプトを最初に導入したのがユングでした。マイヤーズ・ブリッグス性格テストはこの方法論を用い、さらに発展させたものです。読み進めて、このテストについてさらに詳しく学んでみてください。

“光のイメージを想像してもその人が輝けるわけではなく、暗闇を意識させてこそ光を放つことができるのだ”

カール・ユング

マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標 ユング

マイヤーズ・ブリッグス性格テストの目的、特徴、信頼性

イサベル・マイヤーズとその母キャサリンはユングの理論に出会い、これに魅了されました。そして彼女たちはこれを自分自身にも適用し、彼の理論を実用的な形で取り入れて人々の個性の違いの理解に役立てようとしました。つまり、人間のパーソナリティに関する理解を深め、それによって人類の潜在能力や限界を知ろうとしたのです。

彼女たちがこの指標を作ったのは第二次世界大戦の最中でした。それまでにも、すでに二人は”自分自身と出会う:パーソナリティボックスから自分を探し出す方法”や”未開状態からの脱却”などの非常に興味深い論説を発表していました。

二人が初めてマイヤーズ・ブリッグス性格テストを世に紹介した際、その意図は職業選択プロセスを容易にしたい、というものでした。人々が自らの幸福度と個人的な達成感を最大限に向上させられるような仕事を選ぶ手助けをすることがそのゴールとされていたのです。

それから2年後、二人は使用法に関するマニュアルを出版することにより、このテストをより使いやすいものにしました。1956年には名称が現在と同じもの、つまり「マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標」に変わりました。

マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標から得られる情報とは?

マイヤーズ・ブリッグス性格テストを受けることにより、自らの性格タイプに関する情報を得ることができます。このテストは16もの細かなタイプを描写しています。

したがって、MBTIの目的は自己発見、つまり自分がどう世界を理解しているのかやどう行動し、どう世界と関わっているのかを知ることを容易にすることであると言えます。また、職業選択に役立たせることができるよう、自分の強みを発見することも目的の一つです。そして自分が他人とどれくらい調和できるのかを知ることにもつながります。

マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標 ユング

マイヤーズ・ブリッグス性格テストは何を計測しているのか?

この性格テストは以下の4つのスケールで成り立っています:

外向性(E)− 内向性(I)

誰もが外向性と内向性を併せ持っている点をご承知おきください。ただし、常にどちらか一方に大きく偏る傾向が強いのです。

感覚型(S)− 直観型(N)

ここでは、周囲のものとの2種類の関わり方について触れています。つまり、感覚型の人々は現実により鋭く注意を払う傾向があり、それを感覚にしたがって行なっているということです。

しかし直観型の人は感情やパターン、印象といったもっと抽象的な要素に気を取られてしまいます。また、後者の方がより想像的で思慮深い特徴があります。

思考型(T)− 感情型(F)

これは、どのように意思決定を行うかについての情報です。一部の人はより論理的で観察型(合理的でよく考える)のに対し、感情的な人々もいます。

判断的態度(J)− 知覚的態度(P)

4つ目のスケールは周囲の物事をどう解釈し、どう決断を行うかについてです。中には判断的態度で常に頑なな決断を行う人もいれば、一方ではもっと柔軟で知覚的で繊細で、臨機応変な解釈をする人もいます。

最後に、これら4つのスケールからそれぞれ得られた結果をもとに生成された文字列が、その人物のパーソナリティスタイルを定義づけます:

  • ISTP − 巨匠
  • ISFJ − 擁護者
  • ISFP −冒険家
  • INFJ − 提唱者
  • INFP − 仲介者
  • INTJ − 建築家
  • INTP − 論理学者
  • ESTP − 起業家
  • ESTJ − 幹部
  • ESFP − エンターテイナー
  • ESFJ − 領事官
  • ENFP − 広報運動家
  • ENFJ − 主人公
  • ENTP − 討論者
  • ENTJ − 指揮官
マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標 ユング

マイヤーズ・ブリッグス性格テストの導入と信頼性

この記事の冒頭で述べたとおり、マイヤーズ・ブリッグス性格テストは”専門家”たちからはあまりよく受け入れられていない計測手段です。人気はありながらも、賛否両論のある性格テストなのです。まず、行動について説明するには少し散漫としすぎています。

さらに、科学会はこのテストが彼らが言うところのバーナム効果という現象を引き起こすと指摘しています。つまり、すぐに自分の性格を特定したような気分になるための記述に過ぎない、ということです。

また、そのような批判や信頼性や妥当性の低さにも関わらず、このテストはしばしば職業選択の場面で使われます。

アレン・ハマーによる調査が示す通り、多くの学校で生徒の職業選択を手助けするためにこのテストが用いられているのです。また、個人としての発達という分野で繰り返し行われるテストでもあり、人々が自分自身についてもっと知るためにオンラインでも受けられることの多いテストでもあります。

ただし、結果について説明し、適切なガイドをしてくれるような専門家がいればもっと確かな効果を得ることができるでしょう。とにかく、このタイプ指標が今でもかなり魅力的で面白いリソースであることに疑いの余地はありません。


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